<CEATEC2008:パナソニック>“未来のAV生活”を体験できる3つのコンセプトゾーンに注目

2008年09月30日
あす10月1日から社名を変更し、新たなスタートを切るパナソニック。同社ブースでは、“未来のパナソニック”を様々な趣向で展示し、AV機器から白物家電まで、あらゆる家電製品を持つ同社の強みを訴求している。

■2009年発売をめざすNeo PDP

ブースの外に展示され、来場者の注目を集めていたのは、150インチの4K2Kプラズマディスプレイ。今年1月のInternational CESで披露されたモデルだが、国内で実物を見られる数少ない機会だけあって、多くの来場者が足を止めていた。また、その隣には厚さ24.7mmのプラズマディスプレイも置かれ、50/58/65V型モデルが展示されている。これらの新PDPは、いずれも2009年の発売を予定している。

世界最大の150V型プラズマディスプレー

厚さ24.7mmのプラズマディスプレー


右が発光効率2倍のPDP
またブースの中では、発光効率を2倍に高めた新PDPについてもデモを行っている。蛍光体などに新材料を使用したほか、放電ガスやセル構造についても工夫を行い、また回路や駆動技術についても新技術を導入することで、発光効率の向上を実現した。

デモ機では、発光効率を上げた分が輝度アップに振り向けられていたが、「店頭でプラズマが暗い、と言われることが多いので、デモ機では輝度を上げているが、一方でエコ意識の高まりもある。リビングで見る分にはいまの輝度で問題ないと考えいるので、輝度をそのままにして、消費電力を下げるという選択肢も考えられる」(同社説明員)とのこと。

ディスプレイ関連では、103インチのプラズマを使った3Dシアターも用意されているが、こちらは容易に整理券をゲットできないほどの人気ぶり。体験したい方は早めに整理券を手に入れることをおすすめする。この3Dシアターについては、別項でレポートする予定だ。

3Dシアターは常に黒山の人だかり

■“未来のパナソニック”が見られる3つのコンセプトゾーン

また、同社ブースの今年の特徴は、3つに分かれたコンセプトゾーンを展開していること。「コンセプトゾーン1」では、3〜5年先のリビングルームを想定し、進化したAV機器の使い方や、照明などAV機器以外の家電との連携機能についてアピールしている。


「ネオ・ビエラリンクの世界」をアピール
「コンセプトゾーン2」は3〜5年後を想定した「ネオ・ビエラリンクの世界」がキーワード。リビングのビエラがこれまでのカメラやレコーダー、ドアホンなどだけでなく、洗濯機や冷蔵庫、電子レンジ、エアコンなどと連携し、モニタリングできる機能をアピール。さらに、キッチンやバスルーム、ベッドルームなど家庭内の様々な場所に置かれたビエラとも連動し、たとえば「キッチンのビエラ」では生活家電からのお知らせ表示機能などを用意する計画だ。

それだけではない。家庭外にもビエラワールドは広がっていく。「クルマのビエラ」では、外出時には戸締まりを自動でチェックするほか、帰宅の時間にあわせて様々な機器を遠隔操作することをイメージしている。また「ケータイのビエラ」では、家の中で見ていた映像の続きを持ち出して屋外で視聴したり、外出先から自宅のネットワークカメラをモニタリングしたり、などという使い方を想定している。

北米などではホームオートメーションが盛んだが、今回提示された「ネオ・ビエラリンクの世界」は、これを日本流にアレンジし、白物家電までやモバイル機器、車載機器までを包含した、さらにスケールの大きなネットワーク機能になりそうだ。


ライフウォールのデモも非常に盛況
コンセプトゾーンの3つめは、今年1月のCESでのAVCネットワークス社 社長 坂本俊弘氏のキーノートスピーチで話題となった「ライフウォール」を紹介。こちらは2015年以降の実用化を目指している。ライフウォールという言葉の通り、壁全体がディスプレイとなっており、ジェスチャーで様々な操作が可能となっている。たとえば壁紙を変えたり、ドアを付けたり、といった模様替えも非常にかんたんな動作で、直感的に行える。

「You-Know-Me-TV」という機能では、画面の前に立つと家族一人一人を認識し、それぞれに合わせたコンテンツをリコメンドする。また、人の動きを検知し、画面サイズや位置を自動調整する「Stay-with-Me-TV」という機能もデモされた。

