100周年記念イベントのセミナーをレポ

<レポート>小川理子氏と漫画家 弘兼憲史氏が語った、「テクニクスの未来へのチャレンジ」

編集部:小澤貴信
2018年10月31日
パナソニックは、同社創業100周年を記念したイベント「クロスバリューイノベーションフォーラム2018」を東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催してる。多数のシンポジウムや講演が実施されている同フォーラムにて、Technics(テクニクス)ブランドによるセミナー「Technicsのブランド戦略と未来へのチャレンジ」が開催された。

セミナーでは、パナソニック アプライアンス社 副社長 技術担当 兼テクニクス事業推進室長の小川理子氏が講演。ゲストには『島耕作』シリーズで知られる漫画家 弘兼憲史氏が登場し、両名によるトークセッションも行われた。

小川理子氏

弘兼憲史氏

弘兼氏はパナソニックのOBであり1970年に松下電器に入社、1973年まで在籍していた。小川氏とも交流があるという。

弘兼氏は、自身の代表作である『島耕作』シリーズのモデルになった人物は、松下電器時代のステレオ事業部の社員であったというエピソードを紹介。さらには、『島耕作』シリーズのスピンオフ作品『会長島耕作 特別編 部長 風花凛子の恋』の主人公のモデルが小川理子氏であることも明かした(風花凛子は大手電機メーカーの女性部長であり、サックス奏者でもあるという設定)。

会場にはOTTAVAシリーズも展示

トークセッションでは、小川氏がパナソニックにおけるキャリアとジャズピアニストを両立させていったきっかけについて、幼少からの音楽遍歴、パナソニックにおける様々なエピソードなどについても語られた。両氏による軽妙なトークは、時として来場者の笑いも誘っていた。

弘兼氏が「70才を過ぎて高域が聞こえなくなってきている僕にも、ハイレゾの意味はあるのか」という質問を投げると、小川氏は「聴こえていない帯域でも、人間は身体で感じている。物理的には聴こえていなくても、脳で聴こえるように変換するという能力が備わっている」と答えていた。

トークセッションの様子

また、小川氏が「オーディオファンは男性がほとんど」と話を向けると、弘兼氏は「男性はメカが好きで、車や時計と同じようにオーディオを好んでいる」と分析。小川氏は「ブラスバンドなどで、これだけ多くの女性が活躍しているのだから、そういう方々にもオーディオの魅力を知って欲しい」と述べた。

テクニクスが世の中にどう影響を与えていくのか、という質問に対して小川氏は「精緻で丁寧なモノづくりは日本人ならではであり、日本の美意識なので、それを本質的に見失ってはいけない。自身を持って発信していきたい」と語った。

小川氏は「多様性の溢れる、力強いパナソニックになっていきたい」と語った

最後に両氏に「100年後のパナソニックはどうなるのか」という質問が向けられた。弘兼氏は「パナソニックはかつて家電の王者として世界を席捲したが、中国や韓国・台湾のメーカーが入ってきたことで、現在では二番手・三番手にならざるを得ない。かつてのアメリカが日本に自動車産業で先を越されたのちに新しい分野に取り組んで成功したように、日本のメーカーも家電以外の領域に目を向けるべきだ。特にエネルギー産業には期待している」と述べた。

小川氏は「多様性の溢れる、力強いパナソニックになっていきたい。私はアプライアンス社という家電の総本山に所属しているが、もっと人に寄り添う、暮らし全体から考えられた家電を生み出していく必要があると考えている。社会全体の課題を解決するためにも、日本企業で協力し合って、世界に打って出ていきたい」と語った。

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