Carot One連続レポート<第1回>

音楽好きにこそ使ってほしいイヤホン。Carot One「TITTA」&「SUPER TITTA」を聴く

山本 敦

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2015年10月09日
音に充実した量感や厚みがあり、楽器の音色もしっかりと伝わる

それではSUPER TITTAの音を聴いてみよう。始めに本体に付属する3サイズのイヤーチップから「M」を選んで聴いてみたが、少し中低域のバランスが強めだったので、「S」に変更してみたところ、中低域の見晴らしが良くなり、高域にも伸びやかさが加わった。フィルターは3つを聴き比べた印象で最もバランスがいいと感じた「JAZZ」に固定して聴いた。プレーヤーはPonoPlayerを使ってハイレゾの音源を試聴している。

ハウジングはTITTAより一回り大きいが、アルミ素材を用いた点は共通だ

ミロシュ・カルダグリッチのクラシックギターは音の出方がスムーズで、余分な色づけがないナチュラルな音色だ。中低域の重心が低く、音の輪郭はややボールド。ギターの弦が爪弾かれて弾ける音は柔らかくて艶っぽい。生楽器の暖かみが気持ち良く味わえるイヤホンだ。

オーケストラは様々な楽器のエネルギーが力強く引き出され、音像も鮮やかでたくましい。やや前方寄りのサウンドスケープだ。低域の沈み込みが深く厚みがあり、暖かみが溢れる弦楽器のハーモニーが心地良い。

今回本機が鳴らしたベストは、TOTOのライブ・アルバム『35周年アニヴァーサリー・ツアー 〜ライブ・イン・ポーランド2013〜』収録の「ストップ・ラヴィング・ユー」だった。ジョセフ・ウィリアムズのボーカルは煌びやかなハイトーンだけでなく、重心を低くグリップした男性らしい力強さの魅力が随所に光る。質感の滑らかなロングトーンもクセになる。エレキギターの6弦のトーンやバスドラムのキックから飛び出てくる低音を耳の奥で受けとめていると、空気にも重さがあることを実感させられるほどに力強く濃密なサウンドだ。

付属のイヤーチップ

プラグはL字型のステレオミニ端子

iPhoneで音楽配信のタイトルも再生してみた。きゃりーぱみゅぱみゅの「にんじゃりばんばん」では低域のリズムが分厚くタイトで、しかもスピード感が良好。疾走感が何とも心地良い。ボーカルは独特な声のキャラクターが鮮やかで、ばんばんと前に出てくる。スマホで聴いていたことを忘れるほど、音に充実した量感や厚みがあって、楽器の音色もしっかりと伝わってくる。

エージングでさらなる音の深みを聴かせてくれるTITTAシリーズ

ニューフェースも加わったCarot OneのTITTAシリーズは、音楽をお腹いっぱい楽しみたいハングリーなユーザーの願望に応える聴きどころ満載のイヤホンだ。そのサウンドは聴きこむほどに、異なる表情を見せるようになる。実際に今回、SUPER TITTAを借りて試聴を続けていた期間中も、エージングを重ねて行くほどに低域に深みが増し、中高域の見晴らしがグングンと良くなっていった。まるで庭で育てていた植物が花を咲かせて、実を付けるのを楽しみに観察するように、生の音楽と向き合いながら、その一瞬の煌めきが与えてくれる大きな感動を見つける喜びを味わえる。TITTAシリーズが多くのファンを惹き付ける理由は、おそらくこんな所にもあるのだろう。

(山本 敦)

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