Carot One連続レポート<第1回>

音楽好きにこそ使ってほしいイヤホン。Carot One「TITTA」&「SUPER TITTA」を聴く

山本 敦

前のページ 1 2 3 次のページ

2015年10月09日
Carot Oneのイヤホン「TITTA」は、手頃な価格ながら音楽ファンも納得するサウンドと美しいデザインを備え、発売を3年を経た今もロングセラーを続けている。そこに今回、新たなイヤホンとして「SUPER TITTA」が登場した。山本敦氏が「TITTA」「SUPER TITTA」の2機種のサウンドをレポートする。

Carot Oneの新イヤホン「Super TITTA」。ロングセラーモデル「TITTA」と共に試聴することで、改めて同社のイヤホンの目指すサウンドが見えてきた

“音楽愛好家のためのオーディオ”を目指したCarot One

イタリア南部の都市ナポリに拠点を構えるOpenItem社は、地中海沿いの街で育まれた大らかなカンツォーネの調べのように、素晴らしい音楽を楽しむためのHi-Fiオーディオ製品を、親しみやすい価格で多くの音楽愛好家に届けたいとCarot Oneブランドを立ち上げた。

日本国内への導入は、2011年から発売されたプリメインアンプ「ERNESTOLO」から始まった。ラインナップはいずれも、ブランドのテーマカラーである鮮やかなオレンジ色を基調にブルーをワンポイントとしてあしらっている。そのありふれたオーディオ製品とは一線を画すデザインと、確かなサウンドを兼ね備えた各製品は注目を惹き、Carot Oneは瞬く間にコンパクトオーディオの定番ブランドとなった。

Carot Oneの製品群。デスクトップに彩りを添えるデザインは、既存のオーディオと一線を画している

ベスト・イン・クラスの実力を誇るイヤホン銘機「TITTA」

そのCarot Oneにとって初めてのイヤホンである「TITTA」は2012年に発売されたが、現在もロングランヒットを続けている。「いい音を手頃な値段で」というブランドのポリシーを継承する本機の価格は1万円を切っており、しかも音質はベスト・イン・クラスと呼ぶにふさわしいほどの高品位。オレンジの本体にブルーのケーブルという、これまたありふれたイヤホンらしくないカラーリングが、若年層の音楽ファンたちにファッションアイテムとしての側面からも注目されているようだ。

2013年の登場以来のロングセラーモデルとなった「TITTA」。価格はオープンだが、実売価格は8,900円前後

耳穴に収まりの良いイヤホン部は「ROCK SOLID Metal Ear Cup」と名付けられたアルミ素材を採用。中には11mm口径のダイナミックドライバーが積まれている。再生周波数帯域は20Hzから20kHzをカバーする標準的な仕様だが、その豊かな音楽表現力はデータシート上では表せないし、これだけで評価しようとすると、せっかくの銘機と出会うチャンスを逃すことになる。要はまず店頭などで聴く機会があれば、迷わず聴いてみることをおすすめしたい。

今こそもう一度、TITTAのサウンドを確かめてみる

今回は最新モデル「SUPER TITTA」を聴く前に、まずは定番モデル「TITTA」から、ロングセラーを続ける理由を改めて探るべく改めてその音を確認してみた。筆者がリファレンスとしているPonoPlayerでいくつかの音楽を聴き、そのインプレッションをお届けしたい。

ミロシュ・カルダグリッチのクラシックギターは、厚みのある中域にバランス良く高域と低域が肉付けされた、濃縮度の高いギターの音色を楽しめた。ギターの音色は余韻の消え入り際にまで精気がみなぎっている。トレモロの音は立ち上がりが俊敏で、すぐに弾けて広がるような余韻に包まれる。指の動きも鮮明に浮かび上がってくるほど、音の強弱のコントラスト感には深みがある。サスティーンの滑らかさも格別だ。

今、改めてその音を聞くと、流行に流されることのないTITTAの音楽性に富んだ表現を実感することができる

オーケストラは小振りなイヤホンで聴いていることを感じさせないほど力強く臨場感に溢れる。大編成のオーケストラやジャズのビッグバンド、ロックのライブアルバムなどを聴くと、本機が備えるキャパシティの大きさがわかりやすく実感できる。弦楽器の旋律には弾けるみずみずしさがある。打ち込みの鋭い打楽器が緊張感を高める役割を担っているが、片やその余韻は足下から演奏全体の安定感を支え、中低域の音色に奥行きと鮮やかな立体感を与えている。木管楽器のソロは微細な音の粒立ちが鮮やかさがで、ディティールの彫りがとても深い。

ダブルドライバー構成を採用した「SUPER TITTA」

前のページ 1 2 3 次のページ

関連記事