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メディア向けビジネスソリューション内覧会の模様をレポート

ソニー、映像と音をかけ合わせた新たな業務用ディスプレイシステムを提案。Crystal LED/ラインアレイスピーカーを活用

公開日 2022/07/07 19:54 編集部:伴 修二郎
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ソニーは、同社グループが手がける国内業務用ディスプレイビジネスに関するメディア向けのビジネスソリューション内覧会を実施した。本稿では主に法人向けとしてリリースされる製品群の展開についてレポートしたい。

昨今様々なシーンにおいて業務用ディスプレイのニーズが高まっており、同社調査によれば、32インチ以上の業務用ディスプレイおよびビジネスプロジェクターの国内市場規模は、2019年の35万1千台から2021年には37万4千台へと拡大、2022年には41万4千台に昇ると予測する。市場成長率は2019年から3年間で111.7%と着実な成長が見られる。

3年間の市場成長率が111.7%

拡大する市場で大きな構成比を占めるのが、同社の展開する法人向けブラビアが牽引する55インチ以上の業務用ディスプレイだ。その背景として「コロナ禍における企業のDX化やデジタルサイネージの普及による影響が大きい」と説明する。

コロナ禍の影響による企業のDX化やデジタルサイネージの普及により業務用ディスプレイのニーズが高まる

内覧会では、同社が開発、展開するスケーラブルな高画質LEDディスプレイシステム「Crystal LED」を紹介。独自の高画質化技術により、高コントラストかつ広色域での映像を追求し、圧倒的な没入感と臨場感溢れる映像表現を実現するとしている。

高画質LEDディスプレイシステム「Crystal LED」

本展では昨年9月に国内発売された輝度や設置性を重視したCrystal LEDの「Bシリーズ」を展示。様々な照明下でも使用可能な低反射・高輝度なモデルで、カメラのシャッタースピードを設定し再撮時のノイズも軽減する「Camera Sync(カメラシンク)」など、再撮向け機能の搭載も特長としている。

輝度や設置性を重視するケースに適したCrystal LEDの「Bシリーズ」を展示

また、Bシリーズ、リモートカメラ2台、メディアサーバー「disguise」によって実現する、xRを活用したバーチャルプレゼンテーションシステム「xRソリューション」を提案。高精彩LEDパネルにCG背景を表示した状態で再撮影し、さらにLEDパネルの外側にもCGをリアルタイムで合成することで、無限の仮想空間を実現するというもの。商品説明会やショーケースでの活用を想定している。

xRを活用したバーチャルプレゼンテーションシステムを提案

テレビでは、民生用ブラビアで培った高画質・高音質性能に加え、業務用途で必要な各種設定が可能な“プロモード”を搭載する法人向けブラビアシリーズを展示。画質や輝度、幅広い色彩や色表現などブラビア独自の強みに加え、テレビの最大音量設定や各用途向けラインナップ、3年の製品保証によるサポート体制など、B2Bに向けた機能やサービスを充実させている。

法人向けブラビアシリーズ

今後発売予定のテレビチューナー搭載の法人向けブラビア4K液晶テレビ「FW-BT30K/BZ」や、直下型LED部分駆動を搭載する「XRJ-X90K/BZ」も展示。BT30K/BZでは、4Kの美しさを最大限に高める高画質プロセッサー「HDR X1」を搭載。4K画質へのアップコンバート機能も備えており、ホテルや旅館、オフィス、教室におけるテレビ放送視聴などの用途に適したモデルとしている。

テレビチューナー搭載の新4K液晶テレビ「FW-75BT30K/BZ」も展示

別のブースでは、BT30K/BZ、XRJ-X90K/BZを活用した、ホテル客室向けのソリューションも提案された。法人向けブラビアを、ホテルや旅館の客室を想定した壁かけ仕様として設置。客室ごとに合う適切なサイズ選択と法人向けブラビアによる高画質化により、ホテルの付加価値向上を促すとアピールした。

