[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第24回】クリプトン「KS-3HQM」で“高音質ニアフィールド再生”を楽しむ!

高橋敦

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2012年11月16日
■高橋敦が満を持してお届けする“高音質ニアフィールド再生”領域

本連載は「絶対領域=パーソナルスペース」でオーディオを楽しむことを主旨としているので、ヘッドホン/イヤホン製品をピックアップする機会が自然と多くなっている。

スピーカーを紹介するにしてもポータブルであったりモノラルであったりと、ちょっと斜めった角度からの紹介だった。そのことについては多少やむを得ないところでもあるし、反省はしていない。しかし僕としては、ヘッドホン再生では味わえない本格的なスピーカー再生の魅力も時にはお伝えしたいと思っていた。だがこの連載で紹介するからには、本格スピーカーを紹介するにしても、サイズはあまり大きくはなく、価格もあまり無茶ではない製品でなくてはならない。

そのように機会を伺っていた僕が、このたび満を持して紹介させていただきます! クリプトンの新製品「KS-3HQM」だっ!

KS-3HQM

こんな感じでノートPCの隣に配置するのが似合う、コンパクトにしてハイクオリティなスピーカー(今回は製品手配の都合で音元出版で取材&撮影しております)

ネット直販価格8万9,250円。決して安くはない。…が、ハイエンドヘッドホンと同程度の価格と考えれば、「それなら…」と思えないこともないだろう。

■クリプトン「KS-3HQM」− 従来モデル「KS-1HQM」からの進化

ご存知の方が多いだろうが、このベースモデルは2010年の夏に発売された「KS-1HQM」だ。USB入力を搭載し、サンプリング周波数は96kHzまで対応。KS-1HQMは、これからの小型パワードスピーカーのあるべき姿のひとつを、他に先駆けて提案した製品だったと言える。

KS-3HQMは、その上位モデルとして追加される。スペック面での目玉は192kHz対応だが、外観はさほど変わっていない。しかし実は内部を見ると、変わっていないところの方が少ないと言えるほどに強化されている。

まずこれは外観からもわかるところだが、筐体サイドパネルが樹脂製からアルミ製に変更された。これはもちろん、筐体の余計な共振を低減して、より明確な音を実現する効果がある。

メインフレームは従来からアルミ製だったがサイドパネルもアルミに。アルマイト加工されており、MacBook Airとは質感もぴったり

本機の回路構成はKS-1HQMと同じく、USB入力されたデジタル音声データをDDCでデジタル音声信号に変換し、デジタルアンプ回路で増幅するという流れ。ドライバーユニット直前までDA変換を経ないことで高い信号鮮度を維持する。で、そのDDCとデジタルアンプの回路が、KS-1HQMからの流用ではなく本機専用の新設計だ。価格帯が上がっている分、コストも投入されているだろう。

そして地味ながらも大きなポイントなのはバスレフダクトのチューニングだ。KS-1HQMではストレートダクトだったのが、テーパードダクトに変更されている。またその内部にはスポンジ素材が仕込まれた。それによって低音の暴れを低減。その低音の暴れがフィードバックされてしまうことで生じていた歪みも低減する。

このバスレフポートから通じるダクト(筒)の部分が改良されている

ドライバーユニットは変わらず、デンマークのティンファニー社製6.35cmフルレンジユニット

ベースモデルと変わらないシリーズのポイントとしては、標準装備アクセサリーの充実も挙げておきたい。本機にはそれらアクセサリーを含めたトータルでの音質チューニングが施されており、これはアクセサリーブランドとしても知られるクリプトンならではのやり方と言えるだろう。

がっしりとしたスピーカーベースと三点支持インシュレーター。ベースが従来よりも少し低く軽くなったのは本体の変更に合わせてのチューニングとのこと

電源アダプターにつなぐケーブルもしっかりとしたものが付属。あとはUSBケーブルをちょっと良いものに変えれば万全だ

では次に、お待ちかねの試聴に入ろう。

ヘッドホンでは味わえない“魅力”を実感 − KS-3HQMを聴き込む

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