【レビュー】USB-DAC搭載などで大幅刷新、デノン新プリメインアンプ「PMA-2500NE」を聴く

■デジタル入力の豊かな表現力に加え、アナログ入力のサウンドでも進化も確認

PMA-2500NEのパワーアンプ部は、2000シリーズの歴代モデルと同様、UHC-MOS FETのシングルプッシュプル回路でシンプルに構成されている。駆動力の余裕と精度の高い描写を従来機から受け継ぎ、オーケストラやピアノを低重心の安定したバランスで再現しつつ、細部を鮮明な粒立ちで描き出す力は上位機種とも共通する。今回の試聴では、そうしたおなじみの資質に加えて、本機が新たに獲得した新しい長所も浮かび上がってきた。アナログモードで駆動したときの音離れの良さ、演奏の勢いや実体感を伝える距離の近さ、そして静的な解像度だけでなく、時間軸方向の動的な分解能を上げて躍動感豊かな表現力を獲得したことが、アナログ入力の大きなアドバンテージである。

デジタル入力ではそうした長所に加えて、鮮鋭感の高いクリアな音調を獲得している。本機を核にしてパソコンの音源や映像ソースを再生するとき、本機の粒立ち鮮明な音調が功を奏すはずだ。

（山之内 正）