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「Mr.ブルーレイ」パナソニック小塚氏に直撃

次世代BD「ULTRA HD BLU-RAY」規格の詳細をキーマンに聞く。4K/HDRで“究極高画質”へ

公開日 2015/01/08 10:25 折原一也
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物理規格はBDを踏襲。高画質化しながらソフトメーカーの負担を軽く

ULTRA HD BLU-RAYの、ディスクの物理的な仕様は従来の延長線上にある。日本のBDレコーダーユーザーにとってはなじみ深い「BDXL」で定義された容量が流用され、50GB(2層)、66GB(2層)、100GB(3層)の3種類のディスク容量が定義されている。

「ディスクの記録容量は商業的には50GBか66GBをメインとしていて、容量の大きな作品では100GBの容量を使うようになると想定しています。1層33GBのメディアとなるので転送ビットレートも引き上げられ、IPベースの配信に対する画質面でのアドバンテージになります」。

「データ容量については、BDの8bitのフルHDから解像度が4倍になっており、ビット深度が8bitから10bitになって25%増になるため、これで5〜6倍になって、そこからHEVCでBDのようなオーサリングの段階で効率良く圧縮して、半分くらいになれば、最大100GBもあれば入るという計算です。今となっては手軽さという意味ではIP配信の方が便利ですから、ULTRA HD BLU-RAYでは本当にハイエンドのものをお届けするため、パッケージの利点を突き詰め、さらにコレクションする楽しみのために、我々としては本当に “最後の光ディスク” だと思って、かなり無理をして高画質な仕様にしています」。


ULTRA HD BLU-RAYの現段階での規格概要(変更される可能性あり)

ここまでの説明で気づいた人も多いと思うが、次世代BDではHEVCを採用したこと、著作権保護の仕様もアップデートされる予定のため、現行のBDプレーヤーで再生することはできない。その逆に、ULTRA HD BLU-RAY対応プレーヤーで現行のBD再生は行える。

現行BDプレーヤーとは互換性がないディスクになるため、現行のBDソフトももちろん販売を継続した上で、よりプレミアムな高画質ディスクとして提供されることになるわけだ。

ちなみに、ULTRA HD BLU-RAYの音声フォーマットは、基本的に変更なし。必須条件としてはこれまでのBDのものを踏襲している。またJAVAなどのメニュー関係についても現行BDのデータを利用することを想定しており、現行BDとULTRA HD BLU-RAYで、制作面の相互融通性を高めている。これは、ULTRA HD BLU-RAYのターゲットは、当初は最高画質を求めるニッチな層になると考えられ、制作側にとっても負担を抑えてリリースできるよう工夫したためだ。

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