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ハイレゾとレコードとの比較試聴も

<OTOTEN>中村繪里子さん登場!セミナー「高品位レコーディング化が進むアニソンをハイレゾで聴く!」レポート

2018/06/16 PHILE WEB編集部
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6月16日から17日かけて、有楽町・国際フォーラムで行われた「OTOTEN 2018」(事前来場者登録はこちら)。16日には音元出版主催によるセミナー「高品位レコーディング化が進むアニソンをハイレゾで聴く!」が開催された。その模様をレポートしたい。

セミナーでは、ゲストに声優/アーティストの中村繪里子さんを招き、中村さんの自身のラジオ番組のED/OP曲で、最新ソロシングル「そんな素敵な夜だから」「約束の場所まで」のハイレゾ音源を、JBLのハイエンドスピーカーシステム“Project EVEREST”「DD67000」(関連ニュース)や、アキュフェーズのパワーアンプ「A-250」など、トータル1,000万円級の高級オーディオシステムを使用して試聴が行われた。MCは野村ケンジ氏が務めた。

JBLのスピーカーシステム“Project EVEREST”「DD67000」とアキュフェーズのパワーアンプ「A-250」

セミナー会場は、1時間前から入場待ちをしていた熱心なファンなどですぐに満席となり、立ち見客も出るほどだった。そんな期待が高まる中、セミナーがスタート。大きな拍手と共に中村繪里子さんが登壇した。

用意された席は、開場後すぐに全て埋まってしまった

まず、MCの野村ケンジ氏が試聴システムについて紹介すると、「ラジオで流してる曲をこのシステムで聴けるとは、なんて贅沢!!」と驚きを隠せない様子の中村さん。「でも、値段だけが良い音を決めるのではなくて、それを聴ける環境にすることも大事なことだと思っています」ともコメントした。

中村繪里子さん

今回MCを務めた野村ケンジさん

そしてさっそく、ハイレゾ音源の試聴が実施された。『そんな素敵な夜だから』が再生されると、中村さんは会場の最後列へ移動したりしながらその音をチェック。さらに、スピーカーに触れたりと体で音を感じようとしているかのような様子を見せた。試聴を終えると、「ビックリした! ベースがスゴい!! 実際に会場の後ろまで行ってみたんですけど、会場のどの席にいても楽しめるなと感じました」とコメントした。

続いて『約束の場所まで』が再生された。中村さんは、試聴中に会場全体を見渡したり天井を見上げたりしていたが、曲を聴き終えると、「この会場は天井がキャラメルを並べたみたいに穴が開いてて音が均等に跳ね返らなかったり、反響板とかもないのに、これだけの音の広がりを感じさせてくれるこのスピーカー達はスゴいですね」と、システムのスペックに感心しきりの様子だった。

また、「私はこういうスピーカーで聴けるようなオーディオルームは持っていなくて、普段は外に音楽を持ち出して聴いているんですが、イヤホンで耳の中だけで聴いているというのとはまた違う楽しみ方で、体で感じられるというのはすごく楽しいですね」とコメントした。

ちなみに、MCの野村ケンジ氏が普段使用しているイヤホンについて尋ねると、すでに生産終了してしまっているがNuForceのBluetoothイヤホン「BE sport3」を使用していると教えてくれた。さらに同社の完全ワイヤレスイヤホン「BE free5」、Just earで作ったワイヤードイヤホンも愛用しているとのことだった。

自前のイヤホンを実際に見せてくれた

その後も、中村さんのリクエストでLiSA『夕景イエスタデイ』などの試聴も行われた。また、上坂すみれさんの『リバーサイドラバーズ』もリクエストされたが、ハイレゾ音源がまだ無いということで、本曲を提供した “TECHNOBOYS繋がり” で、TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND feat. 中川翔子『Magical Circle』も流された。

「久しぶりにすごい気持ちいいティンパニの音を聴きました」という中村さんに、TECHNOBOYSと交友のある野村氏は「ピッコロも聞こえたと思いますが、あれはシンセサイザーで作った音なんだそうです。相当加工して生っぽい音を作ったらしいです」と作成秘話を明かした。中村さんが「生を入れちゃえばいいのに!」というと、会場は笑いに包まれた。

また、野村氏はそうしたハイレゾアニソン制作のキーマンとして、ランティスの音楽プロデューサー佐藤純之介さんの名前を挙げ、同氏のおかげでアニソンハイレゾができたといっても過言ではない、と語った。

「佐藤さんは768kHz/32bitでアニソン録ったりしてるんですよ。192kHz/32bitでマルチトラックレコーディングさせたりもしてますからね。なので、なぜかランティスからだけ192kHz/32bitのハイレゾが出てます」と制作現場の話をしつつ「中村さんも、そうしたレコーディングやりませんかって言われないですか?」と野村氏が尋ねると、中村さんは「『そういう話、言ってください!』『えー、やるよー』という話は酔った勢いでしてます(笑)」と、お酒の席ではあるが、実現が楽しみなやりとりをしていたことを明かした。


192kHz/32bit音源の試聴ということで、ChouCho『明日の君さえいればいい。』を聴くと、「途中でボリュームを上げられてましたが、それでも全然壊れないですね。ステレオでL/Rに集約しても、もとの解像度が高いからその中でしっかり生きてました」とコメントした。

さらに、ハイレゾ音源とアナログレコードの聴き比べも行われた。アナログレコードプレーヤーには、テクニクスの「SL-1000R」(関連ニュース)が使用された。試聴音源は、『メイドインアビス』のオリジナル・サウンドトラックと『カウボーイビバップ』のサウンドトラック1。

テクニクスのアナログレコードプレーヤー「SL-1000R」

『メイドインアビス』のレコード盤の音が流れた途端、中村さんは驚いた様子を見せた。「アナログレコードは雑味がスゴい! アナログだからこそ、どういう風にアウトするのかっていうスピーカーの良さがより出るのかなと思いました」と中村さん。野村氏は「鮮明な音はハイレゾが有利、聴き心地がいいのはアナログといった感じですね。LiSAさんやKalafinaさんなどもレコードを出されていますし、いろいろ試してみて欲しいですね」とコメントした。

アナログ盤が再生され、その音に驚いた様子の中村さん

また、『カウボーイビバップ』の試聴を終え、野村氏が「おかしいですよね、レコードの方が音が分離して聞こえましたね」というと、中村さんは「不思議ですよね」と頷いて見せた。また、「アナログレコードは、音楽を聴くっていうのは、結局は人間の楽しみなんだなっていうのをすごく感させられました。ハイレゾとアナログで同じ曲がどう違って聞こえるかというのは受け手次第なので、それを伝えるために、送り手も音楽への愛をたくさん込めているんだな、と思いました」とコメント。

中村さんは「今日は貴重な音をたくさん聴く事ができました。でも、聴くというよりは、浴びるとか吸い込むと言った心地でした」とスピーカーならではのサウンドへの感想を語った。

なお、今回のセミナーの様子は、野村ケンジ氏がオーナーとなるYouTubeチャンネル「のむらけ 〜オーディオ秘密基地〜」にて生放送も行われた。

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