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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第116回】“ハイレゾ始め”に最適! 2〜3万円で買えるハイレゾプレーヤーの選び方

2015/02/20 高橋敦
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■主役2モデル+参考1モデルの音質傾向

これはもちろん大切だ。音の絶対的な「良し悪し」だけではなく音の好みの「好し悪し」というものがある。いくらハイクオリティなモデルを選んでも、好みとずれていたら微妙な感じだ。評判やレビューを参考に、可能であれば試聴して、自分好みの音調のモデルを見つけ出してほしい。ここでは僕の印象を簡単に述べておく。

なお試聴イヤホンはエントリークラスに対して情け容赦なく、UEのスタジオリファレンス向けカスタム「UE Reference Monitor」をぶつけた。音調はややドライで帯域バランスはフラット傾向、低域は出てはいるがタイトなタイプだ。

▼NW-A16

NW-A16は少し派手にはしているが媚びた感じではない、外見ちょいギャルの性格さっぱり美人といった印象の音。派手さというのは、シンバルの鋭さや輝き、女性ボーカルの刺しの強さといったところ。これは組み合わせるイヤホンによっては巧い具合に音の明瞭度を高めてくれる要素でもあり、屋外騒音下での聴こえのよさという面でもポイントになる。あえてそのようにチューニングされているところだろう。

対して中低域の強調、無理な重低音演出は感じられない。ベースやドラムスは膨らませずに自然な太さや低さ。おかげで、デカい音がぎゅうぎゅう詰め込まれたような空間の窮屈さを感じることもなく、見晴らしも良好。

▼X1

X1はちょっと押しの強い元気っ子キャラ。「明るい方の王道ヒロイン」といった感じだ。
高域のやや硬質な輝きの強さはNW-A16とも共通。女性ボーカルのシャープさやハイハットシンバルの質感は、ほぐれさせずに強めに出す。大きな違いとしては、こちらはミドルレンジを少し強めに出す印象だ。ベースやドラムスの(縦に沈み込む重さではなく)太さを感じやすい。

ロックのドライブ感の表現などは得意とするところだ。高密度のメタルサウンドでは、こちらはより密度の高い音場感となる。ひとつひとつの音の細部や細かな音の見晴らしはNW-A1の方が上だが、ガツンと一体感のある迫力はこちらの方がある。

▼DX90j

DX90jは(この三人の中では)大人っぽいしっとり美人。これより上のクラスのモデルと比べると、割合にパワフルなタイプにも思えるのだが、今回の3モデルの中では「落ち着いた佇まい」という印象。ベースやドラムスは太さもあれば重心の低さもある。解像感や空間性と密度感のバランスも良好。女性ボーカルもハイハットシンバルもシャープさを確保しつつ荒さを出しすぎず、しかし息遣いや質感の描き込みにも不足はない。

また他の2モデルがUERMのドライさをそのまま強く引き出していたのに対して、このモデルはそこにあえての湿度感や暖かみも加えてくれていたのもポイントだ。

■まとめ

ということで今回はエントリークラスのハイレゾ対応ポータブルプレーヤーを選ぶ際のチェックポイントを、2モデル+参考上位クラス1モデルを例にしつつ解説させていただいた。今後新モデルの登場も当然あるはずだが、チェックポイント自体はおおむねそのまま通用するはず。参考にしていただければと思う。

高橋敦 TAKAHASHI,Atsushi
趣味も仕事も文章作成。仕事としての文章作成はオーディオ関連が主。他の趣味は読書、音楽鑑賞、アニメ鑑賞、映画鑑賞、エレクトリック・ギターの演奏と整備、猫の溺愛など。趣味を仕事に生かし仕事を趣味に生かして日々活動中。


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