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南青山「WORKSOUT AOYAMA」にて9/19 - 28開催

Marshallのイマーシブイベント「SOUND & VISION」を先行体験。クリエイティブディレクター、ヴェルネ氏にもインタビュー

公開日 2026/09/18 22:47 編集部:原田郁未
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Marshallは、「Pitch Black Collection」第2弾の発売を記念したPOP-UPイベント「SOUND & VISION」を、東京・南青山の「WORKSOUT AOYAMA」で9月19日(土)から28日(月)まで開催する。

POP-UPイベント「SOUND & VISION」が開催

「SOUND & VISION」は、Marshallとパリを拠点とするクリエイティブエージェンシー/ギャラリー「Permanent Files」との共創によるオーディオヴィジュアル・プロジェクト。

会場では、Marshallの人気ヘッドホン/Bluetoothスピーカーを黒一色で統一した「Pitch Black Collection」全4モデルを展示。またPitch Blackヘッドホンで特別な映像インスタレーション作品を体験することができる。

当日は、作品のクリエイティブディレクションを手掛けたPermanent Filesのレオナール・ヴェルネ氏が来日し、プレゼンテーションを実施。MarshallからはHead of Lifestyle Businessのジュリアン・ラコール氏も登壇した。

本稿では、一般開催に先駆けて行われたメディア向けイベントの模様をレポート。前半では会場の様子と「SOUND & VISION」の狙いについて紹介し、後半ではヴェルネ氏への個別インタビューを通して、Marshallとのコラボレーションが生まれた背景や、作品のテーマである「人間と音との関係」についてお伝えする。

“黒”の中で音と映像に向き合う「SOUND & VISION」

SOUND & VISIONは、目には見えない「音」の力を映像インスタレーションとして視覚化する試みだ。製品を並べて紹介するだけでなく、空間を含めてPitch Black Collectionの世界観を体験できる構成となっている。

会場には映像体験用として、Pitch Black CollectionのBluetoothヘッドホン「MONITOR III A.N.C.」「MAJOR V」を複数用意。来場者はこれらのヘッドホンを装着して作品を鑑賞する。周囲の環境音から切り離された状態で映像とサウンドに向き合うこと自体が、作品を構成する要素のひとつとなっている。

来場者は吊るされたPitch Blackヘッドホンを手に取って自由に体験できる

ヴェルネ氏によれば、黒で統一されたプロダクトを見たことをきっかけに、映画館のような暗い空間を着想したという。暗い空間でヘッドホンを装着し、周囲の環境から切り離した状態で映像と音を体験することで、通常の展示とは異なる個人的な鑑賞体験を作ることを意図した。

会場に韓国発のセレクトショップであるWORKSOUT AOYAMAを選んだ背景にも、こうした考え方がある。若い世代の才能やカルチャーを発信する場であることに加え、以前からMarshallとの接点があったことなどが理由として挙げられた。オーディオショップではなく、ファッションやストリートカルチャーの文脈を持つ場所でPitch Black Collectionを展開することも、今回の企画の特徴となる。

店内にはストリート系のアパレルグッズが並ぶ

記者も実際に「MONITOR III A.N.C.」を使ってインスタレーションを体験した。さまざまな時代や文化からコラージュした映像と音楽を組み合わせ、「音楽が人にどのような影響を与えるか」を科学と文化の両面から提示していく内容だ。

取材時の会場は多くの来場者で賑わっていたが、MONITOR III A.N.C.のノイズキャンセリング機能によって周囲の音が抑えられ、映像と音に集中しやすかった。ヘッドホンによって外部の環境音を抑えた状態で作品を鑑賞するという仕組みも、インスタレーションの構成要素として機能していると感じた。

没入感のある映像と音響体験。是非とも現地で体験して欲しい

「Pitch Black Collection」4モデルを展示

会場では、Pitch Black Collectionの4モデルを展示。上述の通り、本コレクションはMarshallブランドで人気のあるオーディオ製品を、全身黒で染め上げた限定モデルとなっている。

Bluetoothヘッドホンからは、インスタレーションにも使用されているノイズキャンセリング搭載のオーバーイヤー型モデル「Monitor III A.N.C.」と、オンイヤー型モデル「Major V」が選出されている。

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Monitor III A.N.C. Pitch Black
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Major V Pitch Black

