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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第63回】楽器ブランド・Rolandが作ったモニターヘッドホンの実力とは?

公開日 2013/10/18 11:01 高橋敦
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“楽器ブランドが作るモニターヘッドホン”という魅力に溺れる

当連載で先日紹介したPJB「(H850)」が素晴らしく好感触だったこともあって、僕の中で楽器ブランドの作るモニターヘッドホンへの関心が改めて高まった。

そこで他もチェックしてみようと思ったところ、僕の頭の中にまず思い浮かんだブランドがRolandだ。というわけで早速、モニターヘッドホン「RH-300」をお借りしてみた。実売目安1万3700円の製品だ。

RH-300。モニターヘッドホンらしい実用品っぽさとさりげない洗練を兼ね備えた印象

はじめにRolandについて簡単に紹介しておこう。

Rolandはシンセサイザーから録音機器まで幅広く取り揃える総合的な楽器・録音機器ブランドで、銘機と言われる製品も多く生み出している。リズムマシン「TR-808」はダンスミュージックの発展に寄与したとさえ言える製品。「BOSS」ブランドのエフェクターは数々の名盤のギターサウンドを彩っている。個人的なお気に入りは「CE-2」と「DM-2」だ。最近の話としては、Rolandの創業者である梯郁太郎氏がMIDI規格制定への貢献を評価されてグラミー技術賞を獲得した。一般のニュース媒体でも報道されたので、見聞きした方も多いだろう。

というわけでRolandは、日本を代表する世界的な楽器ブランドなのだ。そのRolandが作るヘッドホン。期待して当然だろう。

さて今回取り上げるRH-300は、そんな同社スタジオモニターヘッドホンのラインナップのハイエンド。「最新の電子楽器/デジタル機器に最適化された密閉タイプの高音質モニター・ヘッドホン」「ハイ・ビット/ハイ・レゾリューション化が進むデジタル・オーディオ機器のクリアな高音なども忠実に再生」と、オーディオファンとしても気になる説明がなされている製品だ。

ハウジング中央のメイン部分は金属製(アルミっぽい)。艶消しブラックの渋い仕上げにブランドロゴ

ハウジングとヘッドバンドの接合部は控えめながら可動式。各個人の頭の形や大きさに合わせてフィットする

重量は軽くはないが、装着感は悪くはない。頭を挟み込む側圧が弱めでイヤーパッドのサイズ感もゆったりしているからだ。スタジオでの作業は長時間に及ぶこともあるので、そこにしっかりと配慮した設計になっているということだろう。

イヤーパッド。特別に柔らかくはないが厚みが確保されている

ケーブルは片出し直付けで長さは3.4m。プラグはステレオミニ+アダプタでステレオ標準にも対応

ただしメーカーの方によると、その代わりに装着位置が少しずれやすいとのこと。装着後に音を聴きながら装着位置を微調整して、音が最もクリアに聴こえるポイントを見つけてほしいとのことだ。

では音をチェックしていこう。まず印象をまとめると、何より気持ちいいのは低音、特にドラムスのキレ!正確な再現性であると同時にリズムが楽しい。そして音色へのエフェクト処理がクリアに再現されることで空間性の表現も秀逸だ。

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