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ゲームやアニメ用の機能も満載

東芝、小型のプレミアム“REGZA"「ZP2」− ゲーム/アニメ向け機能が充実、パッシブ3Dにも初対応

公開日 2011/04/20 16:10 ファイル・ウェブ編集部
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(株)東芝は、32V/26V型の小型サイズながら、高画質技術をふんだんに盛り込んだ液晶テレビ“REGZA” ZP2シリーズを6月上旬から発売する。

32V型の「32ZP2」と26V型の「26ZP2」の2機種。価格はいずれもオープンだが、32ZP2は15万円前後、26ZP2は13万円前後での販売が予想される。

「32ZP2」

「26ZP2」

ZP2は、“プレミアムパーソナル”を謳う新シリーズ。「現代のマスモニ」を意識して開発したという。ZPの「P」は「パーソナル」を表している。

同社の本村氏は「小型で高画質なREGZAを作って欲しいというご要望を以前から頂いてきた」とコメント。「ずっと作りたいと思っていたが、その夢を数年越しに叶えられた」と述べている。

32V型、26V型ともに1,920×1,080のIPS液晶パネルを採用。バックライトはエッジ型LEDで、画面の左右に配置。32V型は10分割のエリアコントロールにも対応している。地上/BS/110度CSデジタルチューナーは2基搭載している。

横から見たところ

映像エンジンには「レグザエンジンCEVO」を搭載。Z2と同じもので、40nmプロセスルールを採用したデュアルコアプロセッサを採用。回路の微細化を図り、2次キャッシュも搭載している。

メインLSIの内部には2つのCPU、高画質化回路、メモリーなどを構成した3種類のチップを積層したウェハー構造を採用。高い処理性能が、超解像技術をはじめとした高画質化技術だけでなく、高速表示できる3D風のGUI「レグザメニュー」やネットワーク機能強化などにも活用されている。

複数枚フレームを参照する超解像技術「レゾリューションプラス6」を採用。表示フレームを基準に、前2フレーム、後1フレームの映像も参照。複数枚フレームの差分を検出し、それをもとにした超解像処理を行うことで、精細感を大きく高めている。

複数枚フレームを参照する超解像技術「レゾリューションプラス6」を採用

なおZP2では、3D映像に対してもこの複数枚超解像を適用することが可能となっている。

■フルHD IPSパネルを搭載。32V型はハイコントラストモデル

液晶パネルは、前述したとおり32V型、26V型ともにIPSパネルを採用しているが、32V型については世代の新しいパネルを採用。RGBの液晶分子の配向のズレを抑え、光漏れする分子の数量を低減させることで、引き締まった黒を実現する「ハイコントラスト液晶」を採用している。

32V型は光漏れする分子の数量を低減させた「ハイコントラスト液晶」を採用

パネルの駆動速度は、32V型は120Hzの倍速。また32V型はフレーム補間に加え、フレームを5分割でバックライト制御し、黒ラインを順次挿入することで動画解像度を高める機能も搭載。「アクティブ スキャン 240」として採用している。

導光板も、新開発のスリット状のものを採用。エッジバックライトの光を、拡散を抑えながら画面の中央まで届けることができ、これもスキャニングの精度向上に寄与しているという。

なお、ZG2シリーズに搭載された3Dフレーム補間技術は、本シリーズには採用されていない。

色再現性については、CELL REGZAなどでも採用された、「色の超解像技術」を採用。デジタル放送などで「4:2:0」フォーマットで送られてくる映像を、元映像の「4:4:4」に復元。これにより、豊かな色彩描写が可能になったほか、精細度も向上し、輪郭部の描写性能が高まるという。この色の超解像技術は、デジタル放送、DLNA経由の映像視聴、外部入力の映像視聴に対して適用できる。なお外部入力は480i/p映像に限定される。

また32ZP2では、LEDバックライト専用のカラーフィルターを採用。さらにLED光源に新開発の蛍光体を使用するなどの工夫も行い、HDTVの色空間標準規格「ITU-R BT.709」比で99%の色再現性を実現した。

■パッシブ型の3D表示に対応

ZP2シリーズは、国内のテレビとして初めて、パッシブ型の3D表示に対応した点も特徴だ。

パッシブ型3Dは多くの映画館で採用されている方式と同じもので、パッシブ型の3Dメガネを利用する。

付属の“レグザシアターグラス”「FPT-P200」

メガネの装着例

パッシブ型では、画面内の奇数ラインと偶数ラインに、左眼用と右眼用の映像を割り当て、液晶パネル表面のフィルターで水平ラインごとに逆方向の円偏光をかける。それを3Dメガネに貼った偏光フィルターで元に戻し、左眼と右眼に別々の映像を見せ、立体視を可能にする。このため、3D映像の垂直方向の解像度は半分に落ちる。

