北米のテレビ事業が黒字化

シャープ、2Q業績を発表 − 液晶テレビ事業は9期連続黒字、大型化が奏効

ファイル・ウェブ編集部
2011年10月27日
シャープ(株)は、2011年度第2四半期の連結業績を発表した。

第1四半期との比較では、第2四半期は増収増益を達成。売上高は前期比105.3%の6,742億円だった。また営業利益は前期の35億円から300億円へと、8.5倍の利益を稼いだ。経常利益は前期の6億円の赤字から215億円の黒字へ転換するなど、大幅な業績回復を実現した。

本日東京都内で、同社代表取締役 兼 副社長執行役員の安達 俊雄氏が会見。安達氏は会見の中で、液晶事業の構造改革を行った成果が現れてきていることを特に強調した。

シャープ(株)代表取締役 兼 副社長執行役員の安達 俊雄氏

液晶構造改革は、亀山工場を核にしたモバイル液晶事業の強化と、60インチ超の大型液晶テレビ用、ノンTV用の大型液晶ディスプレイ事業強化が二本柱。この改革が進展した結果、液晶事業の黒字転換、液晶テレビ事業での黒字継続が実現できたとした。

特に液晶テレビ事業については「リーマンショック以来、9期連続の黒字継続が実現できている」と胸を張った。

第2四半期の、液晶テレビ事業の売上高は前期比101.7%となる1,569億円で、販売台数は109.1%の359万台だった。国内市場はアナログ放送停波後の販売減を補うため2〜3台目需要にシフトしたが、画面サイズの小型化を招いて単価が下落した。

それを補ったのが北米での液晶テレビ事業で、70V型などの大型モデルを投入した結果、「60型以上の大型テレビの販売構成比が6割になり、売上も4割増えた」(安達氏)という。これにより北米の液晶テレビ事業が黒字転換した。

安達氏は「もともと日本や新興国は黒字だが、今回北米が黒字転換したので、欧州地域のみが赤字ということになった」とした。

下半期の液晶テレビ事業は、国内では軽量、薄型、ワイヤレス技術で新たな試聴スタイルを実現する「フリースタイルAQUOS」に注力。北米市場では新たに80V型のモデルを投入するなど、さらなる大型化を進めていくという。

液晶デバイス事業も、スマートフォン向けを中心にして堅調に推移した。売上高は前期の1,880億円から2,218億円へ大幅増。営業利益も前期の46億円の赤字から117億円の黒字へと、大幅な増益を達成した。

すでに発表されている通り、亀山工場は徐々に中小型液晶へラインをシフトさせていき、11月にはIGZO液晶のラインを投入する。また堺工場では大型テレビ用やノンTV用の生産を増やしていく考えで「世界で唯一のG10工場の特徴を活かす」と安達氏は説明。堺工場における60型以上の生産比率は、すでに半分以上になっているという。

部門別で見ると、AV・通信機器のうち液晶テレビ事業は前述の通り好調だったが、「携帯電話事業が前期に比べ不振だった」と安達氏は説明。携帯電話事業の売上高は前期比86.6%の801億円で、販売台数は前期比95.4%の200万台となった。今後は液晶テレビ“AQUOS"との連携機能や高画質と低消費電力の両立などにより「国内シェアトップを今後も堅持する」とした。

このためAV・通信機器部門の売上高は前期比95.2%の2,832億円と減収となった。ただし利益は前期の75億円から微増となる77億円を確保した。

特筆すべきところでは、CMOSデバイスの好調により、報告書で「その他電子デバイス」に分類されるセグメントが伸長。売上高は455億円から698億円へとなり、営業利益は79億円の赤字から124億円の黒字へ大幅に増えた。

一方で太陽電池事業は苦戦。売上高は前期比増の592億円となったが、赤字額は前期の37億円からさらに拡大して47億円となった。

そのほか安達氏はタイの洪水の影響についても言及。「当社はタイに2つの工場を持っているが、その2工場はどちらも稼働を続けている。ただし今後はウェスタンデジタルのHDDなど、部品供給が11月以降、隘路になる可能性がある。そのため代替品への転換などを急ピッチで進めている」と述べた。

なお2011年度通期の連結業績見通しについては、「長引く円高や、タイの洪水での物流被害なども予想される」(安達氏)とし、売上高は6月3日に公表した予想の3兆500億円から2兆8,000億円へ、営業利益は同970億円から850億円へそれぞれ下方修正。ただし経常利益と純利益の予想は据え置き、それぞれ670億円、60億円と予想している。

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