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「明るい3D」は本当か?

ソニーの新SXRDプロジェクター「VPL-HW30ES」を林正儀が速攻レビュー

公開日 2011/06/09 20:44 林 正儀
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■色調もクリアで隅々まで見通しのよい3D映像 − 2Dも価格以上の実力

それではいよいよ3D視聴に入ろう。まず最初に感じるのは、従来機から20グラムの軽量化を果たした3Dメガネのフィット感の良さ。レンズにコーティングをしたフィルター体型となり、ひさし部分をマット処理していることで映り込みもない。USB充電タイプとなったことも便利だ。カバーエリアを従来比1.5倍へ拡大させたというトランスミッターにも注目したい。

新3Dメガネ「TDG-PJ1」ではレンズとフィルターを一体化するなどプロジェクター用の改良を施している

3Dトランスミッターは従来機よりカバーエリアが1.5倍に拡大

実際に映像を見てみると、「ナンバーワン3D輝度」という同社の売り文句が納得できる明るさに驚かされた。色調もクリアで、隅々まで見通しのよい映像が眼前に広がる。

ソニーが様々なイベントで上映する「美ら海博物館」の映像では、明るさの恩恵で、細部の情報が奥まで見える。遠近すべての魚たちの姿が、さらに立体的に浮かび上がるのだ。巨大なエイが悠然と頭上を泳ぎ去っていくのは圧巻の一言だ。

「バイオハザード4」では没入感がさらに高まり、これまでつぶれていた暗部のディテールに、光が加わった印象。とは言え黒が浮いたというわけではなく、陰影のダイナミックレンジが拡大しているのだ。

こうしたことが影響したのか、前後の位置関係にもぐっとメリハリがついた印象を受ける。屋上へ逃れたアリスとゾンビの大群は、かなり彫りの深い立体映像で視聴できた。大斧が飛ぶシーンもノケぞるほどのド迫力だ。クロストークが少ないことも映像のキレをよくしている。字幕もブレずにクッキリと見えて疲れにくく、3Dの明るさが“七難を隠す”という印象だ。

「クリスマスキャロル」などディスニーアニメも何本か見てみたが、とにかく映像のヌケがよく、清々しい印象。クロストークもほぼ気にならず、重なりや遠近のフォーカス描写も見ごたえ十分。明るくエッジのきれいな3Dアニメ映像が楽しめた。

リモコンでは新しく3Dボタンを設け、ワンタッチで3D設定が行えてストレスがないのも好印象。2D/3D変換や3Dメガネの明るさと奥行調整(5段階)など、こなれた操作感だ。3D画質モードの仕上がりについては、今後別途時間をかけた検証が必要だが、第一印象としてはバランスのよいものになっていると感じられた。

リモコンもボタン配置を見直すなどの改良を行っている

最後に少しだけ2D再生にも触れてくと、こちらのパフォーマンスも価格以上のものを感じさせる。

「バーレスク」は7万対1(2D時)のコントラストと色域の広さを生かしたゴージャスな映像だ。押し出しがよくステージのライティングも高彩度で輝かしい。パンチ力のある表現だが、その一方で「ココ・アバン・シャネル」など自然光系の、繊細なフィルムライクな映像の表現力も高く、幅広いソフトに適応できる。

2Dでの基礎体力の高さが、3Dのパフォーマンスを押しあげているのは間違いない。ホーム3Dを身近にする「明るい3Dプロジェクター」の誕生を歓迎したい。


【筆者プロフィール】
林 正儀
福岡県出身。工学院大学で電子工学を専攻。その後、電機メーカー勤務を経て、技術 系高校の教師というキャリアを持つ。現在、日本工学院専門学校の講師で、音響・ホー ムシアターの授業を受け持つ。教鞭をとっている経験から、初心者向けに難しい話題 をやさしく説明するテクニックには特に定評がある。

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