<折原一也のCES2007レポート>【液晶/プラズマTV編】両方式のトレンドが見えてきた

2007年01月11日
フルHD+残像軽減の液晶、映画画質を目指すプラズマ

CES2007の会場で、もっとも大きなスペースが割かれ来場者からも大きな注目を集めてきた製品は薄型大画面テレビだろう。会場内では至るところに「1080p High Definision」のメッセージが見られ、2007年のディスプレイは1080pへの移行が一気に進むことを肌で感じ取ることができた。会場内の各展示ブースの内容から、液晶、プラズマそれぞれの見所を掴んでいこう。

会場内はいたるところに大画面TVが展示されていた。特にプラズマ陣営は大画面パネルの設置が印象的

液晶はサイズラインナップの豊富さを印象づける展示が行われていた


巨大薄型大画面テレビは108V型液晶AQUOSがトップ

毎年恒例となった最大サイズモニターの競争は、今年はシャープの108型液晶のインパクトがもっとも大きかった。特にシャープのブース内には108型液晶が3台も設置されており、大きさ順にピラミッド状に設置され、液晶の強みであるラインナップの豊富さを印象付ける展示となっていた。ただし、プロジェクターでおなじみのOptomaがサウスホールに120型リアプロジェクションテレビを展示しており、薄型ではないものも含めるとOptomaが最大サイズの展示であった。

シャープの108型は人が立っても身長と変わらないほどの巨大さだ

本当の最大サイズはオプトマの120型リアプロジェクションテレビだった


液晶は1080p、残像軽減がトレンド

液晶テレビのトレンドを見ていくと、1920×1080のフルHD解像度はすでに多くの製品が実現しており、次なるステップが注目すべきポイントだろう。会場で見た限りでは、2007年の液晶テレビのトレンドとなるのは残像軽減の技術ではないかと感じた。2006年、残像軽減技術はHD解像度の液晶では導入されてきたが、フルHDパネルとの組み合わせは実現していなかった。会場を見る限りではほぼ各社申し合わせたかのように各社が120kHz駆動の技術を展示。中間フレームを前後フレームから予測し、フレームレートを高める技術を競っている。

東芝REGZAは新型の最上位モデルで「ClearFrame」を採用

ソニーは82型プロトタイプBRAVIAで「MotionFlow」を採用


シャープは「Frame Advanced Techinology」で120kHz駆動を実現

サムスンは「120kHz Frame Rate」「LED BLU Scannning」に対応

このほかにもソニー、日立、サムスンのブースでLEDバックライトを使った技術展示が行われており、色再現についても画質の向上が見られるようだ。

ソニーの82型BRAVIAはLEDバックライトの「トリルミナスバックライト」を採用。色空間を拡張する「x.v.Color」にも対応

日立もLEDバックライト技術を展示

LEDバックライトで100,000対1のコントラスト比を実現する


フルHD化と映画画質の向上を目指すプラズマ

プラズマテレビでも、1920×1080フルHDパネルが次々と登場している。今回紹介する日立、パナソニック、パイオニアそれぞれのブースでフルHD解像度のパネルを展示しており、液晶と合わせて2007年はフルHDテレビが主役となることを強く印象付ける。

日立は42型、50型、60型のフルHDパネルを出展

パナソニックは初めて42型の1920×1080フルHDパネルを展示。42型というサイズだけあって高精細さが魅力だ

パイオニアは日本のPDP-5000EXに相当すると思われる北米Eliteブランドの50型パネルを展示



実際に比較した映像は、暗部の階調の現れ方にはまだマスターモニターに歩があるものの、中間階調の作り方が揃えられオリジナルの映画に忠実な絵作りが行われていることが分かる
パナソニックの展示で、同社の画質への自信の表れと見えたのが、マスターモニターとの比較展示だ。今回CES2007の会場に設置されたマスターモニターは映画制作の現場で実際に使っているものと同じもので、設置後に映画制作の現場同様に専門の技術者が調整を行い展示している。

比較には日本でも発売しているプラズマテレビTH58-PZ600を使用。PZ600をはじめとするプラズマVIERAに用意されている「シネマ」モードの画質は1年前からパナソニック・ハリウッド研究所でハリウッドのトップカラーリスト、デビッド・バーンスタイン氏の監修を受けて調整されたものだが、今回はそれをベースに微調整を加えて隣に設置されているマスターモニターの画質に合わせている。


同じくプラズマテレビの展示で衝撃的だったのが「See Deeper」というメッセージのあるパイオニアブース内に設けられた視聴室のデモだ。このデモルームではパイオニアの60型現行モデルの607HXと「New 60 inch Display Techinology」と書かれた新型モデルの比較が行われていた。


パイオニアの比較展示
画質は、黒色の表現力を非常に厳しく求められるデモ映像や映画『ホーンテッドマンション』で比較。現行モデルと比較して明らかに違いが分かるほど締まりがある黒色と、今まで潰れていた部分のディティールが現れていた。

この新型プラズマについては、「最も暗い部分の明るさを従来から8割落とすことに成功した」もので、暗部表現力の向上は凄まじいほどのものがある。コントラスト比を尋ねたところ「コントラスト比は20,000対1以上だが、測定に使用している機材が20,000対1までしか測れないないので実際どれだけの数字が出ているか分からない」とのこと。この製品は2008年発売だった当初の計画から前倒しされ、今年夏には発売される。詳細は5月に改めて発表するという。


価格競争のなかどれだけ高画質化を図れるかがカギ

本項で紹介した展示内容は、技術的に実現可能なことであることはもちろん、どれも比較的近いうちに実現されそうなものに限って取り上げている。液晶・プラズマともに激しい価格競争が行われている最中であり、画質面では有望な技術展示について導入時期を尋ねても「技術的には可能なものだが、コストとの兼ね合いで導入のタイミングを検討している」という旨の返答を受けることが多かった。コストと画質のバランスをいかに両立していくかという点が、薄型大画面テレビの課題となるだろう。

(折原一也)

ces2007

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