またBluetoothスピーカーからは、片手で持てるサイズ感の「Emberton III」、持ち運び用ストラップを備えたやや大型のモデル「Kilburn III」がセレクト。インスタレーションには使用されていないものの、会場内展示が行われていた。

手前から、「Emberton III Pitch Black」「Kilburn III Pitch Black」

取材時点では、国内でPitch Black Collectionを実際に手に取って購入できる機会は本ポップアップ会場のみで、通常はオンラインを中心に販売しているという。

現時点ではECサイトを中心に展開しているPitch Black Collection。ポップアップ期間中は実際に手に取ってみることができる

レオナール・ヴェルネ氏インタビュー。「音楽は、なぜこれほど人間に作用するのか」

「SOUND & VISION」のクリエイティブディレクションを担当したレオナール・ヴェルネ氏は、パリを拠点とするクリエイティブディレクター/映像作家だ。

レオナール・ヴェルネ氏

クリエイティブエージェンシー「Ill-Studio」の創設者として、Comme des Garcons、Louis Vuittonなどのブランドとのプロジェクトを手掛けてきた。近年はPermanent Filesを設立し、出版、映像、ファッション、アート、音楽など、複数のカルチャー領域を横断して活動している。

今回のMarshallとのプロジェクトについて、ヴェルネ氏は、以前から「人間とサウンドとの関係」をテーマにした作品を作りたいと考えていたことが出発点だったと説明する。

音楽は人間に身体的、文化的、感情的な影響を与える一方、ヴェルネ氏自身は楽器を演奏してきたわけではなく、「なぜ音楽がこれほどまでに人間へ作用するのか」を長く“ミステリー”のように感じていたという。そこから、来場者が会場でヘッドホンを装着し、音楽を身体で感じる体験型作品の構想につながった。

Marshallとの接点になったのは、ヴェルネ氏がスケートボードをしていた頃からの友人で、現在MarshallのHead of Lifestyle Businessを務めるジュリアン氏。ヴェルネ氏がパリでギャラリーを運営していたこともあり、両者の会話をきっかけにプロジェクトが動き始めたという。

ヴェルネ氏と友人だったというジュリアン氏(写真左)。会場では仲睦まじく談笑する姿も見られた

Marshallと共有したキーワードは「横断性」

ヴェルネ氏がMarshallとの親和性について説明する際に挙げたのが、「transversality=横断性」というキーワードだ。

クラシック、パンクロック、エレクトロニックミュージックなど、好む音楽や、そこから受ける身体的・文化的な影響は人によって異なる。一方、音楽はジャンルや年代、世代、文化を越えて人と関係を結ぶことができる。ヴェルネ氏は、こうした音楽の横断性がMarshallのブランド思想とも重なったと説明する。

「SOUND & VISION」も、特定のジャンルや時代に限定した作品ではない。科学、身体、感情、歴史、カルチャーといった複数の領域を横断しながら、「音楽と人間との関係」をひとつのストーリーとして構成している。

ヴェルネ氏は「SOUND & VISION」を、ドキュメンタリーでもフィクションでもSFでもなく、「poetic=詩的」な作品だと表現する。作品では、音が耳から入り、脳へ伝わり、感情へ作用する仕組みなど科学的な要素も扱うが、それらを教材のように体系立てて説明することを目的とはしていないという。

制作にあたっては、アーカイブ映像や歴史的資料、ドキュメンタリー映像などを収集。音や音楽に関する科学的文献、哲学や文化に関するテキストも調査し、それらをコラージュした。映像に声によるストーリーテリングと音楽を重ねることで、ひとつの体験として構成している。

映像と音を混ぜ合わせる作業は「料理」に近い

自身の制作手法について、ヴェルネ氏は「料理」にたとえて説明した。料理では異なる味を持つ材料を組み合わせることで、単体では生まれなかった味が生まれる。映像制作でも同様に、イメージ、アーカイブ映像、声、文章、音楽といった素材を組み合わせ、試行を重ねながらストーリーや感情を構築していくという。

この考え方は「SOUND & VISION」の構造にも反映されている。映像や音をそれぞれ単独で完結させるのではなく、両者の組み合わせによって生まれる「emotion=感情」を重視。映画とは異なるインスタレーションという形式ながら、「イメージとサウンドを結び付けてストーリーを作る」という点では映画制作との共通点もあると説明した。

