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【特別企画】小さなハイエンド“ハイレゾ7”の実力を山之内正が検証 

クリプトン「KS-7HQM」レビュー:最新デジタル技術搭載の最上位・ハイレゾ対応アクティブスピーカー

公開日 2014/12/02 12:00 山之内正
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特筆できる空間情報の再現性。そのポテンシャルを期待を超える

ハイレゾ音源のもう一つの特徴は、空間情報が豊富で、音場の立体的な広がりを正確に再現できることにある。高橋アキが演奏したサティのアルバム(192kHz/24bit FLAC)を聴くと、ピアノの澄んだ音色とともにその余韻のふるまいを細部まで精妙に聴き取ることができた。録音会場の聖クローチェ美術館の音響は、ピアニストがファツィオーリのピアノから引き出した澄み切った響きがそのまま自然に減衰するため、和音の微妙な色合いが正確に伝わるのだ。サイズに余裕のあるシステムならともかく、コンパクトなアクティブスピーカーからそこまでの情報を引き出すのは普通は不可能に近い。KS-7HQMのポテンシャルは期待以上に高いというのが、筆者の率直な感想だ。

山之内氏の試聴ルームのデスクに設置して、実際の使用シーンも想定した検証も行った

機能はシンプルだが、必要なポイントをしっかり押さえているので使い勝手にも不満はない。音量と入力切り替えは付属のリモコンで操作できるし、本体前面のLEDによって音源のサンプリング周波数も確認できる。HDMI入力が新設されているので、テレビの脇に設置し、BDプレーヤーなど映像機器をつなぐ用途でも威力を発揮するだろう。放送の音声を聴くには過剰ともいえるクオリティをKS-7HQMは備えるが、BDビデオやBDオーディオの音を高音質で楽しむにはうってつけだ。パソコンとの組み合わせはもちろんだが、それ以外にもいろいろな場面での活躍が期待できる。


KS-7HQMの使いこなし方法を紹介(編集部)
KS-7HQMは、多彩な入出力を備えていることも特徴。USB入力に加えて、HDMI入力、光デジタル入力、ステレオミニ端子のアナログ入力を備えている。以下に、KS-7HQMで構築可能なシステムの例を紹介する。

HDMI端子を活用してBDプレーヤーを接続してBDオーディオを再生

KS-7HQMの仕様面における最大の特徴のひとつが、HDMI入力の搭載だ。BDプレーヤーと組み合わせれば、着々とタイトル数を増やしているハイレゾ音源を収録した音楽専用BDも、KS-7HQMを用いればAVアンプを使うことなく、ミニマムなシステムで再生することができる。


OPPO「BDP-105DJP」と組み合わせたところ。最近の音楽専用BDは、モニターなしで再生できるものも多く、KS-7HQMとBDプレーヤーを組み合わせれば、シンプルに再生できる
HDMI/光デジタル端子を活用して液晶テレビと組み合わせる

KS-7HQMはHDMI入力に加えて、HDMIのスルーアウト出力を備えている。よってBDプレーヤーで再生したBDの音声はKS-7HQMで再生し、映像はテレビへ出力して再生するということも可能だ。4KテレビにKS-7HQMを組み合わせて、映像も音声も高精細に楽しむのもいいだろう。なおKS-7HQMは光デジタル入力も搭載しているので、デジタル放送を視聴する際に、音声はKS-7HQMで再生するという使い方も可能だ。


取材ではパナソニックの4Kテレビ「TH-40AX700」、パイオニアのBDプレーヤー「BDP-LX88」と組み合わせた。HDMIスルー出力を搭載するので、ディスプレイとの組み合わせるのにも便利
カメラコネクションキットを使って、iPhone/iPadでハイレゾ再生

いわゆるカメラコネクションキット(Lightning-USBアダプタ)を用いて、iPhoneやiPadをKS-7HQMにUBS接続すれば、PCを使わずにハイレゾ再生を行うことも可能。さらにシンプルなハイレゾ再生環境が構築できる。クリプトンがiOS向けに提供しているクラウド型ハイレゾ配信サービス「HQMクラウド」(関連ニュース)もこの方法ならシンプルかつ高品位に楽しめる。

Lightning-USBアダプタでiPhone 5sと接続。本システムであれば、クリプトンが展開するiOS専用のクラウド配信サービス「HQMクラウド」も、KS-7HQMを使って高品位に再生できる

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