BS民放5社の4K無料配信サービスがスタート。「“知る”“観る”の先にある“体験”ができる!」内藤剛志が4Kの魅力を熱弁
一般社団法人 放送サービス高度化推進協会(A-PAB)は10月1日、東京・千代田放送会館にて記者発表会を開催した。『放送も!配信も!4Kにご注目!』キャンペーンの展開や、同日よりスタートするBS民放5社による「BS4K配信サービス」の取り組み、さらにNHKの秋冬4K・8K注目番組が紹介された。
後半にはスペシャルゲストとして俳優の内藤剛志が登壇し、4K映像ならではの魅力について語るトークセッションが行われるなど、今後の放送や映像業界の未来を見据えた多様な報告が行われた。
まず登壇したのは、A-PAB理事長の加増良弘氏。「2年前から『4Kボタンをプッシュ!』とアクションを交えて言い続けてきたが、これほど4Kボタンを押したのは最近のことだった」と切り出し、6月にカナダ、メキシコ、アメリカ3カ国で開催された「FIFAワールドカップ2026」の視聴体験を振り返った。
「NHKプレミアム4Kで全試合が美しい映像で放送され、本当に熱中した。日本対オランダ戦でのオランダチームのオレンジ色のユニフォームが、地上波では少しにじんで見えることがあるが、4Kではきれいに発色しており、改めて4K映像の美しさに感銘を受けた」と、スポーツコンテンツにおける4Kの威力を強調した。
続けて、10月からのBS4Kを取り巻く大きな変化に言及。「BSプレミアム4K、8K放送などは引き続き美しい映像を放送していくが、民放BS5社は本日から4Kの配信サービスを新たに開始した」と説明した。
「民放5社のBS4K放送は来年1月23日で終了予定となっているが、放送から配信へ、引き続き4Kコンテンツを大型テレビの配信サービスで楽しんでいただくことになる。いわばBS4Kの新しい時代が始まろうとしている」と述べ、放送と配信が融合する新たなフェーズへ期待を寄せた。
この新たな時代に向けた具体的なアクションが、『放送も!配信も!4Kにご注目!』キャンペーン。BS編成担当者会議 主査を務める白石公子氏(BSテレビ東京 取締役 編成局長)が登壇し、その意図を説明した。
今回の目玉となるのがBS民放5社(BS日テレ、BS朝日、BS-TBS、BSテレビ東京、BSフジ)による「BS4K配信サービス」。これは、各局が制作した選りすぐりの4Kコンテンツを、WOWOWオンデマンドのプラットフォームを活用して無料配信する取り組みとなる。
視聴方法はシンプルに設計されており、インターネットに接続された4K対応のスマートテレビ等で「WOWOWオンデマンド」アプリを起動し、ホーム画面にある「4K」アイコンを選択するだけ。これだけで、BS民放5社の4Kコンテンツを、好きな時間に無料でオンデマンド視聴することができる。




発表会では、この秋冬に見逃せないNHKの4K・8K番組の紹介も行われた。ひときわ注目を集めたのが、12月26日(土)19:30からBSプレミアム4Kで放送される時代劇『あきない世傳 金と銀 完結編』。
主人公・幸を演じる小芝風花のコメント映像が寄せられ、「4Kの高画質で描かれる着物の繊細な柄や、美術セットの細部へのこだわりなど、時代劇ならではの美しい映像美を楽しんでほしい」と笑顔でアピールした。
さらに、NHK交響楽団の100周年を記念する特別演奏会「マーラー 復活」が、10月4日(日)14:00から8Kと4Kで放送される。「まるでNHKホールにいるかのような臨場感」で、圧倒的な映像と立体音響による極上の音楽体験が自宅で味わえるという。
発表会の後半は、スペシャルゲストである俳優の内藤剛志が登壇。内藤はBS朝日の4K配信番組『あなたの知らない京都旅』でナビゲーターを務めており、旅人の視点から京都の魅力と4K映像の意義について語った。
京都の魅力を伝える上で、4K映像がいかに重要な役割を果たしているのか。「私たちは京都の様々な名所を意外と『見たつもり』になっているのではないでしょうか。4K映像は、そんな『実は見ていなかったこと』に気づかせてくれるんです」と指摘する。
「例えば、お寺の壁のシミや仏像の笑顔、柱の筆のタッチ。これまでは見えにくかった細部が鮮明に見えてきます。今まで見たつもりになっていたものを、もう一度違った目で見ることができる。つまり4Kは、『もう一度旅ができる方法』になるのだと思います」と熱弁した。
続けて内藤は、4Kテレビでの新しい視聴体験についても言及。「手のひらのスマートフォンでも情報は入ります。しかし、『知る』ことや『見る』ことのさらに先に、『体験する』ということがあると思うんです。大きなテレビ画面で4K映像を見ることで、その番組をただ見るのではなく『体験』することができる。ぜひ皆さんにもそんな経験をしてほしいですね」と訴えた。
発表会の終盤には、4K・8Kにとどまらない業界の多角的な取り組みについて、各登壇者から報告が行われた。 日本映画放送株式会社 代表取締役社長の宮川朋之氏からは、「日本映画専門チャンネル」および「時代劇専門チャンネル」における、BS放送とCS110度放送の周波数入れ替えに関する戦略が語られた。
「時代劇専門チャンネル」は12月1日よりCSからBSへ移行し、来年4月以降には4K制作のオリジナル時代劇を多数編成していくという。「時代劇は4Kと最も親和性が高いコンテンツ。日本ならではの映像美を、より多くの方に最高の画質で届けていきたい」と意気込みを語った。
続いて、A-PAB CTV検討部会 SG3 副主査であり、北海道テレビ放送株式会社の阿久津友紀氏は、「LCB(ローカルコンテンツバンク)でCTVの未来を探る」と題した発表を行った。
「全国のローカル局は日々、良質な地域コンテンツを制作していますが、放送後は埋もれてしまうことが多いのが現状です。このLCB構想は、各局のコンテンツを集約・メタデータ化し、ショート動画化なども組み合わせてコネクテッドTV等に配信することで、地方の魅力的な映像資産に新たな価値と持続的なビジネスモデルを生み出す挑戦です」と、地域放送局の未来を見据えた取り組みを説明した。
最後に、先進映像協会日本部会会長を務める早稲田大学の河合隆史教授のVTRメッセージが紹介され、「ルミエール・ジャパン・アワード2026」の現状が報告された。
A-PABが共催する同アワードは、日本の優れた先進映像コンテンツを表彰するもの。河合氏は「日本の4K・8K制作技術は世界トップレベルにある。このアワードを通じて、日本の映像クリエイターの優れた作品を国内外に広く発信し、業界全体のさらなる発展に寄与していきたい」と力を込めた。

