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韓国2大メーカーが牽引

【CES】UIの革新競う各社スマートTV − 音声認識や指ジェスチャーも実用化

公開日 2013/01/18 12:55 折原一也
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■スマートTVのプラットフォームはサムスンの独走

スマートTVには、スマートフォンやタブレットのように、アプリを動作させるプラットフォームを搭載しているものが多い。このプラットフォームも様々で、各社が独自に作っていたり、GoogleTVのように共通プラットフォームとして用意されたものを採用したりなど、各社各様という状況だ。

サムスンは以前から独自プラットフォームを推し進めているが、今年取材したところ、「Samsung Apps」がグローバルで約2800本のアプリが利用可能で、唯一成功と呼べる水準にまで広がっている。

他のメーカーの動きを見ると、LGは自社のTV向けアプリが増えないことを理由にGoogleTVに再び力を入れ始めたようだ。

サムスンのテレビ用アプリ「Samsung Apps」は全世界で約2800本が公開されている

LGはGoogle TVのラインナップを7機種に拡大

また、HTML5ベースのスマートTVプラットフォームを開発・提供する「Smart TV Alliance」に東芝、LGらに続いてパナソニックらが参加し、メーカーを超えたアプリ互換性確保に向けた動きも加速してきている。特に北米市場では、VOD事業者各社がアプリを提供するなどアプリの増加はサービスの拡充に密接に結びついている。サービス事業者のアプリ開発負担を抑える狙いもあるわけだ。いずれにせよ、既に脱落気味のアプリプラットフォームも出ているだけに、来年に向けて何らかの再編の動きがあるかもしれない。

このほか、クラウドについての取り組みでも、やはり韓国勢が一歩リードしている。サムスン、LGはテレビ・スマホ共通のアカウントを作っており、韓国サムスンは一昨年から、LGは昨年からクラウドストレージを提供。IDとパスワードのアカウント設定のみで、写真や動画、音楽管理ができることが当たり前になりつつある。

サムスンは同社のテレビ、スマホ、デジカメなどにクラウドストレージを提供

LGもクラウド連携。他にも家庭内の機器同士はNFCで連携も可能としている

■日本とは様相が異なる北米のスマートTV事情

北米市場におけるスマートTVの人気ぶりは、今ひとつ盛り上がりに欠ける日本国内とは様相が異なる。北米ではNetflix社1社で、全米の全インターネットトラフィックの3割を占めるほどVODサービスが普及している。そのVODと相性が良いスマートTV機能が注目されているのだ。

強力にスマートTVを推進しているサムスン、LGは、北米の薄型テレビ販売シェアの半分近くを持っている。それだけに消費者の関心も、日本メーカーが提案する2スクリーンではなく、テレビそのものをスマート化するという両社の提案に向いているように思う。

VODなどのネットサービスは国ごとに展開状況が異なるため、仮に同じモデルが日本で発売されても同様の機能を利用できるとは考えにくいが、少なくとも北米における韓国2社のスマートTVは、機能や使い勝手も含め、先端を行っているということを改めて認識しておくべきだろう。

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