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コンテンツ視聴のレスポンスもよりスムーズに

最新のAmazon「Fire HD 10」、前世代機ユーザーが使ってわかった進化点

2021/06/22 編集部:成藤 正宣
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ことし5月26日から出荷が開始された、アマゾンの10.1インチタブレット「Fire HD 10(第11世代)」。ひとつ前のモデルにあたる2019年発売の「Fire HD 10(第9世代)」から外観を変え、スペック面でもRAM(内部メモリ)が3GBに増量。加えてRAM 4GB搭載/ワイヤレス充電対応の上位モデル「Fire HD 10 Plus」もラインナップするなど、進化を期待させるポイントが随所に仕込まれている。

今年発売の「Fire HD 10」第11世代モデル。画像の上位モデル「Fire HD 10 Plus」ではワイヤレス充電にも対応する



そこで第9世代を1年ほど使っている筆者が、標準モデルと“Plus”を実際に試用。コンテンツ視聴用タブレットとして従来モデルからどのように変わったか、特に気になったポイントをピックアップしてお届けする。

Fire HD 10の“第11世代”モデルと、2019年発売の“第9世代”モデルを実際に使って比較

ちなみに、Amazonのタブレットの世代番号は発売年にもとづいている。2019年に発売されたモデルなら“第9世代”、2021年に発売されたモデルなら“第11世代”という塩梅で、つまり2020年に新モデルを発売していないFire HD 10には“第10世代”が存在しないということになる。決して筆者がうっかり忘れてしまった訳ではないので、ご安心いただきたい。

外観の変化で手持ちの安定感が違う!

第11世代のFire HD 10も、1,900×1,200というディスプレイ解像度は変わらないが、本体の長辺が15mm縮み、代わりに短辺が7mm伸びた。第9世代までのちょっと“ロング”なデザインが、他の一般的なタブレットに近づいた印象だ。加えて、重さも40gほど削減されている。劇的、という程ではないが、手に持って使う際の安定感は第11世代の方が好ましく感じられる。

Fire HD 10の従来モデル“第9世代”(左)と、新しい“第11世代”の「Fire HD 10 Plus」。第11世代では筐体の寸法が変わり軽量化もされた

ボタンとカメラの移動はちょっと慣れがいるかも

次に気になるポイントは、短辺側にあるボタン/端子のレイアウト。第9世代では、両端のボリュームボタン/電源ボタンに挟まれるようにイヤホンジャックとUSB Type-Cが配置されていたが、第11世代ではボタンと端子とが、まとまるように整理された。中でも電源ボタンはほぼ反対側に移されたので、筆者は手探りで押そうとして、よくイヤホンジャックを撫でてしまう。乗り換えユーザーの場合、すこし慣れが必要なポイントだ。

第9世代(下)と第11世代(上)でボタン/端子の配置も変わった

また、約200万画素のインカメラも、ボタンや端子のある短辺側からスピーカーのある長辺側に移動。横向き時に真正面に来る配置となった。AmazonアプリストアにはZoomなどメジャーな通話アプリがいくつかラインナップされており、またブラウザ版になるが、ゲーマー御用達のDiscordなども利用できる。スタンドなどに立て掛けてオンラインコミュニケーション用途で活躍させることもできそうだ。

その反面、新しいインカメラの配置は、縦向きで手に持って使う場合にインカメラと光センサーを塞いでしまいやすい。筆者の場合、Kindleアプリのマンガを縦向きで読んでいる最中に画面が暗くなり気が散る、ということが度々あった。縦持ちを多用する場合、持ち方を変えるか、あるいはディスプレイの明るさ自動調節をオフにする必要があるかもしれない。

縦持ちすると、持ち方によってはカメラ横の光センサーを隠してしまう

メモリ増量でスムーズさが違う!

第11世代のFire HD 10はCPU/GPUのアップデートこそ無いが、内蔵メモリが通常モデルでは3GB、Plusでは4GBにそれぞれ強化されている。この1GB、2GBの違いが、いろいろなコンテンツを楽しむ上で快適さを高めている。

筆者のFire HD 10の主な用途は、第1にKindleアプリでの読書、第2にPrime VideoやNetflixアプリでの動画視聴、第3にウェブブラウジング、あとはゲームを少々、といったところ。必然的にいくつものアプリを何度も切り替えていくことになるが、第9世代だと次第に切り替えや表示のレスポンスが鈍くなっていき、手動でアプリを整理する必要に迫られる。

それが第11世代では、電子書籍、動画、ウェブブラウザ……と切り替え続けても、そうそうモタつくことはない。待たされることなく次々にコンテンツを表示できるので、快適さが段違いだ。第11世代で新しく追加された、2つのアプリを並べて同時に表示できる「2画面表示機能」も、メモリの強化あってこそだろう。

RAMの容量差の影響はゲームでも確認できる。筆者がFire HDタブレットでプレイしている『ハースストーン』というカードゲームは、アクションやレースゲームのように3Dモデルが激しく動いたりする訳ではないが、それでも動作には最低でも1.2GHz以上のプロセッサーと2GB以上のRAMが要求される。

ちょうどギリギリ2GBのRAMを搭載する第9世代でプレイしていると、初めのうちは問題ないものの、対戦を繰り返しているうちに徐々にレスポンスが悪くなっていき、ついには一時的に操作を受け付けなくなったり、画面が固まったりしていた。それがRAM 3GB/4GBの第11世代では、30分ほど連続してプレイしてもそれなりにスムーズなまま楽しめた。

まとめると、デザイン変更や軽量化、メモリの増量によって快適さは間違いなく向上。ボタンやカメラの変更は、使い方次第だが慣れがいるかも、というところ。特に、本/動画/ブラウジングなど、マルチにコンテンツを使い倒すというユーザーには大きな違いが感じられるはずだ。

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