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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第49回】“破格”のバランス駆動ポタアン、ラトック「REX-KEB01F」− ケーブル改造も実践!

2013/06/07 高橋敦
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実践してみた:ケーブル改造手順を、写真付きでイチから紹介!

では、SHURE「SRH1840」のケーブルをサンプルに、ケーブル改造手順を写真で紹介しよう。SRH1840にしたのは「改造可能な交換用ケーブルを最も安価に入手できたのがこれだったから」という至って経済的な理由だ。(※高橋敦注:さて決まり文句ではあるが、以下の作業ではケーブルの破損等もありえることを理解の上、実行の際は自己責任で行うこと!)

1)ケーブルの出力プラグの手前をニッパーでぶった切る!正直ちょっと勇気がいる作業だ。ケーブル交換可能なイヤホン/ヘッドホンでないとこわくて踏み切れない

2)熱収縮チューブを左右ケーブルをまとめるように通しておく。あらかじめ通しておかないとあとからは入れられなくなってこまるので注意!


3)ワイヤーストリッパーで左右ケーブルの外皮を剥く。あくまでも今回購入したSRH1840用ケーブルの場合だが、左右各2本の導線は、赤線が右chの+でもう一方がグラウンド。青線が左chの+でもう一方がグラウンド

4)+の導線(赤と青)を長めに、グラウンドの導線を短めにカットして、ワイヤーストリッパーで先端の外皮を剥く。導体が超細い上に介在の糸が撚り込まれており、処理はなかなか難しい


5)付属のマイクロプラグをネジのように緩めてプラグ本体と外装に分解

6)熱収縮チューブと同じく、プラグの外装を先に左右それぞれのケーブルに通しておく


7)左右それぞれ、プラグ中央の内部端子にヘッドホンからの+の線(赤または青)を、もう一方の内部端子にグラウンドの線をハンダ付け。この作業が超細かくて高難度!

8)あらかじめ通しておいたプラグ外装を戻してねじ込む


9)最後に熱収縮ケーブルを適当な位置に合わせて、ライターなどで熱を加えて収縮させて左右のケーブルがばらけないようにまとめる。完成!

…という流れだ。導線が超細くてプラグの内部端子も超小さいので、僕レベルのハンダ工作技術というか不器用さだと、正直かなり雑な仕上がりになってしまった。しかし作業内容自体は、線や端子が細かいこと以外は、ケーブル自作をするような方にとってはおなじみのものだろう。上記の手順写真を見て「ああこんな感じね」と軽く流せた方にとってはたいした難易度ではないかもしれない。

なおメーカーの方の話としては、改造済みケーブルの発売も今後あるかもしれないとのこと。道具もないし手先も起用じゃないし、ハンダ作業は遠慮したい…でもこの製品には興味がある、という方はその動向にも注目だ。なお早速、本機にゼンハイザー「HD25 1-II」向けのバランスリケーブルを同梱したモデルが6月下旬に発売されることがアナウンスされている。このHD25 1-II向けリケーブルは単品販売も予定しているとのことだ。

さらに一方で、電子工作のスキルがある方向けの情報としては、本機はコンデンサー交換などを想定してスペースに余裕のある大きめのケースを採用してあり、回路図も公開予定だという。マニアックな方はそちらの動向に注目だ。

ケースを開けてみたところ。2個並んでいる金色のパーツが主要コンデンサーと思われる。でもハンダ技術についての自信を喪失した僕にはもう関係ない話だよっ!

さて、改造したバランス対応ケーブルを使って、SRH1840との組み合わせでの音質をチェックしてみよう!

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