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純正ならではのメリットを遺憾なく発揮

音が飛躍的にグレードアップ!AKG「N40/N30」用純正リケーブルを使ってみた

2017/06/15 野村ケンジ
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AKG初リケーブル対応の人気イヤホン「N40」「N30」

AKGイヤホンで初めてリケーブルに対応した「N40」(左)と「N30」(右)

BA+ダイナミックの2ウェイハイブリッドドライバーや、好みに応じて交換できるメカニカル・チューニング・フィルターなど、フラグシップ・カナル型イヤホンAKG「K3003」のテクノロジーを継承しつつ、着脱式ケーブルやハイレゾ対応など、最新モデルとしての進化も推し進められたAKGのイヤホン「N40」。フィルターの種類など付属品を簡略化しつつ、方向性の異なるサウンドキャラクターに仕立てられた姉妹機「N30」も含めて、現在、大いに注目を集める人気モデルとなっている。

そんな「N40」「N30」のアドバンテージといえば、真っ先に上がるのが交換可能なメカニカル・チューニング・フィルターだろう。ノズル先端部に配置されているこちらのフィルター、「N40」で3タイプ(REFERENCE/HIGH BOOST/BASS BOOST)、「N30」で2タイプ(REFERENCE/BASS BOOST)が用意されており、音の好みやよく聴く楽曲に併せてサウンドキャラクターを変更することができる。この“さらにもう一歩自分好みに”調整できるのはありがたい限り。

「N40」と「N30」ではそもそものサウンドキャラクターが異なっていて、「N40」は忠実な再現性とキレの良い高域を両立しつつ、広がり感のある音場を併せ持つAKG伝統のスタジオモニター的なサウンドキャラクターに仕上がっている。いっぽうの「N30」はキラッとした高域を保ちつつ丁寧な表現かつ落ち着きのある低域を組み合わせ、聴き心地の良いサウンドを楽しませてくれる。

これにフィルターを組み合わせることで、多くの人が“これだ!”と思えるサウンドを作り上げることができるのだ。なかなかに魅力的なパッケージングといえるだろう。


実はちょっとクセがあったN40/N30のコネクター

そしてもうひとつ、「N40」「N30」にはメリットがある。それは、AKG製イヤホンとして初の着脱式ケーブルを採用していることだ。接続端子もMMCXを採用しているため、実際の着脱作業もかなり手軽に行える。

しかしながら、実は「N40」「N30」の着脱式ケーブルにはちょっとしたクセがあったりする。なかでも「N30」は、一部の市販リケーブルしか付けられない、という注意点があるのだ。接続の確実性を得るためとのことだが、本体側の端子が一段奥まった部分に配置されており、筆者手持ちのもので試してみたところ、大半の市販ケーブルが接続できなかった。

いっぽうの「N40」は、他社製ケーブルの多くを接続できるものの、純正ケーブル込みでサウンドチューニングを纏め上げた印象があり、定評ある市販ケーブルと付け替えても、低域がボリューミーになるなど、かえってバランスを崩してしまったりすることもあった。

このように、「N30」は物理的に、「N40」はサウンドバランス的に交換が難しかったケーブルに、このたびAKG純正モデルが登場した。導体は6N OFCを採用し、アウターシースとして布製被覆を採用。長さは1.2mを用意する。プレーヤー側のコネクターが一般的な3.5mmの「CN120-3.5」のほか、2.5mmバランス接続端子の「CN120-2.5」も用意されている。

3.5mmリケーブル「CN120-3.5」

2.5mmバランス接続リケーブル「CN120-2.5」

付属ケーブルも布製被覆を採用するなど丁寧な作り込みがされてはいるが、アップグレードの選択肢が増えるのは嬉しいかぎり。なかでも、2.5mmバランス版もラインナップしたのはとてもありがたい。ということで、さっそく「CN120-3.5」、「CN120-2.5」の2本とも借用し、「N40」「N30」と組み合わせて試聴してみた。

次ページリケーブルで音はどれくらい進化するのか?!

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