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「Mr.ブルーレイ」パナソニック小塚氏に直撃

次世代BD「ULTRA HD BLU-RAY」規格の詳細をキーマンに聞く。4K/HDRで“究極高画質”へ

2015/01/08 折原一也
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HDR映像を楽しむためにはどのようなテレビが必要? 伝送はどうする?

さて、ここまでの説明をお読みいただいて、疑問として上がるのは、それではULTRA HD BLU-RAYに収録されたHDR映像を再生するには、対応プレーヤーのほかに、どんなディスプレイが必要になるのか、ということではないだろうか。

特に問題となるのは、解像度、ビットレート、フレームレートなどと異なり新機軸の基準となる「HDR」の扱いだ。

特に薄型テレビをはじめとしたディスプレイについてはスペック上は明確に「HDR」対応といった基準はないのだが、まず映像信号処理としてHDRに対応する必要があるため、HDRのデータ仕様であるSMPTE ST2084、SMPTE ST2086の信号入力に対応する必要がある。

なおテレビへの伝送については、HDMIフォーラムが、HDMI 2.0でHDR情報の伝送をサポートする。現行の4Kテレビと同様、HDMI 2.0/HDCP 2.2に対応していれば、HDR映像を入力することが可能となる。

また、薄型テレビ側については、上記の2種類のSMPTEによる信号認識に対応しない場合には、ULTRA HD BLU-RAY対応BDプレーヤーでHDR信号をダウンコンバートして出力する機能が搭載される予定だ。つまりテレビがHDR非対応だからといって、ULTRA HD BLU-RAYを再生できないということはない。同様にフルHDへのダウンコンバート出力も提供されるため、現行のフルHDテレビやHDR非対応のテレビでも、再生自体は問題なく行える。

HDR情報をどのように表現するかは各社の腕の見せ所

さて、晴れて「4K」と「HDR」の条件をテレビが満たしても、「HDR」をどのように再現するかは、薄型テレビメーカーの腕の見せ所だ。

現行の4K、あるいはフルHDのテレビでもそうだが、液晶テレビの特にHDRに関連するスペックでは、ピーク輝度500ルーメンのものも800ルーメンのものもあり、表示の際にローカルディミングを利用するか否かなど、各社が工夫を重ねるだろう。

なお、プロジェクターや有機ELテレビなど、黒が沈み込み、暗部諧調に優れたものであれば、ピーク輝度が1,000NITよりはるかに低くても、暗室で観るなど工夫すれば、HDR映像をしっかりと再現できる。人間の明るさを感じる視覚特性は、周囲の明るさに左右される相対的なものだからだ。HDRのコンテンツを美しく再生するために必要とされる技術は奥深く、こういったところで日本メーカーの高画質技術が生かされるだろう。

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