■実用間近のWireless HD技術をデモ

映像/音声伝送をワイヤレスで行う「Wireless HD」についても大きなスペースが割かれ、デモを交えて技術の優位性をアピールしていた。Wireless HDは、Wireless HDコンソーシアムで規格策定などを行っている技術で、無線伝送には60GHz帯のミリ波が使用される。

「Wireless HD」のデモ風景

すでに送受信デバイスが公開されていた

ミリ波を使用していることから伝送スピードが速く、物理速度4Gbpsで伝送が行えるため、フルHDの非圧縮伝送を無遅延で行えるのはもちろん、5.1chサラウンド音声もリニアPCMで伝送できる。また、2.4GHz/5GHz帯と干渉して画像や音声が途切れる心配もない。伝送範囲は約10m。

「Wireless HD」に対応したBDレコーダーや薄型テレビのチューナー部

Wireless HD対応テレビ試作機

ただし、ミリ波は指向性が強いので、あいだに障害物があると安定した送受信が行えない可能性がある。このため、「ビームステアリング技術」によって障害物を自動検出して回避し、瞬時に別の経路に切り替えるという仕組みが採用されている。同社では、この技術を「VIERA Linkの発展形」と位置づけ、2009年に商品化する予定だ。

■アメリカで開発した画期的なUI「イージージェスチャーリモコン」

ユーザーインターフェースを進化させる技術展示も多数展示されていた。実用化が近そうなのは「イージータッチリモコン」で、残念ながら触らせてはもらえなかったが、リモコン自体もGUIも非常に完成度が高く、早期の商品化を期待したい技術だ。

「イージータッチリモコン」

カラーバリエーションも用意

イージータッチリモコンは、上下にクリッカブルなタッチパッドが設けられており、そのあいだにはいくつかの物理的なボタンが配置されている。タッチパッドをなぞると画面上に半透明のリモコンが表示され、チャンネルボタンを押し、決定ボタンを押すことで選局が可能。「常に画面上にリモコンが表示されると煩わしさを感じるユーザーもいるかもしれないので、タッチパネルの上に数字キーのシートを貼ろうか、という案も出ている」という。

タッチパッドをなぞると画面上にリモコンが表示される

メニューをタッチパネルで選ぶこともかんたん

また、メニュー画面から各種機能を選択する際も、タッチパネルは斜めの移動が楽なことから、斜めにメニューが表示され、各機能に指形のポインターを合わせてクリックすることで機能を選択することができる。なお、この指型のポインターは、内蔵の加速度センサーによって持っている手を認識し、右手で持つと左向きに、左手で持つと右向きになるなど、任天堂Wiiのような工夫が施されている。さらに、写真のスライドショー機能では、サムネイルの中から任意の写真をドラッグ&ドロップして複数選択し、好みの写真だけを再生することなどもできる。この場合には、両手で持つとポインターが2つ表示され、両指でスピーディーに操作が行える。

なお、このイージータッチリモコンは、シリコンバレーにある研究所で開発したものとのことで、開発開始から1年程度でこの完成度に仕上げたのだという。


LED光で奥行きを判別するハンドジェスチャーUI
こちらも参考出品ながら興味深いUI技術として、「空間ハンドジェスチャーUI」が展示されていた。ジェスチャーで操作を行うUIは各社が展示しているが、本技術では、カメラによる画像認識でジェスチャーを判別するのではなく、LED光を用いた光波測距により、形状や奥行きをリアルタイムに判別できるのが特徴。このため、手を上げたときの判別が正確で、さらに手を掴む動作をすることで画面上のオブジェクトをドラッグできるなど、カメラ方式では難しいと思われる動きの認識が可能。

■BDレコーダー新機種も登場

そのほか、BDレコーダーはDMR-BW930などこの秋冬の新製品を一同に並べ、新AVCエンコーダーの性能の高さや低消費電力化などをアピール。DMR-BW200とBW930の基板の比較なども行い、LSIを統合したことで面積を小型化し、さらに消費電力も削減したことなどを訴求していた。

DMR-BW200とBW930の基板の比較

小型デジタル一眼レフカメラ「DMC-G1」の実写コーナーも用意された

(Phile-web編集部)

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