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テレビ/レコーダー/PCの1台3役

これがホントのインターネットテレビ? 3Dにも対応した新VAIO Lシリーズを試す

2011/06/30 一条真人
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本機はデジタルWチューナーを搭載しており、地上/BS/110度CSデジタルチューナーを2番組同時録画することができる。ちなみに地デジは3系統搭載しているのだが、3つめのチューナーはスグつくTV機能で使われている。なお録画機能では、同社のBDレコーダーでおなじみの「おまかせ・まる録」による自動録画にも対応している。

レコーダーでは常識となっているMPEG-4 AVC/H.264を使った長時間録画にも対応し、2番組同時長時間録画することができる。ちなみに最長で地デジの約5倍、BSデジタルの約7倍の長時間録画が行える。このモードは「HD長時間モード」と呼ばれ、ビットレートは約3.5Mbps。HD長時間モードで録画した際の画質は、スポーツなど動きのある映像だと厳しいが、バラエティなどの録画なら耐えられる範囲というのが個人的な印象だ。

4種類の長時間録画モードに対応

ちなみに録画した番組は、メモリースティックに書き出してPSPで再生したり、ウォークマンに転送したりすることも可能だ。

■ブルーレイ3D再生機能

ブルーレイ3D再生には「PowerDVD」が使われる。付属の3Dメガネは「TDG-BR250/B」というモデルで、テンプルを左右に広げやすくなっているため、メガネをかけたままの、いわゆる「メガネ・オン・メガネ」状態でも楽に視聴することができた。

BD再生は「PowerDVD」で行う

液晶が2倍速(120Hz)ということで、3D映像のクロストークをちょっと心配していたのだが、巧みなバックライトコントロールの効果か、心配したほどクロストークが盛大に発生することはなく、明るく元気な3D映像が楽しめた。なお2D-3D変換機能も備え、「Giga Pocket Digital」で視聴中のテレビ番組も、3Dボタンを押して3D化できる。

付属の3Dメガネ「TDG-BR250/B」

テンプルが広がる構造のため、メガネをしたままでも無理なくかけられる

スピーカーは液晶下部に5.5W+5.5Wのステレオスピーカーを搭載。通常のPCディスプレイよりも格段に高い音質を持っている。ちなみにブルーレイ3D再生時はバーチャルサラウンド技術「S-FORCE Front Surround 3D」あるいは「Dolby Home Theater v3」を適用することができる。

2つのバーチャルサラウンドに対応する

静音性能にも触れておこう。ブルーレイ3D再生など負荷が高い状態で背面に回ると、ファンの音が聞こえることがあったが、前面では気になるようなノイズレベルになることはなかった。

■ソニーストアなら好きな機能だけを選択

今回テストしたモデルは市販モデルの最上級機だけあり、市場でも25万円前後で販売されているようだ。しかし、地デジが見られてブルーレイ3Dが再生できればいいという人もいるだろう。そのような人はソニーストアで必要な機能だけを選択すれば、現時点では22万円以下で購入できるようだ。自分の目的がはっきりしている人は、ソニーストアで自分に必要な機能だけを選択して、コストパフォーマンスを上げることができる。

■時代がVAIOに追いついてきた

今回の機種はクアッドコアCPUを搭載していることもあり、VAIOのさまざまなメディアアプリも実に快適に使用できた。

VAIOはバックグラウンドで動くアプリが多いのだが、さすがにコアが4つあるとストレスがない。従来、VAIOはコンセプトは素晴らしくても、ハードウェア性能が追いついていないという印象を受けることもあったが、ようやく時代(ハード)がVAIOのコンセプトに追いついてきたと感じる。

今回のLシリーズは、スグつくTV機能によってテレビとしての使い勝手を大きく進化させた。また「VPCL229FJ/B」はブルーレイ3D再生も行えるので、当分、最新スペックのレコーダーやテレビとして活躍できそうだ。十分にテレビ/ブルーレイレコーダー/PCの1台3役をまかなうことができるだろう。これによって、かなりの省スペースが実現できることになる。

またPCとしても、インテル Core i7やCore i5を搭載し、相当に高機能なのは言うまでもなく、ビデオ映像の編集などもラクラク行うことができる。今回は文字量の制限で詳述できないが、上位機種はタッチパネル機能も備え、画面だけでなくベゼル部も使った様々な操作が行えるのもユニークだ。

◇  ◇  ◇


テレビとしてもレコーダーとしても、またPCとしても完成度が高く、また1台でそれぞれを快適に使うための工夫も盛り込んでいる。個人的には「これこそインターネットTVだ!」という印象を受けた。このLシリーズはVAIOにとって、新たな方向性を指し示す機種になるのではないだろうか。

(一条真人)

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