IFAと同時開催

カーシェアやコネクテッドカーに新サービス続々。ドイツでIFAと併催「Shift Automotive」レポート

山本 敦
2019年09月19日
コネクテッドカーとコンシューマーエレクトロニクスの結びつきをテーマにしたイベント「Shift Automotive」が、昨年に続いて今年もIFAと同じ場所で併催された。第2回目となる今回は、カンファレンス形式のステージイベントを中心としながら、にコネクテッドカーをテーマにした展示スペースも展開されていた。

9月10日と11日の2日間に渡ってメッセ・ベルリンでコネクテッドカーをテーマにしたイベント「Shift Automotive」が開催された

Shift Automotiveは、IFAを主催するメッセ・ベルリンと、毎春スイスのジュネーブで開催されるモーターショー「Salon International de l'Auto」のコラボレーションによって実現したイベントだ。春にはジュネーブ、秋にはベルリンという周期で、毎年2回ずつ行われる。

今年も2日間に渡って行われたカンファレンスでは、コネクテッドカーのテクノロジーに限らず、自動運転のモビリティとリンクするサービスのあるべき姿、先進的なヒューマンインターフェースなど幅広いトピックスがテーマになった。

自動車やデジタルデバイスのヒューマンインターフェース設計に関わるキーパーソンたちによるトークイベントも開催された

パネルディスカッションにはBMWやダイムラー、フォルクスワーゲン、フォードなど自動車業界のキーパーソンだけでなく、保険会社のAXAや富士通など、モビリティに関わるサービスのエキスパートも登壇。熱い議論が交わされた。会場を見渡してみると、今年は日本からも大勢の参加者が足を運んでいたようで、このイベントに対する関心の高さがうかがえた。

展示スペースには富士通がブースを出展し、同社が得意とするITを活用したヒューマンインターフェース技術を紹介。同社はこれから欧州のコネクテッドカー市場への進出を本格的に加速させることから、パートナーの獲得・拡大を図るためShift Automotiveに初出展を決めたという。

Hall26に設けられたShift Automotiveの展示スペース

富士通は手のひら静脈認識の生体認証システムをモビリティサービスに活かす提案を見せた

例えば富士通グループの技術によって提供される、セキュアな手のひら静脈認証システムは、今後カーシェアリングなどのサービスやMaaS(モビリティシステムサービス)でのEコマース決算システム、トランクデリバリーのデジタルキーシステム等の様々な用途に役立てられると、同社スタッフが展示の意図を説明してくれた。

モビリティから収集されたデータをリアルタイムにデジタル空間へ展開し、車両のレスキューや遠隔操作、大都市におけるパーキングサービスなどに展開するための技術も、富士通が得意とする分野だ。すでに4Gで十分に本格活用できるサービスを揃えているが、同社スタッフによれば、5G開始後に新たなビジネスが生まれる期待感が、業界内で高まりつつあるという。

ダイムラーグループのsmartは、数年前にドイツなど欧州各国でサービスを始めたsmartの車両オーナーによるカーシェアリングサービスをShift Automotiveの展示会場で紹介した。サービスの名称は「ready to」。ユーザーになれるのはsmartを所有する友人や知人同士に限られるが、日中オフィスで仕事をしている間など、愛車が活用されずに持て余している時間にシェアして、ちょっとしたお小遣いを稼げるプラットフォームになっている。

smartのカーシェアリングサービス「ready to」。スマホアプリを使って愛車のsmartを友人や家族にレンタルできる

オーナーはディーラーショップなどでsmartを購入する際、ready toへの申し込みをオプションとして選択できる。ready toのアプリからはカーシェアリングだけでなく、近辺にある駐車場やチャージステーションの検索などもできる。

専用アプリからは愛車のコンディションをチェックしたり、近所の秋パーキングスペースの検索などの機能が利用できる

同様のカーシェアリングサービスは、BMWが出資する、“乗り捨て”に近い感覚でオーナー以外もBMWの自動車を気軽に利用できる「DriveNow」が展開されていたり、エコフレンドリーな車社会への関心が高まるにつれて、続々と新しいサービスがドイツ国内でローンチしているようだ。

Shift Automotiveの会場以外にも、IFAには欧州で大ブレイクしている電動キックボードの新製品が来場者の関心を集めていた

今から数年後、IFA視察にベルリンを訪れてたら、街中を走っている車はほとんどカーシェアリングサービスのものばかりということも、現実になるかもしれない。

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