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オーディオエンジン「S1LKi」搭載のUSBオーディオインターフェース

「聴く」も「録る」もハイクオリティ! ローランド渾身の一台「Super UA」を徹底レビュー

公開日 2015/04/20 12:05 高橋敦
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組み合わせる機器の「らしさ」も
改めて実感させてくれる忠実性


ヘッドホンをShure「SRH1840」に換えてみると、こちらはK812と比べると、ウォームでありながらざっくりとした少し荒めの質感というところが出てくる。K812は高域の独特の輝きや音が浮かび上がるような空間性が特徴的だが、対してSRH1840は少し味わい深いくすみのようなものも備える、モニター機らしい実直なナチュラルさだ。その感触の違いを改めて実感できる。

なお、Super UAのライン出力からアンプやパワードスピーカーに接続してのスピーカー再生でもそれは同じ。音源の質感もアンプやスピーカーの持ち味も生かしてくれる。
Super UAは音源の質感にだけではなく、組み合わせる機器の「らしさ」への忠実度も高い。複数機を使い分けて楽しむオーディオファンにも嬉しいところだろう。

アナログのデータ化もできるライン入力
録音時のストレスやロスも感じさせない


Super UAはUSBオーディオインターフェースなので、もちろん入力端子を持ち、当然、アナログ盤のデジタルデータ化などにも利用できる。その際のスペックとしてはPCM 192kHz/24bitが最大だ。フォノアンプからのライン出力を本機に接続し、本機用設定アプリやDAW等の設定を適切に行い、デジタル録音する。

USBオーディオインターフェースのオーディオ的使い方の代表核、アナログリッピング。フォノEQからの出力をSuper UAのLINE IN端子に接続して使用する

アナログリッピングを行う場合は、他に波形編集ソフトウェアが必須。Sound it!やAudacity、VinylStudioなどのシンプルなものから、ProToolsやStudio Oneなどの本格派DAWまで多種多様なソフトウェアがある。写真は今回、アナログリッピングに使用したVinylStudio

今回は、環境が整っていてアナログとデジタルの両方の操作に慣れた人材もいる、音元出版編集部の方でアナログ盤からの取り込みを行ってもらった。聴いてみると何とも自然な音調。往年のロックの演奏と録音の、もたらずスパッとしたリズムのキレや狭苦しくない空気感。そういったものがさらっと届いてくる。アナログからの取り込みの過程でのストレスとかロスとか、そういう気配は感じさせない音だ。

こちらがアナログリッピング時のコントロールパネル。ライン入力は基本的に0dBへと設定する必要があるが、Super UAでは各種パラメーターの数値も表示されるので非常に使いやすい

Mobile UAでの高い評価と期待に
きっちりと応えるクオリティ


以上、いろいろと試してきたが、何しろMobile UAの時点で「これは今期のダークホース!」的な衝撃があったので期待値=ハードルは高かった。Super UAはその高い期待にきっちり応えてくれたと付け加えておこう。

今度はダークホースではない。期待されて登場しその期待に応えてくれた新製品。それがこのSuper UAだ。


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