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2月12日から14日まで

近未来的「網膜投影デバイス」や曲げられる超薄型有機ELディスプレイなど最新技術披露<ウェアラブルEXPO>

2020/02/12 編集部:平山洸太
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本日2月12日から14日までの3日間、東京ビッグサイトでウェアラブル関連部品・材料などの展示会「ウェアラブルEXPO」が開催。多くの企業が出展をしているなかから、BocoやQDレーザーをはじめとした、注目ブースの模様をレポートしていく。


Bocoでは、世界初を謳う完全ワイヤレスイヤホン骨伝導イヤホン “earsopen”「PEACE(TW-1)」を展示。昨年11月のヘッドフォン祭ではプロトタイプが参考出展されていたが、今回はより製品版に近いデモ機が置かれていた。昨年末にクラウドファインディングも実施したが、市販化については4月下旬を目標に、市場想定価格で税抜21,800円前後を予定しているという。

ブラックとホワイトを用意

“earsopen”「TW-1」

同製品が発表されたのは、ほぼ1年前に開催された第5回 ウェアラブルEXPO。当時は振動素子と円柱状の本体が直線状に配置されていたが、最終的には本体を90度回転させたデザインになっている。「フィット感を増すために回転させており、装着感がよくなった」と説明員は話していた。

充電ケース

また、振動素子をこめかみにあてるのではなく、耳の軟骨にあてるため、従来モデルよりも音漏れが少ないとのこと。骨伝導方式では外の音も聴こえるため、「ランニングする人や、普段ずっとイヤホンをつけている人、会話しながら使いたい人などに最適」だとアピールしていた。

装着してもらった様子

バリエーションモデルとして集音補助が行えるモデル「TWHA-1」も展示されており、こちらは市場想定価格で税抜68,000円前後を予定。マイクで拾った音声を骨伝導で聞くことができるだけでなく、左右それぞれでの音量調整、音楽再生にも対応する。

そのほか、Bocoのブースでは身の回りのものに取り付けることでスピーカーとして再生できる“docodemoSPEAKER”「SP-1」も展示。専用ハウジングを装着することで防水対応となることを、実際に水槽に沈めるデモンストレーションでアピールしていた。

「SP-1」

イベントではVRやARに関連した出展が多く見受けられた。QDレーザーは、網膜走査型レーザアイウェア「RETISSA Display II」を展示。同製品は、超小型レーザー・プロジェクターを使った市販品として世界初の網膜投影式アイウェアデバイスだ。

表示部分がメガネに固定

「RETISSA Display II」

網膜に直接レーザーで照射するため、視力やピント位置に依存せずに常にクリアな映像を見ることができる点が、ヘッドマウントディスプレイと大きく異なるテントなる。ブースで実際に体験することができたが、すでに発売が開始されている製品ながら、興味のある来場者が多いようで、体験を待つ列は途切れる様子がなかった。

QDレーザーのデモが人気

ヘッドマウントディスプレイ関連では、光学デバイスを展開するカラーリンク・ジャパンが、レンズを含めて12mmという厚さのHMD用ディスプレイモジュール「VG-USxx」をデモ。0.5インチのOLEDを搭載し、解像度はUXGA(1,600×1,200)、+2から-10の視度調整に対応する。2021年ごろの量産を目標にしているという。

「VG-USxx」

VG-USxxを搭載したビデオグラスの例

同ブースでは、メガネ型シースルーモジュール「BB-ST40」も初公開。0.7インチのOLEDを採用しており、解像度はフルHD。こちらは10から12月の量産を予定しているとのことだ。

「BB-ST40」

イベントではこのように部品関連のメーカーの展示も多く、東北パイオニアは0.1mmという厚さで折り曲げ可能な超薄型OLED、時計などへの使用を想定した透過型OLEDなどを参考出展。4辺狭額縁OLEDや光源用OLEDなど多くの製品が展示され、技術力をアピールしていた。

時計に透過型OLEDを採用することで、アナログ文字盤との両立が可能

超薄型OLEDを搭載したサンプル機

そのほか、ヘッドホンのヘッドバンド部、ベルトのバンド部などに搭載できる薄型バッテリーJENAX「J.Flex」は、量産化を目前に控える段階だという。またリチウムイオン電池を手がけるVARTAのブースには、B&Oの製品が参考として展示。説明員は「完全ワイヤレスイヤホンでは、トップメーカーのほとんどに供給している」とアピールしていた。

ヘッドバンド部分に「J.Flex」を搭載できる

多くの完全ワイヤレスイヤホンに搭載されているというリチウムイオン電池

ヘルスケア関連では、トリニティが “日本人の睡眠改善” を掲げるウェアラブルデバイス「Weara」を展開しており、カラフルな着せ替えバンドが目を引いた。当初は2020年1月の発売を予定していたが、延期しており、精度や完成度をさらに詰め、春ごろには発売したいという。

Weara

多彩な交換用バンドを用意する

睡眠に関する出展もいくつか見受けられ、SWANSWANは2月21日からMakuakeでのクラウドファインディングを予定するデバイス「Sleeim」をアピールしていた。大阪電気通信大学との共同研究開発により、生体情報のモニタリングと振動刺激を組み合わせることで、いびき・無呼吸を低減するとのこと。5月の一般販売も予定しており、29,800円での発売を想定する。

「Sleeim」

そのほかウェアラブルデバイスでは、fitbitが腕に装着するスマートトラッカーをアピール。また、シューズなどで知られるアシックスが、カシオと共同開発したランニング分析システムを展示。2020年内の一般発売・サービス開始を予定していると説明していた。

fitbit「inspire HR」

腰の部分に装着することで、GPSと9軸センサーによってランニング状況を取得できる

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