ノイキャン＋ワイヤレス、しかも小さく使いやすい！ AKG「N60NC WIRELESS」レビュー

喧噪のなかでも音楽や動画に没入できる実力

見晴らしが良くクリアな中高域。タイトで引き締まった力強い低域と、全帯域に渡る豊かな解像感は、N60NCから踏襲された、AKG Nシリーズならではのハイレベルなもの。中低域の音のつながりがほんのわずかに滑らかさを増しているように感じられ、女性ボーカルやアコースティックギター、バイオリンなど生楽器の余韻がより柔らかく伝わってきた。

マイケル・ジャクソンの「Off The Wall」から『I Can't Help It』ではきめ細くふくよかなボーカル、エレキピアノのメロディに優しく包まれる。ベースラインが膨らみすぎることなく、スムーズで熱いグルーブを描き出す。ドラムスのリズムはストレートで濁りがなく切れ味も鋭い。

Christian Eggenによる「Carl Nielsen Piano Music」から『Chaconne opus 32』では、ピアノの音色を自然に蘇らせ、打鍵の強弱をリアルに伝えてくる。喧噪に囲まれるアウトドア環境で楽曲を聴いても、本機の優れたノイズキャンセリング効果によって演奏者のエモーション、楽曲の表情がありありと浮かんできた。高域の弱音に一瞬の煌めきと華やかさを感じさせてくれる豊かな音楽性が本機の大きな魅力だと思う。安心して耳を預けられるヘッドホンだ。

地下鉄や電車で移動しながら、Amazonプライム・ビデオで動画も見てみた。特に役者のセリフが明瞭に伝わってきて、効果音の立体感も鮮やかに引き出してくれる。騒音の多い場所でもストレスなく、ストーリーに没入できた。

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本機はノイズキャンセリング＋ワイヤレスヘッドホンの中でもポータビリティが高く、同時にAKGならではのハイクオリティなサウンドも楽しめる。だから音楽再生に限らず様々な用途で使い倒せる。様々なリスニングシーンに「いい音」を実感させてくれる良きパートナーになってくれるはずだ。