“実質的フラッグシップ”の実力を検証

エソテリック「P-02X/D-02X」を聴く - Grandiosoの技術を凝縮したトラポ&DAC

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鈴木裕

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2016年06月28日

■前モデルとの比較も含めた試聴レポート
前モデルとの比較試聴を敢行。よりリアルで密度の濃い世界へ

エソテリックの試聴室にて、音源ごとにまず従来モデル「P-02/D-02」で聴き、その後に「P-02X/D-02X」で試聴するという一番厳格なスタイルで比較試聴を行った。アンプは「C-02X/S-02」。スピーカーはタンノイの「Canterbury/GR」に、「Prestige GR」スーパー・トゥイーターを組み合わせたものである。

「P-02X」(上)と「D-02X」(下)

ポップスや大きな編成のオーケストラ、オペラの1場面、ブルージーなライヴなどを聴いていった総合的な印象を記すと、帯域バランスや全体的な音の佇まいがナチュラルになっていて、より音の密度が上がっている。比較すると、先代の「02」はよりオーディオ的な情報を押し出してくる感覚を持っている。「02X」も情報量という意味ではキメ細かく階調表現も深くなっているのだが、あくまで自然体なのだ。微細なところの立体感や音のほぐれ方が絶妙に良い。

これについては、特にクラシックの音源で聴くとよく分かる。ステージの上のそれぞれの奏者のいる位置関係や、オペラでのソリストのカラダの向きが見えてくるような感覚が強くなっており、Grandioso譲りも表現力を感じる。そもそも音の背景が「02X」ではより静かになっているが、ステージの上の楽器の定位していない場所の密度にムラがない。別の言い方をすると、音の密度がより骨格感を持った濃いものなっているという言い方が伝わりやすいかもしれない。位相表現の難しい箇所でも、音像の輪郭を強調せずに見え方がしっかりしてくる感覚はさすがと思わせる。そうした積み重ねが、クオリティの高さと音楽的なまとまりの良さを両立させているように思った。

【CD】『ソノリテ/山下達郎』MOON(WPCL-102282)、【CD】『アンプラグド/エリック・クラプトン』Repriseワーナー(WPCR-22022)、【SACD】『ジルヴェスター・コンサート1997/アバド指揮ベルリン・フィル』GRAMOPHONEエソテリック(ESSG-90098) 

P-02X/D-02Xはエクステリアの変更は少ないが、主要コンポーネントの全てが新しくなっている。電源部、回路コンポーネント、DAC部、バッファーアンプ部、そしてシャーシのチューニングといったそれぞれに投入された新しい技術や細かい熟成が総合的に効いている。すでに02シリーズは高いクオリティのものだったので、そうした大胆で、なおかつ細かいチューニングがこうした進化を実現したのだろう。素晴らしいデジタルプレーヤーの登場である。

(鈴木 裕)


本記事はオーディオアクセサリー160号からの転載です。本誌の詳細および購入はこちらから。

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