ネットオーディオ対応でバイアンプ駆動

小さくてもスゴいヤツ − “全部入り”コンポのニュータイプ、マランツ「M-CR603」レビュー

高橋敦

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2010年11月19日
オールインワンレシーバーと言えば、これまではアンプとCDプレーヤーを一体化したものを指すことが多かった。しかし今後はこのスタイルも増えていくだろう。マランツ「M-CR603」はネットワークプレーヤー機能一体型のオールインワンレシーバーだ。

マランツ「M-CR603」

ネットワーク再生機能はおおよそ、同社初のネットワークオーディオプレーヤー「NA7004」に準じている。DLNA1.5に準拠。FLACについては96kHz/24bitファイルまで再生対応する。WAVは48kHz/16bitまでとなる。ロスレスおよび非圧縮形式としては、AppleロスレスとAIFFに対応していないことに留意が必要な点も同様だ。

ネットワーク再生の操作は、本体の有機ELディスプレイと組み合わせてのリモコン操作と、DLNAコントローラーアプリからの操作の、ふたつのパターンが用意されている。

本体ディスプレイもそれなりの大きさ、情報量(縦3行の表示)を確保しているが、現実的にはやはり、iPhoneなどのアプリから操作するのが主流になるだろう。一覧性やタッチによる操作性などの面で有利だ。

今回はiOS向けDLNAコントローラーアプリ「DiXiM DMC」と組み合わせて操作してみた。

操作へのレスポンスも良好。再生開始指示を行うとすぐに曲のバッファが開始され、ほんのワンテンポ遅れて音が出てくるといった感じで、ストレスを感じさせない。

そのほか機能面では、iPodデジタル接続とUSBメモリー再生に対応したUSB端子を用意。またApple社のAirPlay(iTunes側から本機を出力先とするネットワーク再生)への対応も、アップデートで提供される。さらにBluetoothにもオプションで対応するなど、とにかく多機能。同社の本格ネットオーディオプレーヤー「NA7004」との機能面での大きな差というと、本機はUSB-DACとして動作しないというところくらいだろうか。

■CDプレーヤーも搭載、バイアンプ駆動にも対応

さて、本機には他にもポイントがある。その多くは、先代モデルM-CR502から引き継いだものだ。

まずCDドライブを搭載していること。先代はCDレシーバーだったので、これは当然と言えば当然だ。

「いまさらドライブは必要ない」という先進的な方もいるかもしれないが、たとえば友人が持ってきてくれたアルバムを(わざわざリッピングせずに)サッと再生できるなど、あればあったで活躍する場面もあるだろう。

なお、CDから音楽ファイルをリッピングする機能は備えていない。シンプルなCD再生専用のドライブだ。

そしてもうひとつ、4ch分のデジタルアンプと2系統のスピーカー端子を搭載することは、本機の大きな特長だ。2組のスピーカーを鳴らすことはもちろん、バイアンプ駆動も可能である。

バイアンプ駆動とは、高域側と低域側の2系統の入力端子を備えるスピーカーと組み合わせて、高域と低域を別々のアンプで駆動する手法。スピーカーケーブルもそれに合わせて計4組必要になる。

バイアンプ駆動は、特に低域側から高域側への干渉を回避し、よりクリアでパワフルな音を実現できることがメリットだ。アンプとスピーカーケーブルが2組必要になるので、“濃い目の”オーディオファンでも実践している方は少数派だろう。それを手軽に実現できてしまうのが本機なのである。

コンパクトスピーカー「LS603」とベストマッチ

本機とのコンビネーションを想定して同時に発売されたコンパクトスピーカーLS603も、もちろんバイアンプ接続に対応。ソフトドーム・トゥイーターと二重コーン振動板ウーファーのそれぞれに接続する端子が用意されている。

音質をチェック。小さくても侮れない!

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