「国内ユーザーのこだわりに合わせた製品に」

<IFA>東芝“REGZA”開発者に直撃 − 日本の「4K/グラスレス3D」モデルはどうなる?

ファイル・ウェブ編集部
2011年09月03日
東芝が今年のIFAで発表した、世界初の4K2K/裸眼3Dに対応した55V型“REGZA”の展示は、9月2日から一般公開が始まったブースでも大きな注目を集めている。

東芝ブースに展示された「55ZL2」

グラスレス3Dのデモシアターにできる長蛇の列

今回はIFAの会場で、“REGZA”シリーズの画質評価を担当する(株)東芝 デジタルプロダクツ&サービス社の松尾多喜男氏、商品企画担当の本村裕史氏に、日本国内における「4K2K/グラスレス3D」モデルの展開について聞いた。

インタビューはライターの折原一也氏、ならびに当編集部が行っている。

ー 今回ヨーロッパモデルとして発表された「4K2K/グラスレス3D」に相当するREGZAが国内で発売される時期について、もう一度確認させて下さい。

本村氏:日本国内では「2011年度内」の商品化を検討しています。ベーシックな部分での「4K2K/グラスレス3D対応」機能は、今回ヨーロッパモデルとして発表したモデル(関連ニュース)と同じとなりますが、その他の機能や仕様については、各地域のユーザーの方々にご満足いただけるようにします。日本では日本のユーザーニーズに合わせて仕上げていくつもりです。

(株)東芝 デジタルプロダクツ&サービス社 デジタルプロダクツ&サービス第一事業部 国内企画・マーケティング部 参事 本村裕史氏

ー 映像エンジンの仕様はどうなりますか。

本村氏:デバイスそのものはマイナーアップデートを常にやっていますので、今回もアップデートは検討しています。ヨーロッパで言う「CEVO ENGINE」、日本でこれに相当する「レグザエンジン CEVO」はプラットフォームの名前ですので、周辺のLSIに4K2K、グラスレス3Dのデバイスが追加されます。そういう意味ではZG2やZ2とまったく同じ基板ではないと言えます。ただ、コア・アーキテクチャの部分は一緒になります。

ー 映像エンジンのコアプロセッサの数はいくつになりますか。

松尾氏:2基のデュアルコアプロセッサを搭載した「レグザエンジン CEVO Duo」相当のものになる予定です。4Kの映像を扱うことになりますので、当然エンジンの側でやるべきことも増えてきます。そういった点で改良を加えていくことになると考えています。

(株)東芝 デジタルプロダクツ&サービス社 設計開発センター デジタルプロダクツ&サービス設計第5部 第2担当主査 松尾多喜男氏

ー 松尾さんは4Kテレビの画質評価をご担当されているとのことですが、各地域のユーザーごとに画質へのこだわりは違うものですか。

松尾氏:ええ、違います。特にドイツは「測定数値」を非常にこだわる人々だったことにはとても驚かされました。そのドイツのオーディオビジュアル誌で、東芝の「ZL1」というCEVO ENGINEを搭載したモデルは、他社製品を含むテストで最高得点を獲得しました。

ー 今回、ヨーロッパではテレビのほかにタブレット、PCの新製品を発表し、それぞれのデバイス間の連携についてもクラウド型サービスの「Toshiba Places」によるネットワークコンテンツの連携モデルを紹介しました。日本では今後、こういった機器間連携やクラウドサービス、いわゆる“REGZAワールド”の展開はどうなっていくでしょうか。

本村氏:まだ詳しいことは申し上げられませんが、テレビのREGZAと、REGZAタブレットの関係はより親密なものにして、そこにREGZAブルーレイの連携も図っていくようなことをイメージしています。そこはエネルギーマネージメントやヘルスマネージメントなども含めて、総合的に取り組んでいく考えです。

ー ヨーロッパモデルのグラスレス3Dはレンチキュラーシート方式を採用することが発表されましたが、2D映像を表示する際、どのようにこれを制御するのでしょうか。

松尾氏:パネルに搭載したレンチキュラーシートを電気的に制御してアクティブにON/OFFします。ONの際は9視差の裸眼3D映像を表示して、OFFの際には2Dの4K高精細映像を表示する仕組みです。

本村氏:4K2Kの時代になったら、松尾たち画づくりの技術陣はまた今度から忙しくなりますよ(笑)。フルHDの頃から比べて、4Kパネルが入ったらエンジンや回路側でやるべきことがたくさん増えてきますし、「高画質」の思想も変わってくるはずですから。これはいままでの進化よりも大変なことになると思っています。

松尾氏:単純にエンジンがダブルになるだけでも、2倍調整が必要になります(笑)。

4K2K超解像技術の解説

本村氏:私たちも今回のイベント用に4Kコンテンツを撮影しましたが、やっぱりフルHDの映像を撮るのと、4Kのカメラで4Kに適した映像を撮るのとでは、カメラのアングルも違うし、引きや寄りのカメラワークも変わってきます。これは大きく違って来るという実感がありました。

ー バックライトの仕様はどうなりますか。

本村氏:今回ヨーロッパ向けに発表したZL2シリーズはエッジライトになります。

ー 4K2K超解像処理はどのように進化するのでしょうか。

松尾氏:基本的には従来の「再構成型超解像技術」「自己合同性型超解像技術」「3次元フレーム超解像技術」「色超解像技術」になりますが、4Kの場合は今までのフルHDのものとは少し変わります。

本村氏:4Kの映像は、フルHDのタテ・ヨコ2倍になるので、ピクセル的にはハマリが良く、デジタル処理で映像復元をしようとする際に、アルゴリズムがフィットしやすいと考えています。

松尾氏:元映像が良い、つまりカメラで撮った映像のクオリティが高いと、映像を超解像技術で復元した際に大きな差がでることもわかりました。

本村氏:日々開発の現場で4K映像を目の当たりにしていると、「次は必ず4Kの時代が来る」という実感が日増しに高まってきています。最近では「タイムシフトマシン」をつくっていた時に、これは絶対に来るだろうと思いました。その時以来ですが、4K2Kには大きな手応えを感じています。ぜひご期待いただければと思います。

ー ありがとうございました。

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