3名の評論家がその実力へ徹底的に迫る

“ソニー史上最高の音再現力“のモニターヘッドホン/イヤホン「MDR-Z1000/EX1000」登場

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2010年12月06日


■アウトドアでスタジオグレードの高忠実再生の実現を狙った「MDR-EX1000」

スタジオユースを想定したMDR-Z1000に対し、アウトドアでスタジオグレードの高忠実再生を実現することを狙ったのが、インナーイヤータイプのフラグシップモデル、「MDR-EX1000」である。

MDR-EX1000

大口径(16mm)のダイナミック型ドライバーを採用することによってゆとりのあるダイナミックレンジを実現していることが大きな特徴だ。

16mmという振動板のサイズはインナーイヤータイプとしてはかなりの大口径だが、MDR-EX700SLと同様、振動板と耳の関係が垂直になる「バーティカル・イン・ザ・イヤー」方式を採用しているため、これだけの大口径を実現することができたのだという。ちなみにこの振動板サイズは密閉型インナーイヤータイプでは最大である。

装着した際に振動板と耳の関係が垂直になる「バーティカル・イン・ザ・イヤー」方式を採用

振動板の素材には、MDR-Z1000と同様、固有音がきわめて少ない液晶ポリマーを採用し、原音に忠実な純度の高い再生音を目指した。また、インナーイヤータイプはオーバーヘッドタイプ以上に筐体の素材の影響が再生音に及びがちだが、MDR-EX1000はその点を考慮し、筐体にマグネシウム合金を採用している。振動板と筐体へのそうしたこだわりは、妥協が許されないトップエンドモデルならではのものといえるだろう。

本製品も振動板の素材には液晶ポリマーを採用

ちなみにマグネシウム合金で筐体を作るとプラスチックに比べて0.2mmほど薄くしても同じ強度を実現できるため、筐体の前後では計0.4mm薄くすることができるという。大口径の振動板を導入できたのはそこにも理由があるのだ。コードに7NのOFCを採用するなど、素材へのこだわりはMDR-Z1000と同様である。

実際に装着すると、2つの新しい工夫が盛り込まれていることに気付く。まずは、「イヤーハンガースタイル(耳かけタイプ)」の新たな導入だ。他社の製品にも同じような例があるが、硬質な針金を使って耳の形状に合わせる仕組みが多く、針金の露出など潜在的なアクシデントの危険が懸念される。また、装着時に硬い針金が耳を裏側から圧迫することがあり、違和感を覚える人も少なくない。

実際に製品を装着したところ

ソニーの工夫は、耳かけ部分の素材に針金ではなく、三井化学が開発した「テクノロート(R)」と呼ばれる特殊な樹脂素材を採用した点に新しさがある。医療用にも使われている安全な素材で、フレキシブルだが十分な強度があり、しかも耳への圧迫感が少ないというメリットを持つ。

実際に装着してみたところ、身体を動かしても安定した装着感を保ち、しかもケーブルが衣服などに触れたときのノイズがほとんど気にならない。これまでインナーイヤータイプを使うたびに気になっていたことが、一気に解消されたというのが筆者の正直な感想だ。

製品を確かめる山之内氏

独自の工夫はイヤーピースにも盛り込まれている。MDR-EX1000には耳のサイズに合わせて7種類のイヤーピースが付属するのだが、いずれも硬度の異なる2種類のシリコンを組み合わせたハイブリッド構造を採用しており、耳への密着性を高めて音漏れを減らす効果を改善している。それとは別に低反撥ウレタンフォームを組み合わせたノイズアイソレーションタイプのイヤーピースも3種類付属するので、用途によって使い分けることが可能だ。

耳のサイズに合わせて7種類のイヤーピースが付属

こちらも「MDR-EX600」など姉妹モデルを用意

16mmの大口径ユニットやテクノロート(R)を採用したイヤーハンガースタイルは、そのまま下位モデルのMDR-EX600にも継承し、MDR-EX1000に迫る質感と使い勝手の実現を狙っている。振動板と筐体の素材は異なるが、基本的な設計思想は共通するので、日常的に使いこなす用途には十分なパフォーマンスを発揮してくれるだろう。

山之内氏がクラシックとジャズでその実力をチェック

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