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【特別企画】Mission連続レポート第2回

再上陸した英国老舗ブランド“Mission”のエントリースピーカー「MXシリーズ」を聴く

公開日 2014/12/16 12:51 野村ケンジ
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ラインナップとカラーバリエーションの豊富さにも注目したい

ありがたい、という点では、コストパフォーマンスの高さにも注目だ。MXシリーズで最もコンパクトなボディサイズをもつ小型ブックシェルフスピーカー「MX-S」(100mmウーファーと25mmトゥイーターの2ウェイ)でペア27,000円(税抜)、最も大型なフロアスタンディングスピーカー「MX-6」(160mmウーファー×3+160mmミッドベース+25mmトゥイーターの3ウェイ)でもペア155,000円(税抜)という、お手頃感のある価格設定が為されている。

「MX-1」¥33,000/ペア(税抜)

しかも、けっして安かろう悪かろうではなく、実機を見ると丁寧なフィニッシュが施されており、コストパフォーマンスの高い価格設定であることを忘れてしまう上品な佇まいを見せる。「インバーテッドジオメトリー」方式による外見上の個性も、所有欲をくすぐられる。ルックスの面でも魅力のある製品だ。

ブックシェルフ型「MX-1」は自然な音場再現が素晴らしい

とはいえ、スピーカーの真骨頂はそのサウンドだろう。ということで、今回はブックシェルフタイプ「MX-1」とフロアスタンディングタイプ型「MX-3」を借用し、その実力を確認してみることにした。

まずは「MX-1」から。こちらは、130mm口径のウーファーと25mm口径のトゥイーターを搭載する2ウェイモデルで、幅172mm、高さ280mmという、メインスピーカーとしてだけでなく、デスクトップスピーカーとしても活用できそうなサイズのボディを持ち合わせているのが特徴だ。そのサウンドは、ブックシェルフらしいキレのよさを基本としながらも、抑揚表現の深い、ダイナミックな表現が持ち味だ。

MX-1のサランネットを取り外したところ

また帯域バランスも絶妙で、腰の据わった落ち着いたサウンドを実現している。おかげで、女性ヴォーカルはちょっとウォーミーな、しっとりとした歌声を聞かせてくれる。もちろん、ボトムエンドはそれほど伸びておらず、バスレフに頼っているためフォーカス感もけっして高いとは言えない。しかしながら、帯域バランスの巧みさで上手に音をまとめ上げ、低域も高域も不足感のない、ウェルバランスなサウンドを実現しているのだ。

MX-1の背面部。スピーカー端子はバイワイヤリング接続対応

加えて、表現の丁寧さも好印象。チェロのボーイングが細やかな揺れまでしっかりと再現されるため、プレイヤーの力の込めようがしっかりと伝わってくる。リアルそのもの、とまではいかないものの、音楽の魅力をしっかり伝えてくれる、聴かせどころを心得たスピーカーといえるだろう。

そして、それにも増して素晴らしいのが音場の自然さだ。次のページでは、MX-1の音場表現について、そしてフロア型MX-3のサウンドについて紹介していこう。

次ページフロア型「MX-3」のサウンドを検証

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