大阪本社買い戻し案も
鴻海のシャープ買収、正式調印。鴻海会長「企業文化の違いこそ強み」
郭会長は、両社の企業文化の違いこそが強みであり、違う特徴をお互いに持ち寄ることでさらなる成長につながると説明。「今回の出資は価格よりも価値が重要だ」とも語り、「お互いの強みを活用して将来に向けて価値あるビジネスを構築していくこと重要だと思っている」とした。
また、「ある人から『鴻海は罠にかかったイワシの群れの中の一匹のナマズのようだ』と言われた。そのイワシ(シャープ)は懸命に泳がないとナマズ(鴻海)に食べられてしまう、ということだ」とコメント。「しかし、我々はシャープにとってナマズではなく、変化の食材だと思っている。変化をもたらさなければシャープは世界から食べ尽くされてしまう」と述べ、シャープの変革をサポートするための提携であると説明した。
■黒字化時期は2年後?4年後? 大阪本社の買い戻しプランも表明
そのシャープの再建計画については、「詳細はまだ明かせないが方向性は明確だ」とコメント。「シャープが技術をスピーディーに最高の形で製品化できることを支援していく」とし、「そうするなかでシャープが再び先端のグローバルなブランドになれるようサポートしていく」と語った。
なお、経営再建の支援において鴻海は先日1,000億円をデポジットとしてすでに支払っており、それこそが今回の提携に向ける決意の固さの証明だとコメント。その1,000億円で、次世代IGZOや有機ELなどのディスプレイ技術への投資、スマートホーム家電の開発、生産能力の増強を行うとした。
また、シャープの黒字化時期の目標については「私自身、日本文化から多くのことを学んでいるので、実際には2年と思っていても4年かかると答えるだろう(笑)」と冗談めかしてコメント。「実は私個人としても出資者なので、みなさん以上に早く黒字化して欲しいと願っている(笑)」と述べた。
加えて、「日本市場も厳しい状況ではあるが、そんななかでもシャープは優れた製品を沢山持っている。テレビもトップシェアだしエアコンや白物製品もトップレベルのシェアのものがあるし、ソーラーもそうだ」とコメント。「日本人は非常にシャープが好きだ。苦しい状況でもシャープというブランドを日本人はサポートしている。我々としてもシャープブランド、シャープ製品をサポートしていきたい。みなさんもどんどんシャープ製品を買って欲しい、そうすればもっと短い期間で黒字化できる(笑)」ともした。