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<山本敦のAV進化論 第33回>

オーディオテクニカの“フルデジタル”ヘッドホン「ATH-DN1000USB」開発者インタビュー&音質レポート

公開日 2014/11/26 12:09 山本 敦
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装着感の点ではヘッドバンドの調整が要らない「フリーアジャストヘッドサポート機構」により、ヘッドホンを頭に着けるだけで自然で快適なフィット感が得られる。高剛性のアルミニウムハウジングは音質面で不要な振動を抑える効果ももたらすが、本体の軽量化にもつながっているようで、見た目のサイズ感のわりに身に着けてみると非常に軽量で、長時間のリスニングにもストレスは感じられなかった。

柔らかいクッションのイヤーパッド。ヒンジの部分には「MADE IN JAPAN」の文字が

ヘッドバンドの調整が要らない「フリーアジャストヘッドサポート機構」を採用する

PCにハイレゾ再生対応のプレーヤーアプリケーションを導入しておけば、あとは本機をUSB接続するだけでハイレゾを含む高品位なサウンドを楽しめる魅力がしっかりと伝わってくる。Windows PCの場合は専用のドライバーソフトのみ導入が必要だが、セットアップの仕方などは同社のサイトなどで詳しく紹介されている。


■今後はポータブルヘッドホンへの展開も視野に

フルデジタル伝送のメリットの一つに、駆動時のバッテリー消費を低くできることも挙げられる。高橋氏はATH-DN1000USBがバスパワー給電により5Vの電圧でも駆動できることを特徴として挙げる。「これは私たちとして、ぜひ実現したかったスペックの一つでした。ACアダプターなどを別途持ち歩くことなく、USB1本でノートPCにつないで十分なパワーで鳴らせるという手軽さをご提供したいと考えたからです。また今回は“世界初のフルデジタル伝送対応ヘッドホン”をこのタイミングで出すという目標があったため実現できませんでしたが、今後はiOSデバイスのLightning端子からダイレクトでデジタル接続することにもチャレンジしたいと考えています」(高橋氏)。

フルデジタル対応のヘッドホンをポータブル機で実現するという計画は、同社のロードマップ上にあるようだ。先頃Android 5.0 LollipopでUSBオーディオクラス2.0への対応が実現されたことから、今後多くのスマートフォンやタブレットなどモバイル端末がハイレゾ対応になっていくだろう。USBからダイレクト接続が行え、しかもバッテリー消費の少ない高音質なフルデジタル伝送対応のポータブルヘッドホンがあれば、スマホユーザーにとっては心強い限りだ。

築比地氏は低消費電力駆動のメリットについて、次のように説明を付け加える。「一般的にヘッドホン出力の音量は、ポータブル機器で使うとある程度制限されてしまいます。本機の場合は駆動力に余裕があるため、ボリュームの最大値にもゆとりがあって、そこから下げていくかたちで余裕を持ってヘッドホンを鳴らすことができます」。今後は電気部分での要求を満たしながら基板サイズの小型化、またヘッドホン本体の小型化にもチャレンジしたいと語ってくれた。

世界初のフルデジタル伝送に対応する「ATH-DN1000USB」は遂に先週末から国内で発売された。今後は世界展開も計画しているという。

高橋氏は「デジタルヘッドホンという言葉は敷居が高いように聞こえるかもしれませんが、オーディオテクニカとしてはハイエンドのサウンドを目指しながら、オールインワンでとにかく手軽に楽しめるヘッドホンを作り上げたと自負しています。最近は便利な時代なので、何かとワクワクできる体験が少なくなってきたのではないでしょうか。フルデジタルならではのサウンドを聴いて、多くの方々に驚いて欲しいと思います」と期待を寄せる。本機はヘッドホンサウンドに革新をもたらすモデルになりそうだ。

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