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【特別企画】折原一也が実力をチェック

ハイレゾにも対応する“音質重視”の薄型サウンドバー − ソニー「HT-NT5」の魅力に迫る

2016/05/20 折原一也
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まず、音源を鳴らす中心的役割を果たすサウンドバー本体のスピーカーユニットに注目してほしい。中域をカバーする60mmのコーン型ウーファーと共に、高域を担う14mmのソフトドーム型トゥイーターを2基搭載。前方に向けたフロントトゥイーター、サウンドバー上方のトップトゥイーターの2系統を備える。

一般的には、スピーカーの高域を担うトゥイーターの向きが音源の鳴る位置を決めることになるが、HT-NT5ではフロント、トップの2系統のトゥイーターの間で時間軸の調整を施す事で位相特性を正確に整える設計が施された。結果、見た目にも背の低いHT-NT5を薄型テレビの前に設置しても、薄型テレビの画面の位置から正しく音が聞こえる、実に凝った設計がなされているのだ。

サウンドバー部は3つのスピーカーを2ウェイで縦一直線に並べている

本格的なオーディオ機器としてのこだわりは、サウンドバー内部にも現れている。ソニーが独自開発しているフルデジタルアンプ「S-Master HX」を独立6chで搭載。オーディオ回路には正確な音楽再生に求められるマスタークロックを生成する「低位相ノイズ発信器」に、オーディオグレードで選定された高音質パーツを採用するなど妥協がない。

パートナー企業との共同開発に6ヶ月を要したという、オリジナルの高音質水晶振動子。音のエネルギーバランスを改善する効果が得られた

デジタルアンプ用ローパスフィルターコイル。基板からフローティングする独自構造としている。音のくもりを改善、空間表現能力を向上させたという

ハイレゾに準拠した40kHzのステレオのスピーカーユニット構成に6chのデジタルアンプによる駆動、オーディオ水準として設計された回路と、薄型の見た目以上に本格的なオーディオとして作り込まれているのだ。

振動対策のためにヒートシンクを板型に。銅ビスの位置まで細かく試聴を繰り返しながら決めていったという

重低音再生を担うサブウーファーは2.4GHz帯のワイヤレスにより離れた場所にも設置できる設計。ソニーのサウンドバーとして初めて「Σ型磁気回路」を採用した160mmの大口径ウーファーを搭載。パワフルさと共に"低音の質"にまでこだわり抜いた設計だ。スピーカーとしての素性のよさが光る。

サブウーファー部にはダブルマグネット構造で磁束密度を高めた 「Σ型磁気回路」を搭載。振幅対称性に優れ、ドライブ能力が 高く、歪みの少ないピュアな低音を引き出す

■こだわり満載なHT-NT5の音質は?

さて、そんなこだわり満載のサウンドバーHT-NT5だが、一体どれほどの高音質を実現しているのだろうか。

ハイレゾ音源の再生能力を追求したというだけあって、ステレオの音楽作品を楽しむのにもうってつけだ。Mr.Childrenのブルーレイ『Mr.ChildrenStadium Tour 2015』の後半にある「足音〜Be Strong」の演奏を2chステレオの音源と5.1chで試聴した。

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