日本未発表のCOWON新DAP、Westone新CIEMも

Astell & Kern「SA700」初披露など注目モデル多数! 韓国オーディオイベント「BSK2019」レポート

プレミアムヘッドホンガイドマガジン編集部:塚田真由子
2019年10月30日
韓国のオーディオ&ヘッドホンイベントである「Bugs! SUPER SOUND KOREA 2019(以下、BSK2019)」が、韓国ソウル市江南(カンナム)区のCOEXで10月26日から27日まで開催された。

今年で3回目を迎えたBSK2019は、韓国のオーディオ雑誌「audiopie(オーディオパイ)」が主催し、音楽配信サイト「Bugs!」が運営するイベントで、100以上のブランドが出展。期間中には韓国で人気のゲーム「スタークラフト」のプロゲーマーと対戦できるイベントなども開催され、ヘッドホンファンはもちろん、子供や家族連れなど多くの来場者で賑わっていた。

BSK2019の舞台となるのは、高層ビルが建ち並ぶビジネス街にある総合展示場「COEX(コエックス)」

BSK2019はCOEXの2階にあるカンファレンスルーム北で開催された

「audiopie」のユン・ミン編集長は、「Bugs! をスポンサーに迎えて2019年で3回目の開催になりますが、Bugs! は韓国でも大手の音楽配信サイトということもあって、オーディオマニアだけでなく、一般の音楽ファンも多く集まるようになりました。2017年の総来場者は約7,400人、2018年は約9,600人と年々増えています。今年は2018年とほぼ同数の来場者数が見込まれています」と、韓国のヘッドホン文化の盛り上がりについて語ってくれた。

イベントを主催する「audiopie」と「Bugs!」の皆さん

展示の大半を占めるのは、ヘッドホンや完全ワイヤレス、デジタルオーディオプレーヤー(DAP)などのポータブルオーディオ機器。ソニー、オーディオテクニカ、SHUREといった日本でもお馴染みのブランドが広いスペースを構え、大いに賑わっていたが、地元ブランドであるAstell&KernやCOWONなどのブースも盛り上がりを見せていたのが印象的だった。ここでは日本でも人気の韓国ブランドを中心にレポートをお届けする。

多くの来場者で賑わうソニーブース

会場内には休憩スペースもあり、女性客や家族連れの姿も見られた

Astell & Kern

Astell & Kernブースでは、同ブランドの名を世に知らしめたDAP「AK120」(2013年発売)のデザインを再構築し、現在の最新スペックを盛り込んだDAP「SA700」が初披露されていた。価格は1,299ドル前後を予定しているという。

デュアルDAC搭載、弦楽器のブリッジ部分をモチーフにしたホイールプロテクター、スライド式のドアが付いたカードスロットなど、AK120ならではの特徴を踏襲しつつ、曲情報に合わせてカラーが変わるインテリジェントLEDを搭載する。カラーはオニキスブラックとステンレススティールの2色。

BSK2019で初披露されたAstell&Kern「SA700」

DACには旭化成エレクトロニクス製の「AK4492」を採用し、デュアルで搭載。PCMは384kHz/32bit、DSDは11.2MHzまでのネイティブ再生をサポートする。ヘッドホン出力は、2.5mm4極バランスと3.5mmステレオミニの2系統。入力はUSB Type-C。

側面には「インテリジェントLED」と呼ばれるLED照明を備えたボリュームダイヤルを搭載。再生中の曲のビットレートに合わせてレッド・グリーン・ブルー・パープルなどさまざまな色に変わるほか、音量に合わせてLEDの彩度が変化する。

ボリュームのリング部にはインテリジェントLEDを搭載。再生された曲情報に合わせてLEDの色が変わるのが特徴だ。DSD再生ではパープルに切り替わった

同社セールスチームのSonia Na氏は「今年はAstell & Kernが『AK120』をリリースして7年目になります。『SA700』の “7” には7年目のアニバーサルモデルといった意味合いが込められています。価格は1,299ドル前後を予定していますが、筐体にステンレススティールを贅沢に使用しつつも、比較的お求めやすい価格を実現したこともこだわりです」と語ってくれた。

セールスチームのSonia Na氏

COWON

COWONブースでは、同社スタンダードクラスのDAP「PLENUE R」の後継モデル「PLENUE R2」が初披露された。日本での発表・発売は未定。

COWONの新DAP「PLENUE R2」

DACはシーラス・ロジックの「CS43131」を2基搭載。DSDは11.2MHzまでのネイティブ再生、PCMは384kHz/32bitまでの再生が可能。ヘッドホン出力は、3.5mmのアンバランスに加えて2.5mmバランス端子も備えているが、バランス出力が従来モデル「PLENUE R」の1.6Vrmsから4.0Vrmsへ、アンバランス出力が従来の1.4Vrmsから2.0Vrmsへと強化されている。

