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3G用の料金プランも発表

ソニー、Wi-Fi/ピンチ操作対応の新“Reader”を発売 − 3G対応機も用意【情報追加】

公開日 2011/09/29 11:03 ファイル・ウェブ編集部
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「Reader Storeプラン」は、Reader Storeのみにしか接続できないものの月額料金などが不要なプラン。2年目以降から年額1,050円(税込)の利用料が必要だが、初年度に1冊以上の書籍購入で2年目も無料で利用できる。なお、どちらのプランにおいてもauパケット通信費は利用料に含まれている。

3G回線の申し込みはユーザー自身がパソコンから行う方式で、ReaderをパソコンにUSB接続すると転送ソフト「eBook Transfer」が起動。メニューから「3G回線に申し込む」をクリックし、案内にしたがって手続きを行う。なお、申し込みに当たってはMy Sony IDとクレジットカード番号が必要。未成年者は申し込みできない。

■Reader Storeは新レコメンド技術を装備 − “Sony Tablet”からも利用可能

前述のように電子書籍販売サイト「Reader Store」は、従来のPC版に加えてReader端末版も新たに開設。PC版では特集企画などより多様なコンテンツを閲覧できる一方、端末版ではより手軽に書籍を買えるようにした。

また、新たに独自の推薦技術「voyAgent(ボヤジェント)」を搭載。ユーザーが購入した本のタイトルや著者、書誌情報などをもとにしてのレコメンド、および自分の購買傾向に似ているユーザーの購買行動をもとにレコメンドを行う。同機能においては、将来的には検索回数なども考慮して精度を向上させる予定もあるという。

独自の推薦技術「voyAgent(ボヤジェント)」を搭載

また、本のレコメンド機能においては上記voyAgentによるものに加えて、Reader Storeによるオススメも実施。端末版Reader Storeにオススメ書籍の表示スペースも設ける。

なお、Reader Storeは“Sony Tablet”からの利用にも対応。購入した書籍はReaderとSony Tabletの両方にダウンロードすることができる。

■発表会レポート:電子書籍端末は伸びしろのある市場

ソニーは本日都内で発表会を開催。同社デジタルリーディング事業部 事業部長の野口不二夫氏が、電子書籍事業について説明を行った。


ソニー 野口不二夫氏
「電子書籍を音楽、ビデオ、ゲームに続く第4のエンターテイメントとして育てていきたい」と語る野口氏。現在同社は全世界19カ国でReaderを販売しており、このたびReader Storeのサービスがイギリス、ドイツ、フランス、スペインなどの欧州でもスタートする。

「昨年12月にReaderをリリースして以来とても好評をいただいており、一時製品が足りなくなったほど。現在はReader Storeに約2.8万タイトルのコンテンツを用意しており、先日発表した“Sony Tablet”でもReader Storeを利用できるようになる。今後のタブレット、そしてe-Readerはこれからどうなっていくのか?と多くの方が気になっていると思うが、アメリカでの調査によればタブレットの普及率は8%、e-Readerの普及率は12%とまだまだ低い。しかし成長率は高く、市場の伸びしろがあると考えている」と、Readerの可能性を語る野口氏。

普及率はまだ高くないが、伸びしろは大きいと見ているとのこと

「電子書籍は気分に合わせて本を併読できるのがポイント。この度発売される『PRS-G1』『PRS-T1』は薄型軽量で持ち運びやすく、3G回線やWiFiにも対応しReader Storeから直接コンテンツを購入することもできる。31にのぼる豊富な”お試し版”をプリインストールしており、うち16タイトルは電子書籍で先行販売されるもの。まずはこの”お試し版”を体験していただき、良かったと思ったらReader Storeで購入してみて欲しい」と語った。

お試し版としてプリインストールされるタイトル。こちらは既に発売中のもの

これから配信予定の新規コンテンツもプリインストール

さらに、電子書籍で先行販売される16タイトルも。


お試し版からは、購入ページへすぐ飛べるリンクが用意されている
続いてソニーマーケティング(株)執行役員の松原昭博氏が、国内マーケティング戦略について説明した。


ソニーマーケティング(株) 松原昭博氏
同社の調査によると、Readerは一般層よりも本を良く読む層から支持されており、Reader Storeで売れている本もバラエティに富んでいるとのこと。松原氏は「本好きの方々に、ハードとブックストアを融合させた新しい使い方を提供するのが、新製品の『PRS-G1』『PRS-T1』。PCレスでReaderから直接コンテンツを買うこともできるし、ユーザーの好みにマッチしたものをオススメする機能『VoyAgent』や、新刊情報メルマガなどで、新しい気付きを得てもらうことも可能だ」と話す。

Readerの購入者は一般層よりも読書率が高い

Reader Storeでの9月売れ筋ランキング

「また、今回のモデルは3G回線対応になったこともポイント。KDDIとのコラボにより、最大2年間3G回線使用料が無料になるなど、気軽に使っていただけるようになった」と言う松原氏。ゲストとして登壇したKDDI(株)商品統括本部長 兼 コンバージェンス推進本部長 執行役員の牧 俊夫氏も「通信機能付きデバイスは右肩上がりに増加しており、ゲームやPC、タブレット、電子書籍端末などは今後約2億3,000万台程度まで増えるのではと予測している。単純に通信回線を提供するだけではなく、デバイスやサービスを提供する企業と合同で、ユーザーのためになる環境を構築するビジネスモデルが重要。最大2年間無料、通信契約もReader Storeの登録と一緒に申し込めるなど、画期的なモデルだと考えている。いつでもどこでもつながる価値を提供できれば」とコメントを寄せた。