パッシブ型3Dの表示イメージ。垂直解像度は半分に落ちる

東芝が主張するパッシブ型のメリット

これに対して、ZP2と同時に発表されたREGZA“ZG2"は、左眼用/右眼用の映像を、時間軸上で高速に切り替えて表示する、いわゆるフレームシーケンシャル方式を採用。アクティブ型の3Dメガネを使って立体視を得る。このため解像度が落ちず、フルHD 3Dを実現できる。

3D映像の解像度ではアクティブ型に軍配が上がるが、反面、クロストークの少なさやフリッカーの少なさなどではパッシブ型の方が有利で、長時間の視聴でも疲れにくい。またパッシブ型3Dメガネは電池が不要で、軽量であることも特徴。ZP2シリーズには“レグザシアターグラス”「FPT-P200」が1個同梱されており、質量は約20gとなっている。

■画面表示の遅延を抑えゲームプレイがさらに快適に

画面表示の遅延を抑えたのもZP2シリーズの大きな特徴だ。

2D映像では、32ZP2は約0.7フレーム/約12msの遅延を実現。Z1シリーズでは約1.2フレームの遅延があったが、これを半分近くにまで抑えた。26ZP2ではさらに表示までの遅延を抑え、約0.2フレーム/約3msという数値を実現した。メモリ制御技術の「FIFO(First In First OUt)」を応用した技術により、大幅な高速化が可能になったという。

3D映像についても低遅延化を実現。32ZP2は約2.3フレーム/約38ms、26ZP2は約1.5フレーム/約25ms(ともに理論値)。再構成型の超解像技術による映像処理を行いながら、遅延時間を短縮した。同社では「3Dゲーム・ターボ」として、低遅延性能を訴求していく。

3Dゲームの表示遅延を抑えた「3Dゲーム・ターボ」

PSPやWiiを接続したときの画面ズーム機能も向上した

映像モードには「自動ゲームモード」も設定可能。PS3などで、ゲームのHDMI出力をRGBに設定しておくと、それを検知。PS3の場合はゲームモードに自動で切り替え、BD/DVDの再生時には好みの映像モードを設定するという使い方ができる。

「オートポータブルズーム」も利用可能

アニメコンテンツの映像を高精細に表示するための技術

またZP2では、HDMIプログレッシブ入力の、ドット・バイ・ドット表示時には、リアル12ビット 4:4:4キャプチャーを採用。階調性とディテールが高い映像でゲームプレイを行える。この機能はZG2には搭載されていない。

PSPを接続したときの利便性も向上。D2(480P)入力時に「オートポータブルズーム」が設定できるようになった。PSPのゲームの、480×272映像を自動検出。メニュー画面などは通常のフル画面で、ゲーム時はズーム画面で全画面よりややや小さく表示するという切り替えを、自動で行ってくれる。

「オートポータブルズーム」でPSPのメニュー画面を表示したところ。全画面で表示されている

同モードでゲーム画面に入ると、全画面よりややや小さく表示され、解像感が高まる

なおD2入力時には、自己合同性型の超解像処理や色の超解像処理を行うことで、ジャギーの低減と色の解像度の向上を両立。また、Wiiなど480pの映像をD2入力する場合は、「SDゲームファイン」が便利。スケーリング処理を行わないため、画面は小さくなるが高画質な映像でゲームを楽しむことができる。

■アニメ映像の高画質化もさらに進化した

アニメ映像の高画質化にも取り組んだ。平坦部やグラデーション部に対する再構成型の超解像処理をキャンセル。代わりに輝度や色信号の階調クリエーションを行うことで、顔の輪郭線周辺に現れやすいモスキートノイズや、平坦部で出やすいバンディングなどの各種ノイズを抑制する。

さらに4対3映像に対しては、ベースバンドCOMB処理を適用。これにより、昔のアニメに多い、ドット妨害やクロスカラー、ランダムノイズを抑制している。

また映像モードには、新「アニメモード」を採用。同モード時には、微少信号には超解像処理を行わず、また平坦部検出をアニメに最適化。さらに、水平・垂直に対応したシュートレスLTI(ルミナンス・トランジェント・インプルーバー)、CTI(カラー・トランジェント・インプルーバー)を適用。映像の明瞭度を高められほか、色と色の境界線をくっきりと際立たせ、アニメ画質に適したクリアな映像を実現するという。

