[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第162回】「ポタ研2016夏」で高橋敦が気になったものベスト5を大発表!

高橋 敦

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2016年08月05日

【第3位】やっと試せたfinalの極度に小さなイヤホン

ずっと気になっていたのだがこれまで行列等に負けて実物を見ることができないでいた、finalの新主力イヤホン「F」シリーズを今回こそはと列に並んでチェック。期待通りによいものだった。

シリーズ最上位「F7200」はステンレス鏡面仕上げボディ。実売想定4万9800円

シリーズミドルレンジ「F4100」はアルミマグネシウム合金のブラックアルマイト仕上げ。実売想定2万9800円


シリーズエントリー「F3100」は仕様的にはF4100のリケーブル非対応版だが、音のチューニングも変えてある。実売想定1万9800円

「F4100」を少し引いて写した様子。ケーブルやイヤーピースと一緒に見ると本体の小ささが際立つ

ご存知の通り一般的に「F」は大型化や複雑化、恐竜的進化へのアンチテーゼ的な意味合いを持つ文字だが、この「F」シリーズのシングルBAかつ超小型という有り様もそれを感じさせる。

流れとしては、同社は元々シングルBAにこだわっているブランドであり、シングルBAで不足しがちな要素をいかに補うかを考える中でこの形にたどり着いたということかと思う。ドライバーを鼓膜にできるだけ近付けてできるだけ密閉すれば低域や音圧を高めることができ、そのために取った手段が筐体を「これもうノズルだけじゃないですか」レベルにまで超小型化するというこの方法だったのではないだろうか。

さて試してみた印象だが、まず装着感が極度に好い!耳の奥まで入れるタイプなのでそれが苦手な方には向かないかもしれない。しかしそこが問題ない方にはこの軽さ、耳の中や周りで存在感を出さない感じは好ましいものだと思う。

音調としては「3100」はシングルBAとしての素直なバランスをベースに低域の量感を少しだけ盛ってある印象。しかし盛った分だけ低音がもったりするなんてことはなく、バスドラムのアタックなどはむしろ「速い!」と感じる部類。シングルBAのよさはもちろん生かされている。

「4100」は3100と比べて、ボーカルの声が少し明るく、ベースの輪郭や芯がよりくっきりするなど、明瞭度が高い印象。シリーズのうち、シングルBAイヤホンへの期待に最もスタンダードかつハイレベルに応えるモデルと感じる。

「7100」は、メーカーの意図としては4100が「7200に比べて、暖かみのある音質傾向」とのことなので、7100は寒色系を狙っているのかもしれない。しかし僕には4100よりも湿度感があるというか、ブライトすぎない落ち着いた音色に感じられた。僕の好みとしてはこれがいちばんだ。特に女性ボーカルの湿度感、しっとりとした耳心地が好印象。

メーカーの意図と僕の印象の誤差については、このシリーズの特徴が影響しているかもしれない。このシリーズの超小型筐体には「装着の具合、深さや角度の自由度を高めることで、それ次第で音質を調整できる」狙いもあるというのだ。なのでユーザーそれぞれの好みの装着ポジションに合わせると、音の印象もある程度変わってくるだろう。

常にひとつの安定した状態での装着で安定した音質を得ようというカスタムイヤモニとは真逆、ユニバーサルならではのこの発想も、このシリーズの面白さのひとつだ。

第2位は…あの名門イヤモニブランドから出たBluetoothリケーブル

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