384kHz/32bit音源に最適化させたというデジタルパス回路を独自開発し、オリジナル方式のCPLD(Complex Programmable Logic Device)を搭載。これによってBUS単位やGROUP単位でのデジタル信号処理を最適化し、ノイズ抑制を図っているという。

3.5mmシングルエンドと2.5mmのバランス出力端子を備えている

「Jet Effect7」を搭載。10バンドのEQフィルターと、BBE+、Chorus、Reverbなどを調整できるユーザープリセットなどを用意する

また、豊富な種類があるイコライジング機能の「Jet Effect 7」および「BBE+」のほか、ユーザーの使用習慣などを学習してボリュームやイコライジングを自動調整する「Aiオーディオ」機能も搭載する。

セールス&マーケティング部のパク・ユンジン氏が取材に応じてくれた

LEFRIG AUDIO

華城(ファソン)市に本拠地を構える「LEFRIG AUDIO(レフリク・オーディオ)」ブースには、日本でもお馴染みのイヤホンブランド「Dynamic Motion」も出展していた。

同社CEOのソ・ウンスク氏によると、1982年に創業したスピーカー・ユニットメーカー「Dynamic Motion Inc.」をソ・ウンスク氏が買収し、2018年からDynamic Motionブランドを再始動させるとともに、カスタムIEMブランド「EMBRYO(エンブリオ)」をスタートさせたとのこと。

さらに、Dynamic Motionのラインナップにあるハイブリッド型イヤホン「DM300H」(日本未発売)をベースに、小ロットでの生産にこだわりハンドメイドでひとつずつ丁寧に製作したというイヤホン「TRECENTO(トレチェント)」を出展していた。いずれも日本での発表・発売は未定。

「DM300H」をベースにした「TRECENTO」

TRECENTOは、ダイナミック型ドライバーとBA型ドライバー2基を組み合わせ、特許技術「Bulls Eye Driver」を搭載した同軸2ウェイ構造によるハイブリッド型イヤホン。ちなみに、“TRECENTO”はイタリア語で“300”を意味する言葉だ。

本機で採用されたBulls Eye Driverは、ウーファーを担当する11mmダイナミック型ドライバーに設けられた中央部の穴へ、高域を担当するBA型ドライバーを置くという技術。この技術はDynamic Motionの「DM200H」でも搭載されていたが、TRECENTOではKnowles社製のデュアルBA型ドライバー「SWFK31736」を搭載している。

「Bulls Eye Driver」、「Dual Coaxial Nozzle」の概念を表したイメージ図

また、BA型ドライバーに独立したポートを与え、ダイナミック型ドライバーと同軸上にした「Dual Coaxial Nozzle」を採用するのもポイントだ。

取材に応じてくれたLEFRIG AUDIOのCEO、ソ・ウンスク氏

AZLA

AZLAブースではマーケティング・ディレクターの田島一男氏に話を伺うことができた。田島氏は「お陰様でわが社のイヤーチップ『SednaEarfit』は大変ご好評をいただいておりますが、イヤーチップブランドと思われることもあるため、今年から来年にかけてイヤホン事業に改めて力を入れていきたいです。詳細はまだ明かせませんが、実はさまざまなイヤホンを開発中です。日本の皆さん、イヤホンブランドとしてのAZLAにもぜひご期待ください」と今後の構想を明かしてくれた。

AZLAのマーケティング・ディレクター、田島一男氏。同社のイヤホン「ZWEI」をアピール

WESTONE

最後に、WESTONEで日本未発表の注目アイテムを発見したのでレポートしていきたい。

ブースにはカスタムIEM“ESシリーズ”の新たなモデル「ES70」と「ES40」がいち早く展示されていた。日本での発表・発売は未定だ。

ES70は、BA型ドライバーを高域に4基、中域に2基、低域に1基搭載する3ウェイモデル。再生周波数帯域は5〜22kHzで、入力感度は115dB@1mW。インピーダンスは39Ωとなる。ケーブルは着脱式で、MMCXコネクターを採用している。

ES40は、BA型ドライバーを高域に1基、中域に1基、低域に2基搭載する3ウェイモデル。再生周波数帯域は10〜20kHz。入力感度は112dB@1mW。インピーダンスは28Ω。こちらもMMCX対応の着脱式となっている。

BA型ドライバーを7基搭載する「ES70」

BA型ドライバーを4基搭載する「ES40」

関連記事