そのほか、細かな工夫も盛り込んでいる。「おまかせ」モード時では従来、24p映像の場合は一律にフィルムに適した設定が行われていたが、新シリーズではEPG情報がアニメの場合、24p映像でもビデオ素材に準じた画質設定を適用する。

「おまかせモード」では、アニメ放送の映像を表示する際、EPGのジャンル情報がアニメだった場合は、自動でアニメ視聴に最適な画質調整を行う

また、アニメの原画解像度に最適化した処理を行うことも可能。「原画解像度」設定で、アニメ映像の原画解像度を1,280×720や960×540などに設定できる。さらに、「プログレッシブ処理」によって、フレームレートを24p処理や30p処理に設定することで、より正確なプルダウン処理が可能になり、動きに伴うジャギーやコーミングを抑制できる。

■USB-HDDへの録画やLAN経由の「ぴったりダビング」も可能に

外付けUSB-HDDへの録画機能も搭載。デジタルチューナーを2基搭載し、2番組同時録画が可能。ただし2番組同時録画中は、デジタル放送のチャンネルを変えることはできない「おでかけW録」仕様となる。なお、同時録画している2つの番組に対し、自動でチャプター分割する「Wマジックチャプター」にも対応している。

さらにインターネットを活用した「おすすめサービス」にも対応。対応する東芝製品から、録画状況を集計したランキングデータを表示。地上/BSデジタルの録画状況を人気順に表示する「地デジ/BSランキング」、i.NETサーバーがピックアップしたおすすめの番組を表示する「特集」が利用できる。

録画した番組は、LANで接続したレグザブルーレイやdynabook、QOSMIOにダビングすることが可能。さらに、本日発表されたレグザブルーレイの新機種、RD-BZ810/BZ710/BR610と接続した際は、ディスク容量いっぱいを使うように圧縮することで高画質記録が可能な「ぴったりダビング」も利用できる。

ディスク容量いっぱいを使うように圧縮する「ぴったりダビング」も利用できる

ぴったりダビングの画面表示イメージ

なお本機は、HEC(HDMI Ethernet Channel)にも対応。対応するレグザブルーレイと対応HDMIケーブルで接続すると、LANケーブルを別途配線しなくても、ケーブル1本でダビングが行える。

■高速表示のEPG/GUIを採用

EPGは「高速レグザ番組表」。リモコンの「番組表」ボタンを押すと即座に表示可能。従来のZG1では約1.8秒必要だったが、これを大幅に高速化した。また動作レスポンスも大幅に改善している。

GUIは3Dアニメーションを採用した「レグザメニュー」で、直感的な操作が可能。ボタン操作への追随速度も高めている。

GUIは3Dアニメーションを採用した「レグザメニュー」

本機のリモコン

■スマホやVOD、DLNAなどネット機能も充実

ネットワーク機能では、スマートフォン向けアプリとの連携機能「レグザAppsコネクト」に対応。iOS/Andoid向けのアプリ「RZタグラー」「RZコマンダー」を利用し、スマートフォンでZP2シリーズを操作できるほか、タグリストとの連携も可能となっている。

VOD/IPTV機能では、新たにYouTubeの再生に対応。YouTube XLの再生が可能となっている。

また従来から対応している、アクトビラやひかりTV、TSUTAYA TV、T's TVなども利用できるほか、テレビ向けのYahoo!JAPANも閲覧できる。

またDLNAにも対応しており、NASやPC内の動画や写真、音楽などをネットワーク経由で再生できる。

■3つの転倒防止機能を装備

なお本機は、卓上スタンド後部に3つの転倒防止機能を装備。「転倒防止ネジ穴」では、木ネジを使って、スタンドを設置面に直接固定できる。また「転倒防止バンド」も利用でき、設置する台の背面に木ネジで固定が可能。さらに、卓上スタンド背面に、フックを2箇所装備。丈夫なひもで壁や柱に固定でき、テレビ台ごと転倒することを防止できる。

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  • ジャンル液晶テレビ(ディスプレイ)
  • ブランドTOSHIBA
  • 型番32ZP2
  • 発売日2011年6月上旬
  • 価格¥OPEN(予想実売価格15万円前後)
  • ジャンル液晶テレビ(ディスプレイ)
  • ブランドTOSHIBA
  • 型番26ZP2
  • 発売日2011年6月上旬
  • 価格¥OPEN(予想実売価格130,000円前後)