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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第140回】CayinのDAP兄弟「N6/N5」を聴く。天才肌な兄と秀才の弟、どっちが好み?

公開日 2015/12/21 12:38 高橋 敦
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■N6とN5の操作性や外観

スペック面での違いは、先ほどの表とそれに添えた文章でだいたい伝わったかと思うので、続いては操作性や外観を主に写真で見ていこう。

まずいきなりだがメインの操作キーの種類と配置が異なる。N6はジョグダイヤルを左側面に、N5はスクロールホイールを正面右下に備える。正反対というか対角線だ。

N6。左側面にジョグダイヤル。上下に回して円形配置メニュー選択して押し込んで決定

N5。正面右下にスクロールホイール。時計回り反時計回りに回して鍵盤を模したメニューを選択。なお両機共画面は綺麗でジャケも文字も綺麗

どちらが良い悪いではないのだが、同一シリーズ内でここまで違うというのは驚きだ。他のボタンの配置も大きく異なっている。

N6。右側面に音量。そして画面下に謎感を強める十字配置の主要ボタン

N5。音量下の「M」ボタンには場面ごとに様々な機能(挙動)が割り当てられている

その上でどちらがより普通に使いやすいかといえば、N5と言わざるを得ない。これはダイヤルかホイールかの部分ではなく、その他のボタンの配置や画面内、ソフトウェア的なインターフェースの違いが大きい。

ただダイヤル/ホイールと画面内の動きの感覚的な一致具合というか、ダイヤルを動かしたときに思った通りの項目に動かしやすく止めやすいのは、現状ではN6だ。N5の方は何というか、ホイールのクリック感と画面内の項目移動がしっくり一致しないというか…ファームウェアップデートでの改善に期待したい(注。テスト機は量産前サンプルなので、製品版ではすでに改善されているかもしれない)

N6のホーム画面的なもの。ダイヤルを時計回しするとメニュー項目が反時計回しに選択される。メニュー内は時計回り=上に回すとメニューの上方向に移動

N5のホーム画面的なもの。構成要素はN6と同じだがデザインは異なり、ホイールの回転方向との対応も普通。メニュー内は時計回り=右に回すとメニューの下方向に移動

時計回りと反時計回りのどちらが正解なのか、正解などあるのかはわからないが、僕にはN5の挙動の方が自然と思える。

N6のボタン諸々。一目では何のボタンかわからず試しても挙動が複雑。例えば上下ボタンは場面ごとに上下スクロールというダイヤルと重複する機能になったり曲スキップの機能になったりする

N5のボタン諸々。こちらもスクロールと曲スキップは兼用ボタン。そこにはシリーズの統一性がある

初見での分かりにくさは使い慣れれば解消されるかもだが、筐体サイズまで含めてボタンへの手の届きやすさなどもN5の方が上だ。ただそのあたりは、ユーザーの手の大きさや左右どちらの手でプレーヤーを持つかにもよるだろう。

そういえば「画面スリープ時は音量ボタン長押しで曲スキップ」という動作は中国では一般的なのだろうか。Lotoo「PAW5000」でも共通の操作法だ。それを含めてボタン類は、再生周りの基本ボタンも含めて本体の状態、再生中か音量操作中か画面スリープ中か等によって挙動が変わりがちなので、そこも、慣れるまではわかりにくいかも。

あと両モデルともプレイリスト機能は見当たらないので、プレイリスト機能を利用している、利用したいユーザーは注意してほしい。

さて外観は、冒頭の写真の通りで「個性派! N6」「実用性! N5」みたいな感じで、これこそ全く別物。使ってる素材はだいたい同じだが、形も大きさも色もだいたい何もかも違う。ここは操作性や機能の面以上に好みが分かれるのではないだろうか。

N6。上面出力端子。ライン、ヘッドホン、デジタルのすべての端子が独立しており、挿し間違いにさえ注意すればわかりやすい

N5。上面出力端子。こちらは2.5mmバランスが追加されてラインとヘッドホンは兼用に


N6。底面USB端子&microSDスロット。そしてあれば安心リセットボタン

N5。底面USB3.0端子&microSDスロット×2。そしてみんな大好きリセットボタン。プラ系素材のカバー付き

とまあ、ここまではぶっちゃけ「いやこれどう考えてもN5の方が有望でしょ?」という展開だったわけだが、音ですから! N6は音一点勝負ですから! ここからの音質チェックで完全挽回の予定だ。

次ページいよいよ、N6とN5の音質チェック! まずは破天荒で天才肌の兄N6から

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