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圧倒的なコストパフォーマンス

【レビュー】全4モデルを一斉試聴! ソニー初のBAイヤホン「XBAシリーズ」を聴く

公開日 2011/10/19 10:30 ファイル・ウェブ編集部
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■2ユニット「XBA-2SL」¥18,375(税込)

XBA-2SL/IP

XBA-2の装着例

■編集部:山本のレビュー

続いて「XBA-2」を試聴。XBA-1のフルレンジにウーファーが一つ加わったので、低域方向の広がりに期待したい。

Gil Scottから聴いてみたが、演奏全体の奥行き感が深みを増す。上から下へ、レンジを広げつつ、解像感も密になって行く印象だ。男性ボーカルの声に渋みが加わる。ローズ・ピアノの音色も情報量が増えてくる。ただ、想像していたよりパワー感が不足している印象で、全体的にあっさりとした感じ。ピアノの高域がやや尖って聴こえてしまうところもあった。

Ann Sallyでは、XBA-1と比べてボーカルのきめ細かさがより明確に伝わってくる。演奏全体の音場が広がるのも好印象だ。ただしサウンド自体が少し奥に引っ込んでしまったようにも思う。アコースティックギターはハコ鳴り感が芳醇さを増してくるが、弦の響きはまだ少し硬い。全体的にクールな色調のサウンドだ。

本機は2ドライバーのバランスド・アーマチュア型イヤホンなので、同じ2ドライバーの「UE700」との比較についても簡単に触れておく。「XBA-2」は再生能力の器が大きく、各帯域をゆったりと再生しているような印象だが、エネルギー感にやや欠けるように思える。「UE700」では再生される帯域がコンパクトにまとまっているが、再生に乱れなく、タイトにバランスよく音を出してくる印象だ。スピード感やキレもあり、楽器の音のリアリティも高い。

当然ながらエージングによる差も多分に影響しているはずなので、聴き込んでいけば「XBA-2」の本領が発揮される可能性は高い。

■編集部:風間のレビュー

「XBA-2」はXBA-1に比べ、価格が倍以上になり、2ユニット構成になった。2万円弱という激戦区だけに、その音質には高い注目が集まる。

結論から先に述べると、2ユニットにした効果は非常に大きい。高域、低域ともに余裕が生まれ、音源の情報をより克明に引き出すことができるようになった。

「MR.BOJANGLE」では、XBA-1と比べると低音の表現能力が著しく強化される。XBA-1では全く聴こえなかった音が聴こえてくるのだ。「You Look Good To Me」ではウッドベースがグッと沈み込み、低音の質感の描き分けもハイレベル。周波数帯域はXBA-1が5Hz〜25kHz、XBA-2が4Hz〜25kHzだが、スペックには表れない大きな差がある。

2ドライバーになった余裕は、もちろん高域にも及ぶ。「You Look Good To Me」では、冒頭のトライアングルの輝き感がXBA-1とはまったく異なる。またブラシの音の細やかな描写の再現性が増すことで、音楽性が一気に高まる。

中域はXBA-1に比べておとなしく引き気味だが、XBA-1に比べピアノの音などに潤いが加わる。細かなニュアンスが感じられるので、価格と同様、音楽を聴く楽しみが倍加する。

試しに他社製の、同価格帯の2BAドライバー機と比較してみたが、解像感も音の広がりも、低域と高域の伸びも、本機の方がはるかにレベルが上だったこともあわせて報告しておきたい。

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