来場者にはインスタレーションの内容を記載したブックレットも配布

音楽は記憶を呼び起こす

音と記憶の関係についてヴェルネ氏は、10代の頃に繰り返し聴いていた曲を大人になってから耳にすると、当時の記憶や感情が呼び起こされる、という体験を例に挙げた。音楽には、過去の記憶や感情と結び付く性質があると考えているという。

ヘッドホンは、その体験をより個人的なものにする役割を持つと説明する。周囲の環境からある程度切り離され、自分自身のサウンドに包まれる状態を、ヴェルネ氏は“bubble”と表現した。

「SOUND & VISION」でヘッドホンを使用するのも、製品を見せることだけが目的ではなく、この「自分だけの世界に入る感覚」を作品の構造に取り込むためだという。

「ドン・キホーテでジャズ」。東京で感じたヘッドホンの使い方

インタビューでは、日本滞在時のヘッドホンの使い方についても語った。ヴェルネ氏はこれまで何度も日本を訪れており、東京について「とても多くの音がある街」と感じているという。

中目黒に滞在する際には、ホテル近くのドン・キホーテを利用することがあるというが、店内には多くの音があるため、ノイズキャンセリングヘッドホンを装着してジャズを聴きながら買い物をすることがあると説明する。周囲の音を抑え、自分で選んだ音楽を聴くことで、同じ場所でも体験の印象が変わるという。

渋谷のように音の情報量が多い場所でも同様で、ヘッドホンを装着することで周囲の環境音との距離を取り、自分で選んだ音楽を聴きながら街を歩ける。ヴェルネ氏は、そうすることで「東京そのものをもっと楽しめる」と話した。

Marshallのヘッドホンを制作現場でも使用

今回の作品制作では、Permanent Filesの制作チームにもMarshallからヘッドホンが提供されたという。映像の編集やマスタリングなど、実際の制作工程でも使用。プロジェクト終了後もオフィスでMarshallのヘッドホンを使い続けており、ヴェルネ氏自身も作品制作を通じて「手放せなくなった」と話した。

以前使用していた別のヘッドホンでは、長時間装着すると耳への当たりが気になることがあったという。一方、今回使用したMarshall製品については、柔らかな装着感で長時間使用しやすい点を評価。また、Pitch Blackの「ブラック・オン・ブラック」の外観も気に入っていると話した。

「オーディオの専門家だけのものにはしたくない」

ヴェルネ氏は今後も、音、映像、空間を組み合わせたインスタレーションに取り組みたいと話す。一方で、オーディオファイルや専門家だけを対象にした作品にはしたくないとも説明した。

本や楽器などは、その対象に強い興味を持つ人ほど深く関わりやすい。一方、映像と音、空間を組み合わせた体験は、専門知識の有無にかかわらず感覚的に受け取れると考えているという。

そのため、インスタレーションのための空間を作り、そこにサウンドシステムを組み込み、人が集まれる場所を作りたいと説明。映像、音楽、イメージといった異なる要素を組み合わせて実験し、そこからストーリーを生み出す表現に今後も取り組みたいと語った。

普段聴いている「音」を意識するきっかけに

最後にヴェルネ氏は、日本の来場者に向けて、普段は意識せずに受け取っている「音」について考えるきっかけにしてほしいと話した。

耳から入った音が脳へどう伝わり、身体や感情へどう作用するのか。自身の記憶や文化と音楽がどのようにつながっているのか。「SOUND & VISION」は明確な答えを提示するのではなく、来場者が自身と音楽との関係について考えることを意図した作品だという。

Pitch Blackの黒を基調とした空間と、ヘッドホンによって周囲の環境音を抑えた鑑賞環境を組み合わせることで、映像と音に集中できるインスタレーションとして構成されている。

「SOUND & VISION」開催概要

・開催期間:9月19日(土) - 9月28日(月)

・会場:WORKSOUT AOYAMA
〒107-0062 東京都港区南青山3-17-6

・営業時間:平日12:00 - 20:00、土日・祝日11:00 - 20:00

・内容:「SOUND & VISION」映像インスタレーション、「Pitch Black Collection」製品展示/販売

・展示製品: Monitor III A.N.C. Pitch Black/Major V Pitch Black/Emberton III Pitch Black/Kilburn III Pitch Black

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