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歴史に名を刻む銘機が登場

AKGのDSP内蔵ヘッドホン「N90Q」レビュー。NC/音場補正/USB接続の実力をチェック!

公開日 2016/10/28 10:00 山本 敦
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AKGは約70年前に創立した当時から今までの間、スタジオで生まれた音楽を忠実にリスナーの元へ届ける技術と製品を愚直に開発してきた。そのフィロソフィーは今もなおヘッドホン・イヤホン、そしてプロフェッショナル向けのマイクなどすべてのオーディオ製品のラインナップに貫かれている。

2010年には、世界のトップ音楽プロデューサーであるクインシー・ジョーンズがサウンドを監修したプレミアムヘッドホン「Q701」が発売された。本機は極上の音楽が生まれる第一線で活躍するクリエイターの声を直接採り入れることによって、スタジオの緊張感あふれる生々しい空気をユーザーに届け、アーティストとの距離を縮める画期的なヘッドホンとして絶賛を博した。

そして今回、AKGはアーティストがリファレンスとするサウンドを、ユーザーひとり一人の耳に最適化できる画期的な技術を乗せたハイエンドヘッドホン「N90Q」を発表した。


N90Q
AKGのNシリーズは、日本ではカナル型イヤホン「N20/N20U」を皮切りに、昨年待望のデビューを遂げたプレミアムラインだ。N90QはAKGが誇る最先端のオーディオ技術を結集したシリーズのトップエンドとして、2015年の幕開けにラスベガスで開催されたエレクトロニクスショー「CES」に姿を現し、その後ゆっくりと時間をかけて丁寧に開発が進められてきた。

本機のデザインはサウンドを監修したクインシー・ジョーンズの実娘であり、ファッションデザイナーとして名を馳せるキダータ・ジョーンズが手がけている。イヤーカップとアーム、コントロールリングにあしらわれたアルミの光沢感と、イヤーパッドとヘッドバンドに用いられている本革素材のマットな質感とのコントラストが外観の個性を引き立てている。ヒンジにはソフトなポリカーボネート素材を使っているので、長時間身に着けていても疲れない、心地よいフィット感を実現している。

デザインはキダータ・ジョーンズが担当。プレミアムな素材を組み合わせた上質なデザインだ

密閉型のハウジングには52mm口径の大型ドライバーを搭載している。リスニングの際には電源をオンにして使うアクティブタイプのヘッドホンであり、インピーダンスを32Ωとしていて感度もよい。だからスマホと組み合わせても十分に力強いサウンドを鳴らせる。内蔵するバッテリーは4時間のフル充電で最長12時間も続けて音楽リスニングが楽しめる。パッケージには専用のポータブルバッテリーも付いてくるので、旅先に持ち出す場合もバッテリー切れの不安は少ないと言える。

付属のケースは本機を収納しながら充電することも可能。ポータブルバッテリーも同梱される

N90QにはAKGが誇る最先端のオーディオ技術が惜しみなく搭載されている。長年のヘッドホン開発から得られたノウハウは、二つの低反発素材を組み合わせることで、遮音性とフィット感の両方をバランスよく高めた新開発の「デュアルフォーム・クッション」にも反映されている。以下に、N90Qの魅力を語るうえで欠かすことのできない「5つのハイライト」を順に紹介しよう。

次ページN90Qの「5つのハイライト」とは?

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