KDDI 牧 俊夫氏

ユーザーのためになる環境を構築するビジネスモデル構築が大切と語った

宣伝ビジュアルには「二宮金次郎」を採用。「電子書籍は日本でまだ馴染みの浅いもの。”読書”というキーワードで、誰でも思い浮かべられるアイコンは何か?と考えた応えが二宮金次郎だった」という。

Readerのビジュアル。シンプルながらインパクトが高い




紀伊國屋書店ともコラボし、電子書籍コーナーを設けてReaderを展示するほか、10月20日には新宿店にて「PRS-T1」のデビューイベントを開催する予定だという。

紀伊國屋書店の電子書籍コーナーにReaderを展示。イベントも行う

また、今後はタブレットとReaderの住み分けについても周知を深める活動をするとのこと。「タブレットとReaderってどう違うの?とよく尋ねられる。Readerは軽くてバッテリーの保ちが良く、反射発光式ディスプレイなので目に優しく長時間でも読みやすい電子書籍用の端末。一方タブレットは、一台でさまざまな用途に使える多機能な端末となっている」(松原氏)

以下、発表会で執り行われた質疑応答の主な内容を掲載する。

Q. 3G対応モデルが日本でのみの展開なのはなぜか?
A. アメリカでも3G+Wi-Fiモデルは既に発売している。今回日本で3G対応端末を発売したのは、要望があったことは勿論だが、KDDIとコラボできたことが大きい。今後日本向け3G対応端末で培った技術を海外向け製品にも活かしていきたい。

Q. Amazonが199ドルの7インチタブレット「Kindle Fire」を発表した。これがもし日本市場に参入してきた場合、Readerの価格戦略についてどう考えているか。
A. アメリカ版ReaderのWi-Fiモデルは売価149ドル。「Kindle Fire」は199ドル。Readerは辞書が入ったりなどといった付加機能があり、競争力はあると思う。Kindleの広告モデルなど新しいビジネスモデルについては今後参考にしていきたいと考えている。

Q. KindleやAmazonと比べたソニー端末の魅力、コンテンツ販売サービスの魅力は?
A. 端末については、使って頂ければ魅力が伝わるものと思っている。コンテンツについては、よりグローバルなコンテンツ展開をすることで様々な質・量・文化を伝え、よりよいサービス、よりよいサポートを提供していきたい。

Q. Reader国内普及に向けた課題は何か。アメリカではベストセラーの大幅な値引き販売が訴求のポイントになったと聞くが。
A. アメリカは現在新作の95%超が揃っている環境にあるが、最初の年はそうではなかった。市場が大きくなるとともに率が上がっていった感じだ。日本はプロジェクトがスタートしてからまだ10ヶ月。今回素晴らしいラインナップのお試し版を用意することができたし、コンテンツを作る側の出版社の方々が実際にReaderを触ってくださり、魅力を知って頂くことができたと思うので、ここからコンテンツ増加の動きが加速するのではないかと予想している。デバイスをまたいだり連動したりといった環境がどんどん整っていけば、コンテンツの量も増えていくと思う。

Q. EPub3.0への対応はいつ頃、どのように行われるのか。
A. Readerは書籍ものに関しては準備を進めているが、まだ品質レベルなどを検証している段階。年末もしくは年明けくらいを狙ってやっている。詳しく決まり次第改めて発表したい。また、アップデートについては無償で行う予定だ。

Q. Kindleとの価格競争に勝つための具体的な施策を行っていないように感じるのだが。
A. Readerは当初からタッチパネルを採用するなど、Kindleと比べた際の強みはあると思っている。いまはソニーの強みのなかでこの端末やコンテンツをどうアピールするかを考えている。Amazonと同じものを追いかけるつもりはない。ソニーはソニーらしさを出せるものを作るつもりだ。

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製品スペックやデータを見る
  • ジャンルその他
  • ブランドSONY
  • 型番PRS-G1
  • 発売日2011年11月25日
  • 価格¥OPEN(予想実売価格26,000円前後)
【SPEC】●ディスプレイ:6型電子ペーパー 600×800ドット 16階調グレースケール ●内蔵メモリー:2GB ●通信規格:Wi-Fi、3G ●インターフェース:メモリースティックPro Duo、SDメモリーカードスロット、ヘッドホンジャック、マイクロUSB ●外形寸法:約110W×173H×9.4Dmm ●質量:約185g
  • ジャンルその他
  • ブランドSONY
  • 型番PRS-T1
  • 発売日2011年10月20日
  • 価格¥OPEN(予想実売価格20,000円前後)
【SPEC】●ディスプレイ:6型電子ペーパー 600×800ドット 16階調グレースケール ●内蔵メモリー:2GB ●通信規格:Wi-Fi ●インターフェース:メモリースティックPro Duo、SDメモリーカードスロット、ヘッドホンジャック、マイクロUSB ●外形寸法:約110W×173H×8.9Dmm ●質量:約168g