HOME > レビュー > HDMIの新たなリファレンスモデルが誕生 − 独AVINITYのケーブルの音質をレポート

<特別企画>AVINITY連続レポート第2回  HDMI&オーディオケーブル音質編

HDMIの新たなリファレンスモデルが誕生 − 独AVINITYのケーブルの音質をレポート

公開日 2013/10/01 11:00 野村ケンジ
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
さて、HDMIケーブル「AY-HDMI-HE」の肝心のサウンドだが、一聴したとたんに驚いた。ブラインドテストが意味を為さないくらい圧倒的な、鮮度感の高い、とてもダイレクトなサウンドがスピーカーから飛び出してきたのだ。とにかく基礎体力が高く、ダイナミックレンジがはっきりと分かるくらいに向上する。例えば、ハリウッド映画の派手なアクションシーンはより臨場感を増し、印象的なシーンとなる。

HDMIケーブルの試聴には、ソニーのAVアンプ「TA-DA5800ES」とエラックのスピーカーシステム「FS249BE」を用いた

その一方でS/N感も優秀で、音の階調表現がとても細やかだ。音場感も豊かで、ライブ録音の音楽BDでは、まるでライブ会場にいるかのような空気を感じられる。クラシックのフルオーケストラの演奏などでは各パートの手の動きまで聴き取ることができ、見慣れているはずのコンテンツでも「ああ、こんな音が入っていたのか」「こんな演奏をしていたのか」と新たな感動を覚えさせてくれる。

HDMI接続の音声は、特にCDなどを同軸デジタル接続で伝送したときと比較すると、エネルギッシュさや抑揚感に乏しいイメージがあった。実際、映像と音声をそれぞれ専用のHDMI端子から出力するBDプレーヤーが登場するなど、これまでもHDMIの音質向上には各社が苦心をしてきた。筆者もHDMI接続については、AVアンプ側の音質設定を工夫するなど、多少なり手間をかけたくなることが多かった。しかし「AY-HDMI-HE」は他のデジタル伝送方式に遜色を感じない、とても上質なサウンドを堪能させてくれた。

「AY-HDMI-HE」(下)と弟モデル「AY-HDMI-MC」(上)の内部構造の比較。上位の「AY-HDMI-HE」はケーブルがフラット構造となっている

しかも、今回のテストでは「AY-HDMI-HE」は1本でAVアンプに接続しており、音声専用ケーブルとして使ったわけではない。しかも、意地悪なことに比較対象として付属品クラスのHDMIケーブルではなく、某社の同価格帯の製品を用意して検証した。そんな状況にもかかわらず、ここまでの実力を発揮してくれるのだから驚くばかり。特に音質については、倍以上のプライスタグが付けられている高級モデルにも十分対向し得る。素晴らしい製品だ。

次ページパワー感溢れるスピーカーケーブルを聴く

前へ 1 2 3 4 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE