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新たなカーライフ実現間近

あのボーズも参戦、CESで見た「自動運転」最前線

公開日 2017/01/17 07:30 会田肇
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今年で50周年を迎えた北米最大の家電ショー『CES』が、近年になって自動車業界から大きな注目を浴びている。きっかけは7〜8年ほど前、EV関連の出展からだが、現在はさらに発展して話題の中心は自動運転となった。その実現へ向けて突き進む各社の動きをCES会場で追った。

もし数年ぶりにCESを訪れたなら、その変わりように間違いなく驚くはずだ。そこかしこに自動車が置かれ、これまで東芝やシャープがあった辺りには世界最大の自動車部品サプライヤーであるボッシュが出展。LVCC前の広場にはBMWがブースを構え、通路を挟んだ先には地図大手のhereやフォーミュラEのブースが軒を並べる。

今年も多くの来場者で賑わったCES

会場前の広場にはBMWが大規模なブースを出展
 
特にそれが顕著なのが自動車系出展が軒を連ねるノースホールだ。会場に足を踏み入れると世界の名だたる自動車メーカーや自動車部品サプライヤーがズラリ顔を揃える。思わず「ここはモーターショーか?」と勘違いしてしまうほどだ。

しかし、よく見ればモーターショーと違って、市販されている車両の展示はほとんどない。出展しているのは各社とも自動運転へ向けたコンセプトモデルが中心で、その実現へ向けた現状を披露する場としているのだ。つまり自動運転がもたらす近未来をいち早く体感できる格好の場所が今年のCESであったというわけだ。

自動運転には6つの「レベル」が存在する

ここではCESでの自動運転についてレポートするわけだが、その前に自動運転と一口に言っても、達成レベルに応じて様々な段階があることをまず知っておいていただきたい。

自動運転には、緊急時にブレーキをかけるアシスト的なものから、ドライバーが運転することなく車内で寛ぎながら目的地を目指せるものまで様々あり、そのレベルを世界共通認識となるようまとめられているのが、SAE(Society of Automotive Engineers)が設定した6つのレベルだ。

◆SAE(Society of Automotive Engineers)が設定した自動運転へ向けたレベル
レベル0(自動化なし)ドライバーがすべてをコントロール
レベル1(ドライバーアシスト)ACCなどのアシスト機能を搭載
レベル2(部分的自動化)複数のアシスト機能により自動コントロール
レベル3(条件付き自動化)高速道など特定の条件下ではドライバーは前を見なくてもOK
レベル4(高次の自動化)極端な状態等を除き、システムが自動でクルマをコントロール
レベル5 (完全自動化)ドライバーは運転する必要がなく、ハンドルやペダルもない

昨年10月に米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)もこの自動走行レベル区分を採用すると発表しており、この認識は日本も含め、世界的な共通認識となりつつある。

次ページレベル2と3のあいだにある大きな壁

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