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【特別企画】”音の遅れ”を徹底排除したサブウーファー

ECLIPSE「TD725sw」が最高峰であり続ける理由

公開日 2013/01/25 10:00 鴻池賢三
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入力信号が完全なサイン波では問題がわかりづらいが、有機的な音楽信号の場合、残響による音の汚染、すなわち音色の変化となって現れる。そして重大な問題は、足し算に一定の時間が必要であることから、狙った音の大きさに達するまでに時間がかかるという事実である。この現象をサイン波の連続で解説すると、各波の残響が徐々に重なり合って振幅が大きくなって行くのが分かるだろう。これがイコライザーによる「音の遅れ」の正体である。

図3は、50Hzの正弦波(青色)に対し、イコライジング(50Hzを6dBアップ)した場合の波形(赤色)の変化。残響成分の足し算で徐々に波形の振幅が大きくなる。目標の振幅に到達するまでの時間がイコライザーによる遅延だ。

<図3>

さらに図4は、50Hzの正弦波(青色)に対し、イコライジング(30Hzを6dBアップ)した場合の波形(赤色)の変化を示している。30Hzに対して施したイコライジングが、50Hzの音に対して立ち上がりのふらつきや位相のズレを引き起こしていることがわかる。

<図4>

結果として、聴感上、この「音の遅れ」は、音の立ち上がりや立ち下がりの鈍さとなって知覚される。ちなみに、このイコライザーによる残響は理論上無限に続き、特に波長の長い低周波音ほど長時間に渡って尾を引くので、サブウーファーでは特に大きな問題と言える。

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