映画ソフトにあわせて画質調整

オプトマの明るいDLPプロジェクター「HD25LV」を大橋伸太郎が自宅で検証

大橋伸太郎

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2015年03月23日

■リビングでも楽しめる明るさ。画質調整範囲が広く、レスポンスも敏感

同社ホームページでは、本機を明るいリビングルームで使ってほしいとPRしている。事実非常に明るく力強い色彩が特徴で、筆者視聴室の環境で何も設定を調整せずに使用するとハイコントラスト過ぎるくらいだった。本機は、シネマ/リファレンス/フォト/ブライト/3D/ユーザーのプリセット映像モードが選べるが、暗室でそのまま使用すると「シネマ」でも明る過ぎるほどで、クロマレベル(色彩濃度)が過剰でビデオ的に華麗だ。

リビングシアターを想定したデフォルト(工場出荷)の設定で本機のパフォーマンスを判断してはいけない。第一にやることはカラーレベルを下げてやることだ。輝度関係ではコントラスト(ピークレベル)と輝度(黒レベル)があるが、両者を下げるとRGBバランスが崩れやすいので先にカラーレベルを抑える。後述するが本機の場合、赤/緑/青/白/青緑色/マゼンタ色/黄の7軸調整があるので、今回の取材では、ソフトの傾向に合わせてさらにバランスを追い込んでいった。なお、ユーザー側で可能な画質調整範囲が広く、レスポンスが敏感なことも本機の特長の1つとして挙げられる。

■映画ソフトごとに画質調整を徹底して、暗室でも実力発揮。LCOSの上級機種に迫る映像

今回視聴したソフトは、2Kデモディスクの他に映画ソフト2枚『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』『アデル、ブルーは熱い色』。さすがに1080p DLP、解像度は取れている。DLP方式らしい鮮鋭感があり、ディテール表出が小気味よい程。しかし、フィルムシューティングの前者の場合は、映像全体とディテールのバランスに違和感があるのでシャープネスを下げてみた。この映画は暗部階調の表現がポイントで、ハイコントラストな本機では暗室だと明るさのパワーを持て余し気味となるため、色彩を抑えつつコントラストを下げる形で調整すると、アメリカ文化の辺境を描いたこの映画らしい陰影が現れてきた。

後者の『アデル、ブルーは熱い色』はデジタルビデオシューティングだが、本作のポイントは女優二人の肌の表現と肉体の存在感だ。先述した通りHD25LVは、「シネマ」の標準だとソース固有の傾向を強調する傾向があり女優の肌は重い印象になる。そこでカラーを5まで下げ、輝度をマイナス1、コントラストをマイナス6、シャープネスを7まで下げると、良好なバランスが得られた。「シネマ」を選択していても調整後に「ユーザー設定」に振られる。

さらに本機の場合、アドバンスド設定でガンマカーブの選択が可能だ。ガンマ設定には、フィルム/ビデオ/グラフィックス/スタンダードの4パターンがある。映像モードで「シネマ」を選択した場合、「フィルム」のガンマがデフォルトだが、必ずしもこれにこだわるべきでない。

『アデル、ブルーは熱い色』の場合、色彩の濃度設定が抑え気味で明部を重視したガンマ設定の「ビデオ」で見ると好結果が得られる。さらに色彩の詳細設定で微妙な肌色のバランスを追い込んでいくと、LCOSの上級機種に迫るリアリティ豊かな映像が現れる。

3Dメガネ「ZD302」

また、オプトマのプロジェクターは、DLP LINKを利用したクロストークの少ない3D映像も強みである。まずスタンダードモデルを導入し、3Dの視聴機会が増えたら追加で3D眼鏡を購入するのも良いだろう。

本機HD25LVは、明るいリビングシアターに照準を合わせた製品であることが、デフォルトの画質設定にも現れている。しかし、それだけですべてを判断すべきでない。調整如何で、暗室環境でも適性が発揮されるのが本機である。シチュエーションを選ばない使い勝手と画質の柔軟性こそが、本機の魅力と見た。

(大橋伸太郎)

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