【特別企画】パナソニックの先進技術を搭載

パナソニックのハイレゾ対応ヘッドホン「RP-HD10」。そのサウンドは正統派ハイファイ志向

山之内 正

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2015年09月01日
パナソニックが送り出す
先進技術搭載のハイレゾ対応ヘッドホン



パナソニックのハイレゾ対応ヘッドホン「RP-HD10」¥OPEN
パーソナルオーディオが活況を呈すなか、パナソニックも本格オーディオ機器の開発に再び力を注ぎ始めたが、それはヘッドホンも例外ではない。ハイレゾ音源を視野に入れた密閉型の「RP-HD10」は、そんな同社の積極的な開発姿勢を象徴する製品である。振動板や磁気回路に最先端の技術を投入することで、50kHzという超高域まで再生帯域を拡張しており、本格派のUSB-DACやヘッドホンアンプとの組み合わせを想定している。パーソナルやデスクトップの世界ではハイエンドのカテゴリーに近い領域だけに、パナソニックの取り組みがどんな成果を上げているのか、非常に興味深い。

MLF(マルチ・レイヤー・フィルム)と呼ばれる本機の振動板は、その名の通り積層構造の超多層フィルムを採用しており、そのレイヤー数は数百に及ぶという。玉虫色に輝く振動板はかなり個性的な外見だが、内部損失と剛性を高めつつ、広帯域化を図る手法として注目に価する。

数百層にも積層された超多層フィルム(MLF)振動板を採用。ボイスコイルやマグネットなど磁気回路の構成要素も新規設計した。残響が少なくレスポンスに優れる振動板を正確に駆動させることで、広帯域かつ高解像度なサウンドを実現するという

振動板はエッジに相当する周縁部を含めてφ50mmの大口径だが、ハウジングとイヤーパッドのデザインが巧みなためか、全体のサイズはそれほど大きくは感じない。ドライバーのフレーム部には、制振性能を追求した新素材「PN041」を使用して付帯音や共振の発生を抑えるなど、原音再生へのこだわりは多岐にわたる。

機構面で目を引くのは、ヘッドバンド付け根の部分がハウジングに対して前後に移動するHSアジャスト機構の存在だ。ハイレゾ音源の超高域を正確に伝達することに加え、低域の特性を左右する密閉性を高める意味でも、イヤーパッドと耳の位置関係を適正に保つことには重要な意味がある。

ヘッドバンドの垂直方向の長さ調整はもちろん、スライドさせて水平方向の位置まで調整できるため、ハウジングとヘッドバンドを頭に一層フィットさせることができる(特許出願中)。さらにイヤーパッドも人間工学に基づいて設計され、装着性や遮音性に優れている

本機のHSアジャスト機構は、ヘッドバンドとハウジングの位置を連続的に調整し、振動板と耳の位置関係を正しく保つ役割を果たす。スライド機構には目盛が刻まれているので、装着時の目安に利用すると良い。ちなみに同様な目盛はヘッドバンドの長さを調節する機構にも刻まれている。

HSアジャスト機構により、耳にベストな位置にハウジングを固定しつつ、頭にも安定して装着することができる。イヤーパッドも人間工学に基づいた立体構造(写真右)。いっそう耳へのフィット感を高めてくれる

リッツ線を採用したケーブルは1.2mと3mの2種類が付属し、アウトドアでの使用も視野に入れている。1.2mのケーブルを取り付けたときの重さは約340g、たしかに携帯できない重さ、サイズではないし、上質なキャリングポーチも付属する。振動板以外のパーツはいずれもブラック仕上げで統一しているため、外見で派手にアピールするデザインとは異なるが、ハウジングやヘッドバンドなど、各パーツから質感の高さはしっかり伝わってくる。

気になる音質をチェック。過剰な演出のない正統派ハイファイサウンド

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