4名の評論家が週替わりでオーディオを語る

岩井喬のオーディオスクランブル【第1回】ソニー「PCM-D100」と真空管アンプでDSDの魅力を引き出す

岩井 喬

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2014年07月28日
ファイル・ウェブでは今月から、4名のオーディオ評論家による連載記事を毎週、週替わりで掲載している。今回スタートするのは、岩井喬氏がハイエンドからポータブル、自作、ヘッドホンにいたるまで、縦横無尽にオーディオの楽しみ方をレポートしていく「岩井喬のオーディオスクランブル」。第1回目はソニーのPCMレコーダー「PCM-D100」と自作真空管アンプを組み合わせて、DSDの魅力を引き出した。

今回はソニーのPCMレコーダー「PCM-D100」を再生装置として、自作の真空管アンプと組み合わせ、DSDネイティブ再生を行った

■DSDネイティブ再生に対応したソニーのPCMレコーダー「PCM-D100」

今年に入り、大きく状況が変わってきたのがハイレゾ・ポータブル・プレーヤーのジャンルである。5.6MHz・DSDネイティブ再生を可能としたセンセーショナルな「AK240」の登場を境に、ポータブルタイプのUSB-DACも巻き込む形で各社が本格的にDSD対応機を発表するようになってきた。これまでもDSDをPCM変換して再生するプレーヤーは存在していたが、やはりネイティブ再生という響きには独特な魅力がある。

そうしたなか、個人的に関心を持っているのが昨年秋にソニーが発売したリニアPCMレコーダー「PCM-D100」(関連ニュース)である。“リニアPCM”と銘打っているのに2.8MHz・DSD録音ができるという嬉しいおまけがついているところがチャームポイントだ。

PCM-D100はICレコーダー製品も含め、ソニーのハンディ型レコーダーの最上位機種であり、古くは“カセットデンスケ”、そして録音対応DATウォークマンからの流れを受け継ぐ、伝統ある系譜の最新モデルでもある。筆者も高校時代からDATウォークマン「TCD-D7」を愛用しており(現在でも動作できる形で大事に保管している)、その系譜上にあるレコーダーとして発売以来ずっと気になっていた。

記録媒体はフラッシュメモリーが主流となり、X-Y方式の内蔵コンデンサーマイクの特異なスタイルとアナログ針メーターという心くすぐる仕様で人気機種となったPCM-D1の発売から8年が経過し、再生環境もハイレゾ対応が珍しくない状況となった現在。対応レゾリューションやフォーマットも格段に進歩を遂げた。その時代の要請に応えるように登場したPCM-D100は録音機としてのスペックも当然のことながら、プレーヤーとしての側面も非常に充実しているのである。

高校時代から愛用しているDATウォークマン「TCD-D7」とPCM-D100。ソニーのハンディレコーダーの系譜がここにある

■レコーダーだからこそ可能な直感的な操作性、そしてサウンド

まずPCMファイルは192kHz/24bitのWAV、そしてFLACがそのまま再生でき、2.8MHz・DSDもDSF、DSDIFFのファイルをネイティブ再生することが可能だ。

本機がいわゆるハイレゾ対応プレーヤーと一線を画している点がある。ハイレゾ対応プレーヤーの多くがAndroidなどの汎用OSをベースに構成されており、使い勝手や利便性の高さが魅力である一方、電源投入から立ち上がりまでの時間が10秒以上必要であったり、操作のタイムラグも少なからずあったりと、なかなか思い通りにならず、もどかしく感じる場面もあった。

レコーダーだからこそ可能な使い勝手の良さ、そして音質

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