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【特別企画】短期集中連載

ティアック「Reference 501シリーズ」を聴く(第4回) CDプレーヤー「PD-501HR」

2013/01/22 大橋伸太郎
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■ディスクの振動を抑制する独自技術を搭載

心臓部のディスクドライブにはこの分野でノウハウの厚いティアックらしいアプローチが盛り込まれている。ディスクにサーボをかけて高速回転する際にどうしても振動が発生するが、これが信号の読み取り精度に悪影響を与える。PD-501HRでは独自の振動抑制機構VACSを搭載した。さらに、ドライブをベースユニットに固定する際に100%リジッドに固定するのでなく、振動を「いなして」影響を最大限排除出来る最適ポイントを、試聴実験を繰り返した末に決定している。

独自の振動抑制機構「VACS」を採用したメカを搭載した。このメカの取付方法にもこだわったという

DACにはシーラスロジックのCS4398を搭載している。単体で120dBのダイナミックレンジを持ち、非減衰ボリュームコントロール機能、キャパシタ・ミスマッチで生じる歪を取り除くミスマッチシェーピング機能を持つ高音質、高機能DACである。

シーラス・ロジック社のDSD対応フラグシップDAC「CS4398」を搭載した

アナログオーディオ回路のオペアンプにJRCのNJM5532を採用、これらはいずれもティアックのピュアオーディオコンポーネント及びTASCAMブランドの業務用機器で使用実績のあるデバイスである。つまり、一見地味な存在ながら、シリーズ中ティアックらしいエッセンスとノウハウが最も傾注されたのが本機で、それが音質に結びついている。

電源部はアナログ回路とデジタル回路を分離。ショットキーバリアダイオードを搭載する

PD-501HRが聴き逃せない理由をもう一つ。本機はDSDディスクのダイレクト再生に対応する。DSDファイル(dsf形式)を通常のライティングソフトで書き込んだDVD-RをPCレスで演奏が可能。しかも、再生時PCMにいったん変換してからDACに送る方法でなく、DSD音楽信号をそのままDACに送り込んでアナログ出力する「ピュアモード」を搭載する。もちろん、WAV形式のPCM音楽ファイルを記録したディスクの再生も可能で最大192kHz/24bitまでのハイレゾ音源のダイレクト再生が可能だ。


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