ホテルや旅館の客室を想定した壁かけ用途を提案

上述のCrystal LEDと2023年1月初旬に発売予定の業務用ラインアレイスピーカー「SLS-1A」を組み合わせたデモ試聴も実施された。「SLS-1A」は、企業のエントランスやショールーム、会議室や教育機関などでの使用を想定したパワードスピーカー。8基のスピーカーを線上に配置することで垂直方向への音の広がりと距離による音の減衰を低減し、壁や天井、ガラスの反射を抑え、明瞭な音のまま遠くまで伝えるラインアレイ方式を採用している。

業務用パワードラインアレイスピーカー「SLS-1A」を組み合わせたデモ試聴を実施

クリアな高音質を実現する磁性流体スピーカーが搭載され、通常の球型のユニットではなく、四角のユニットを採用することで、スピーカー間隔を均一に揃え、指向精度をより細かく設定することが可能だ。企業のエントランスや講堂などの広い場所でもしっかりと音を届け、会議では遠くの席にいる人にも均一に音を届けられるという。

「SLS-1A」

本体は、様々な視聴・設置環境に対応できるコンパクトサイズ仕様で、8ch AMP/DSP内蔵の高音圧を実現する。最大6台(電源は3台)まで連結して拡張可能で、縦配置と横配置のどちらにも対応する。アナログ入力(ライン入力)のほか、Dante デジタル・オーディオネットワークインターフェースにも対応する。

端子部のイメージ

デモ試聴では、大画面ディスプレイによる広い視聴エリアを想定した、画面定位と指向性の制御を実施。上下のラインアレイスピーカーを使用した画面定位の試聴では、指定範囲であればどこに立っても均一な音が聞こえ、範囲外に移動すると音圧が下がり音が届く感覚が軽減するのが体感できた。

指向性を制御するデモでは、下配置のラインアレイスピーカーのみを使用して、指定した範囲外には音を届けなくできることを確認。企業のエントランスなどで、ディスプレイの音声を受付スペースには届けないようにするといった活用方法を想定しているとのこと。

下部スピーカーは横に3基を連結

各指向性の設定はPCアプリでプリセットが可能で、各シーンに合わせて適した指向性に切り替えられる。スピーカーは最大6台まで連結可能で、縦に連結すれば計121dBとなり、最大25m規模のホールまで音が届けられるとのこと。

同じくラインアレイスピーカーを使用して、100インチのブラビアとラインアレイスピーカー、ビームフォーミングマイクを組み合わせて、マイクを意識しない拡声・収音を実現する「ハイブリッド会議室ソリューション」を提案した。

マイクを意識しない拡声・収音を実現する「ハイブリッド会議室ソリューション」

天井に配置されたビームフォーミングマイクで収音した音声を、ラインアレイスピーカーで出力することで、部屋のどの位置で発声しても、参加者全員に明瞭な音が届けられるシステムとなっている。

天井に配置されたビームフォーミングマイクで会議音声を収音する

デジタルサイネージ用途に関するものでは、ディスプレイを連結させることで圧倒的な迫力とブラビアならではの高画質を実現する「大型マルチディスプレイソリューション」を提案。本展示では「FW-75BZ40H/BZ」を横に3枚連結した大型マルチディスプレイを展開していたが、対応するコンテンツさえ用意すれば、縦型に連結させることも可能だという。

横に3枚連結した大型マルチディスプレイ

学校教室向けのソリューションでは、小・中学校、高校の教室を想定し、65インチのブラビアにタッチパネルを搭載した電子黒板を展示。ディスプレイに教材を映し出しながら、直接文字やラインの書き込みが可能で、各生徒が所持するタブレット類とも連携できる。教師が教壇以外の場所から授業することもでき、気になる生徒を確認しながら授業を進めることも可能になる。

ブラビアにタッチパネルを搭載して電子黒板として活用

タブレットとの連携も想定

そのほかにも、ウェビナー配信用途として、AI搭載のEdge Analytics Appliance「REA-C1000」を活用してバーチャル空間を再現するカメラソリューションの提案や、会議室用途向けにブラビアの画質や画面サイズを選択した提案、ビジネスプロジェクターの比較展示なども行われた。

バーチャル空間を再現するカメラソリューション

ビジネスプロジェクターの比較展示も

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