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【特別企画】「並み居る4Kテレビの先頭に立つ製品」

「レグザ Z20X」を大橋伸太郎が徹底解説。“レグザ史上最高画質”実現の背景とは?

公開日 2015/11/10 11:56 大橋伸太郎
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機能面では、アニメーションの変則2-3プルダウン(2-3-3-2、2-2-2-4等)にも対応し、リアルタイムで検出、キャッシュし正確に補間フレームを生成し自然な動きを再現する「4Kクリアダイレクトモーション480」を搭載。レグザお家芸のゲームモードでは、1080p/120Hz入力時に約0.83msecの低遅延を達成しレスポンス高速化を実現した「4Kゲーム・ターボプラス」が両ジャンルのヘビーユーザーに好感されそうだ。

レグザは、十年前のブランド立ち上げ時からミニマルデザインを一貫して纏ってきた。その点はフラグシップを刷新する今回も些かもブレがない。例えばそれはスピーカーに見て取れる。音質を確保するためにスピーカーを大きくして外寸が増すより、ワンサイズ上の画面をユーザーに薦めるのが一貫したレグザのポリシーである。そうして生まれたのが新開発の新“レグザサウンドシステム”「RSS-AZ55」を援用してのシンクロドライブ方式だ。

ディスプレイとスタンドとの僅かな隙間には新開発のノーメックスドームトゥイーターを搭載

レグザサウンドシステムと内蔵スピーカーをシンクロ動作させることでさらなる高音質を手に入れられる

これは、テレビの内蔵スピーカーと外部スピーカーとの両方を活用することで量感豊かなサウンドを実現するというもの。こちらは折原一也氏が別項で後日改めてレポートしてくれるとのことなので、詳しくはそちらに譲りたい。

最後に、「Z20X」は従来から引き続きスカパー!プレミアム HDチューナーを内蔵。外部チューナーの追加なしに4K放送を受信できる。したがって「4K“対応”」でなく「4Kテレビ」である。

■「光のコントロールが鋭敏でしなやか、息づくような映像に惹き込まれる」

かつてセルレグザ「55X1」が登場した時、512分割エリア駆動の力強く重厚な画質に私達は感銘を受けた。一方、4K HDR時代の最高画質を達成すべく開発された「Z20X」の映像はそれとは趣が少し異なる。

エリア分割数で勝る「55X1」(※Z20Xの分割数は非公開だがセルレグザより少ない)の映像が、物量と回路規模に物を言わせた剛腕的力業であるのに対して、「Z20X」の映像は光のコントロールが鋭敏でしなやか、息づくような映像に惹き込まれる。

単純にワンシーンの明るい所は明るく、暗くする所は暗く、というマッピング能力に優れるばかりでなく、時間軸で時々刻々と移ろっていく映像への対応が尋常でなく早い。洗練度という点で55X1より上手だ。しかも、輝度レベルの判断と調整が先に紹介したハイブリッド制御によって実に的確であるため一枚の画の明暗のコンビネーションが実に美しい。

次ページ4Kで先んじた東芝がここ4K HDRでも強烈な存在感を示した

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